テーマ:日記(2514)
カテゴリ:言葉・言語・表現
今回は単に言葉(慣用句)についての話で、面白くないといえばそうなので、その辺りを斟酌してくださいませ。
先頃亡くなった歌舞伎役者の二代目市川猿翁が、幼子のうちに別れの息子の俳優香川照之との再会の際、元妻で俳優の浜木綿子に対し、「恩讐の彼方にありがとう」の言葉を残しました。 って、そのことをココアはオトタマから聞かされるまで知りませんでしたし、「恩讐の彼方」などの慣用句も知りませんでした。 そんなオトタマも菊池寛の小説は読んだこともなかったそうで、朗読されたものを先日聴いたそうで、あぁなるほどぉと感心したそうです。 ということで、故事諺解説辞典によると、 __「恩讐の彼方」の読みは「おんしゅうのかなた」で、「良いことも悪いことも含め、色々な感情を乗り越えた後の現在の気持ち」と言った意味を持つ慣用句です。 「恩讐の彼方」における「恩讐」とは、「恩義と恨み」や「情けとあだ」や「恩義と敵(かたき)」と言った意味を持つ熟語です。 「恩」は「めぐみや、いつくしみ」という意味を持つ漢字で、「讐」は「むくいるや、しかえしをするや、かたき」などの意味を持つ漢字です。 「恩讐」とは、この相反する二つの漢字を連ねて構成されている熟語で、「良いことも悪いことも」や「酸いも甘いも」と言った色々な感情を意味する言葉なのです。 また「彼方」は「遠く離れた場所や方向」や「現在から遠く離れた過去や未来」を指す言葉です。 「恩讐の彼方」では、「現在から遠く離れた過去」の意味で使われています。 従って「恩讐の彼方」は、「良いことも悪いことも含め、色々な感情を乗り越えた後の現在の気持ち」と言った意味になるのです。 この慣用句は、大正の初めに菊池寛が発表した「恩讐の彼方に」という小説が由来だとされています。 この小説は、父を殺した男の仇討のために、探し求め、ようやく出会った実之助と僧了海と名前を変えた男の物語です。 了海は山を切り開いて道をつくる大仕事に、一人で苦労しながらとり組んでいました。 その姿を見て、父の仇討に来た実之助も、それに協力して、21年を掛けてようやく開通させたのです。__ この小説、青空文庫に載ってますので、読んでみて良しですが、朗読されたものもあるので、YouTubeで聴いてみるのも良しですね。 (楽天市場より引用) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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