急激な腹痛で救急(内科)を受診され、「
今にも死にそうー」と悲痛な表情の患者さん。CTを撮ったら肝表面と十二指腸周囲に空気の存在を疑わせる所見が・・・
「free airがありそうなんですけど・・・」と呼ばれてしまいました。夜中の12時。今さっき寝たところなのに。まさに一番眠たい時間です (T_T)zzz
診察しても腹膜刺激症状がないんですよねぇ。CTの条件を変えて見ると、その影は脂肪の一部でした。ちゃんと診てくれよぉ。
とりあえず、外科としてはめでたしめでたし。じゃあ、この痛みの原因は?まあ、憩室炎かな?
さて、こんな激しい腹痛はいつ鎮痛剤を投与してもらえ(あげれ)ば良いでしょうか。
昔は外科医あるいは専門医が診察するまでは痛みを取ってはいけないといわれ、その間患者さんは痛みにひたすら耐えるだけでした。
しかし、今は患者さんが「痛い」といえば、
その場で鎮痛するのが一般的です。救急の分野で腹痛患者に鎮痛剤を投与したときとしなかった時とで得られる所見と診断に違いが生じるか、という比較がされたことがあります。その結果、鎮痛剤を投与されることである程度の痛み(とくに安静時痛)が取れても、
圧痛や反跳痛(腹膜刺激症状)は残るということでした。極端な話、
痛みが消えるまで鎮痛剤を追加しても良いし、その追加量が痛みの程度を表し処置の重要性、緊急性を物語ることになります。
内科、とくに循環器科や内分泌科にはまだ知られていないかもしれませんね。
さて後日談です。
患者さんは尿路結石症でした
![雫 雫](//plaza.jp.rakuten-static.com/img/user/emoji/h263.gif)
。最初free airといわれたから腸管疾患ばかりを気にしていました。
その他膵炎、胆石症、(先日の)イレウス、時には子宮外妊娠や心筋梗塞もあり得るんですよね。
腹痛って難しいです。ヾ(_ _*)