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テーマ:本のある暮らし(3187)
カテゴリ:愛する本
マリー・キュリーが亡くなって4年後に書かれた次女エーヴによる「キュリー夫人」の伝記。 1937年にアメリカで出版され、日本では1938年に翻訳出版された。 現在出版されている「キュリー夫人」の伝記はある時点までこの一冊の本の焼き直しでしかなかった。 と言うのもさすがにジャーナリストであった次女エーヴの作品であり、他の追随を許さない資料的価値と彼女の文学的文章のためである。 しかしながらこの本の出版の目的は母であるマリーの最後の恋、ランジェヴァン事件を抹消するために書かれたものであり、母を完全無欠な女性と仕立て上げる目的を持っていた。 この当時の原本が読みたくて探しまくって買った。 いや、良く探せばそこここに残っている。 古い本であり印刷状態は非常に悪い。 時代も加わって本の紙質が極めて悪質で、裏の文字が透けて非常に読みづらい。 しかし、この本は一つの負の遺産であり、身内の切なる叫びだと思う。 古いから、充分な情報ではないと言うのではなく、一つの歴史的な伝記なのだ。 次女の言葉に少し耳を傾けたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.04.23 21:42:57
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