ぼっけ
北海道は阿寒、ぼっけがある。子どもの頃そう教わった。でも、道産子でも知らない人が多い。それを何故父が知っていて、私を連れて行ったのだろう？阿寒の温泉のはずれ、お盆にドライブと言って、仕事の終わったあと夕食を食べてから車で移動。阿寒には夜中に着く。確か無料の駐車場があった。何回か同じ場所で車中泊だった。ある年は、午後から行って夕方に着き、アイヌ部落に夜行った。アイヌ部落があって出店が出ていた。確か小学校４年の私･････父「○○ばあさん（上手く聞き取れなかった）はどうした？」店員「今は旭川に移った。」その次の年から阿寒には行かなくなった。ただ、お盆に北海道のいろんな所に行った。稚内、納沙布、野付半島、襟裳岬、函館･････何年間かかけて道内一周。でも、私には、ぼっけを見て、霧のない摩周湖を見て、帰りに層雲峡をみて帰るドライブが記憶に焼き付いている。そう、ここだ。第一駐車場。駐車場から森に入る小さな道。ケモノ道に入っていく感覚。すぐにつり橋があったと思う。そのあと原始林の中を歩く。うっそうと茂った樹々が空を覆い隠していた。その先にぼっけがあった。こんな立派な立て札も無く、白樺の樹で出来た柵があった。硫黄の匂いがして、ボコッボコッと粟野弾ける音がしていた。そういえば･････我が家で阿寒に行く前に････祖父母に父の兄弟家族とレンタカーのバスを借りて阿寒に行ったことがある。あの時の運転手は父で、祖父も男兄弟も昼間から酒を飲みだらしなかった覚えがある。その時はホテルに泊まったと思うが･････２度と一族とは行かないと帰ってから父と母が言っていた。何かは忘れたが我が家族にとって、とっても不快な旅行だった。たしか、その一族旅行の３年後に祖父が亡くなった。私が小学校５年の夏休みだったと思う。２年の時が一族旅行、３年、４年と家族で阿寒。５年の夏は祖父の葬式。父がボーナス目前で会社と喧嘩して辞職したのが３年の暮れ。この記憶に間違いはないのか？
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