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投資の真髄 ~偉大な投資家の言葉に学ぶ~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔 第13号 2006/10/09 〕 573部発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【main contents】 グレアムの理論 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今回は、グレアムの考え方とバフェットの考え方の違いに ついて考えてみたいと思います。 グレアムの理論についてバフェットが語っているところを引用します。 ───────────────────────────────―――― グレアムの理論は、 優れた運用成績を残すためのものではないし、 単なる流行でもない。 彼が説いていたのはあくまで健全な投資です。 せっかちにならずに健全な投資を追及すれば、 誰でも大きな資産を築けると私は考えています。 少なくとも、貧乏になることはありません。 どちらかと言えば、後者の効用のほうが大きいと思います。 (『ウォーレンバフェット 自分を信じるものが勝つ!』ダイアモンド刊) ───────────────────────────────―――― バフェットと師匠のグレアム。 2人の投資に対する姿勢はもちろん重なっていますが、 2人の根本にある目的には明確な違いもあります。 2人とも投資を知的ゲームととらえていたことは 共通していますが、その目的となる行動規範は大きく異なっています。 グレアムは、証券投資を健全に初心者でも理解でき、 実践できる方法を確立することを生涯の目的に していたように思います。 自分が大きく儲けるよりも、 誰しもが確実で安全な投資ができるようになるための フレームワークを作成することに注力していたのです。 グレアムが生涯を通じて何度か破産の危機を体験していることや、 残した財産の額によって、グレアムの投資家としての手腕や その理論に疑問を抱く人もおられるようです。 しかし、その事実によってグレアムの功績が 揺らぐことはありません。 破産の危機を何度も体験したからこそ、 誰でもできる健全な投資の確立に尽力する 強いモチベーションを抱けたわけです。 対してバフェットは、 証券投資で一番になることを志していました。 バフェットは世界一のお金持ちになるという 強いモチベーションを持っていたのです。 その執念はハンパなものではないと思います。 お金を増やすというゲームに 彼ほど入れ込んでいる人はいないでしょう。 最近3年ぶりにバフェットの伝記、 「ビジネスは人なり、投資は価値なり」を読んだのですが、 改めてバフェットの天才性やその信念を感じることができました。 何号か前に、キャッシュポジションの話を少ししましたよね。 グレアムは基本的に株はポートフォリオの75%を上限に、 残りは債権または現金で持っておくことをすすめていました。 それに対してバフェットは、価格さえよければ フルインベストメントするべきだと考えていました。 バフェットにしてみれば、 明らかに価値より割安なことがわかっていて、 すべてを投資しないことはバカげていると感じていたようです。 バフェットのように強いモチベーションを持ち、 分析のためなら手間を惜しまず 妥協を一切しない投資家なら、それは理にかなっています。 しかし平均的な、投資を本業とせず かける時間も限られている投資家さんにとっては グレアムの言葉に従って、 ある程度のキャッシュポジションを持っていたほうが 平常心を保つためにも効果的でしょう。 これからもバフェットの言葉や考え方を、 このメルマガで多くとりあげていきます。 しかし、バフェットがいっているのは、 世界一を目指してそれを実現させた 並外れた男の経験を踏まえた一般論であるということも 考慮に入れておいたほうがいいかもしれません。 そして、僕がバフェットの教えに学ぶ前に、 一般の投資家が健全な投資を学ぶためのフレームワーク作成に 人生を捧げたグレアムの教えを学んでおくことはとても大切だと 感じていることをつけ加えておきます。 最後に2人の目的としたところをまとめてみます。 グレアム 投資初心者が健全な投資を行えるようなフレームワークの作成 バフェット 投資で世界一の大金持ちになること お金を増やすというゲームを楽しむこと ----------------------------------------------------------------------- 【本日の関連文献】 ----------------------------------------------------------------------- ■ バフェットの投資原則新版 ↑バフェットの語録がテーマごとにまとめられています。 このメルマガの最高のネタ本です。 投資に興味がなくても楽しめそうな一冊です。 装丁もカッコ良くなっていい感じです。 ● ビジネスは人なり投資は価値なり ↑バフェットの伝記本です。 90年代前半までのバフェットの来し方や 考え方がもっともわかりやすく読めます。 同時に、株式市場というものがその50年間どういう動きをみせたのか、 という歴史を学ぶこともできます。 またそれにバフェットがどう対処してきたかを 読み解くのも楽しい一冊です。 ■ 新賢明なる投資家(上) ↑証券分析を著したグレアムが、個人投資家向けに書いた 賢明なる投資家になるための入門書です。 しかもこの新版は現代に対応した解説もついて よりいっそう為になる一冊になっています。 またその解説が面白いんだ、これが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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