紹介文
ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか―新版でおくる、永遠の名作。
夏への扉〔新版〕【電子書籍】[ ロバート A ハインライン ]
これは20年ほど前の雑誌で『猫好きにお勧めの小説』と紹介されていた本をその後入手し、今の今まで積読し熟成されていたものをやーーーっと読んだものです。
ちなみにこの記事を書くためにググったんですがなんと去年映画化されてたんですね。
ちょっと見た感じ原作とはだいぶん違う内容のようですが。
なにしろ今までいろんなタイムトラベル物を読んだり観たりしてしまった後この作品を読んでも
特に目新しいとは思わないですがなんとこの作品が書かれたのは1950年代後半。
つまこの小説の『過去』は1970年代なのですでにこの段階で現在よりも未来を描いていた、と考えるとなんとまぁ
すごい想像力だなーとびっくり。
あのバックトゥザフューチャーもこの小説からインスパイアされたとかされないとか。
1970年も2000年も、ロバート(作者)さんが思い描いたよりも若干進みが遅いようですが(残念ながら全自動家事ロボットはまだできていないし再生を約束されたコールドスリープもまだ存在しない)過去の人が想像力を駆使して描いた未来を読むのって楽しい。
森瑤子さんの『アイランド』読んだ時にも思いましたが。
タイムトラベル物の走りだと考えるとパラドックスもデラ無視(パラレルワールドは何となく考察されてるけど)もありなんでしょうか。
猫好きから言わせてもらえれば自分に淡い恋心を抱いているらしい11歳の子供よりも自分の猫のほうが大事だと思うんですが!ってところがいまいち納得いかないかな。
ってかその11歳が21歳になるまで待って結婚しちゃうって…。
・・・ロリコンにもほどがあるでしょうよ・・。
期待していた猫小説ではなかったけれど、軽快な語り口(翻訳さんがうまいんでしょうね)も良いし店舗も良いし。
なんとなく気分を上げたいときに読みたい本です☆