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2013.05.21
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カテゴリ:エネルギー

 無尽蔵に吹く風を利用する風力発電は、再生可能エネルギー源として最も急成長している。風力タービンが次々と設置され、その拡大スピードも増すばかりだ。

 しかし、この急成長に水を差す科学者もいる。物理学の法則によって、世界のエネルギー需要を賄う可能性が制限されるというのだ。論争の発端はタービンそのものだ。ノースカロライナ大学シャーロット校の気象学者で、大気モデリングの研究を行うアマンダ・アダムス(Amanda Adams)氏は、「タービンを設置すると、風に変化が起きる」と話す。

 タービンが風のエネルギーを奪う問題を、アダムス氏をはじめとする複数の研究者が探っている。ブレードの回転によって空気抵抗が生じ、空気の流れが遅くなるのだ。この"ウインド・シャドー"現象が発生すると、「これ以上タービンを設置しても、もうエネルギーは得られない状態になる」とアダムス氏は説明する。

 ウインドファーム(風力発電所)のデベロッパーはウインド・シャドーのリスクを認識し、タービン同士が風速を奪い合わないよう慎重に配置している。ただし、世界のエネルギー需要の大きな部分を担うには巨大な施設が必要で、現在のウインドファームはまだ規模が小さい。

 アダムス氏の研究チームは、十分な大きさになれば、ウインド・シャドーは避けられないと主張する。

 アダムス氏とともに論文を執筆したハーバード大学の応用物理学者、デイビッド・キース(David Keith)氏は、風力エネルギーには未来があると話す。悲観的な予測でも、現在の発電能力には成長の余地がまだまだあることを示唆しているという。ただし、キース氏は同時に、ウインド・シャドーの影響が予測通りになれば、風力がエネルギー需要の大きな部分を担うことはできないと述べている。「風力エネルギー源は過大評価されているのか?(Are global wind power resource estimates overstated?)」と題されたアダムス氏とキース氏の論文は、2013年に入って「Environmental Research Letters」誌で発表された。

◆風力への大きな期待

 カリフォルニア大学バークレー校再生可能・適正エネルギー研究所(Renewable and Appropriate Energy Laboratory)の創設者ダニエル・カメン(Daniel Kammen)氏は、風からどれくらいのエネルギーを得られるかに関しては議論があるものの、風力エネルギーを最も積極的に活用している国の水準さえもはるかに超える可能性を秘めていることは間違いないと話す。カメン氏によれば、デンマークは既にエネルギー全体の約20%を風力から得ており、ドイツやポルトガル、アメリカ、韓国なども同等の目標を掲げているという。

 スタンフォード大学で土木・環境工学の教授を務めるマーク・ジェイコブソン(Mark Jacobson)氏によれば、タービンの数が増えるにつれ風力のポテンシャルが"飽和状態"に達し、それ以上のエネルギーを得ることが期待できない段階は確かに存在するという。ジェイコブソン氏はこの問題に言及した論文「風力の可能性の飽和状態と風力発電への影響(Saturation wind power potential and its implications for wind energy)」を共同で執筆し、2012年に「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌で発表している。

 ただし、風力エネルギーが天井に達する要件は、「何十億基というオーダーになる」とジェイコブソン氏は話す。業界団体、世界風力エネルギー会議(Global Wind Energy Council)の報告によれば、2011年末現在、全世界で稼働するタービンは20万基弱だという。

 ジェイコブソン氏らの論文では、2030年に世界のエネルギー需要の半分、つまり6テラワットのエネルギーを生むには5メガワット(MW)のタービンが約400万基必要だと試算している。400万基ぐらいなら、互いの効率を損なわないよう配置することは可能だとジェイコブソン氏は主張する。

◆配置の問題

 現在、ほとんどのウインドファームに設置されているタービンは、5メガワットよりずっと小規模だ。

 アメリカ風力発電協会(AWEA)によれば、2012年秋に稼働を開始した世界最大のウインドファーム、オレゴン州のシェファード・フラット(Shepherd's Flat)は78平方キロに2.5MWのタービン338基が設置され、845MWの発電能力を誇るという。

 風力エネルギーは現在、全世界の電力の2.5%しか担っていない。石炭が支配する電力産業の一角を占めるには、シェファード・フラットのような規模のウインドファームがいくつも必要になる。

 アダムス氏によれば、タービンの設置には地理的な問題、政治的な問題が絡むため、過密な配置によって効率が下がらないかどうかが重要になるという。「地球上のあちこちにタービンを設置できるわけではない」とアダムス氏は話す。

 ドイツのマックス・プランク生物化学研究所(Max Planck Institute for Biogeochemistry)が2011年に発表した論文はもっと憂慮すべき問題を提起している。地球上を吹く風から最大の電力を得ようとすれば、大気中の二酸化炭素が倍増した場合と同等の気候変動を引き起こしかねないというのだ。

 ハーバード大学のキース氏も、少なくとも10年程度で、ウインドファームは局地的な気候変動を引き起こすくらいの規模に達すると予想している。

 アダムス氏も、風力エネルギーそのもの、そして大気との相互作用はまだわからないことだらけだと認めている。「果てしない問題が山積みだ」。

David LaGesse for National Geographic News

 

 

※この記事の著作権は、ヤフー株式会社またはナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト に帰属します。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130520-00000005-natiogeog-sctch

 


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Last updated  2013.05.21 10:11:03
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