立山光広(38=カバヤグループ)がリベンジに成功した。初日は8番ショートで19の大たたき。ブービーの119位からスタートし、4バーディー、ボギーなしの67で回って因縁の8番も難なくパーセーブでガッツポーズ。通算9オーバーの112位で予選落ちしたものの、4年連続賞金シードの意地を見せた。小山内護(36)が通算14アンダーとスコアを伸ばして単独首位をキープし、5打差の2位に清水洋一(43)。宮里優作(26)は通算7アンダーで4位に上がった。
立山が勝ち誇ったように両手を天高く突き上げた。日本ツアー史上、事実上ワーストの1ホール最多スコア「19」をたたいた8番。前日はブッシュに打ち込んだ第1打をグリーン手前に落とし、1・5メートルのパーパットを沈めた。アドレスに入る時「妙に人が多く、やべぇなぁ。またやったら…」と不安が一瞬脳裏をよぎったが、さすがに同じ過ちはしない。「パーパットはしびれたね」は本音だろう。
この日は攻撃ゴルフを貫いた。出だしの10番で幸先いいバーディー。その後も3バーディーを重ね、前日の9番から28ホール連続ボギーなし。「今日はほとんどのホールをドライバーで攻めて行った。最近、安全にゴルフをやるようになっていたけど、これが自分のゴルフ」。悪夢が本来の立山のゴルフを取り戻させた。
ホールアウト後は多くのファンからサインを求められた。「NO8、PAR3。19」の文字を「みんな、きのうの日付を書いて下さい、って言うんだよ」。新聞各紙の報道に「大きく扱ってくれて、ありがとう。名前を覚えてもらうのは、いいこと」と笑った。災い転じて福となす。立山は「頑張ったでしょ」と言って、波乱の2日間を終えた。