アマテラスの暗号(下)
賢司とナオミは、元駐日イスラエル大使・ヘラー氏の誘いで、 祇園祭の山鉾巡行を見た後、秦氏の木嶋神社へと向かう。 その途上、ナオミは清美とのシルクロード旅行について語る。 そして、剣山の行場らしき洞窟で、兼平宮司の命を受けた八咫烏の小橋に遭遇。 しかし、小橋の同期・宗村は、賢司に銃口を押しつけ、神の絵を出せと脅迫。 宗村の正体は、中国のスパイ、ヴォルターだったが、小橋の活躍により危機は回避される。 そして、ヘラー氏、賢司、ナオミは、イスラエル大使館によって無事救出されたのだった。 その後、賢司とナオミは出雲大社に向かい、ボランティアガイドの三浦憲行に案内してもらう。さらに、賢司とナオミは籠神社へと向かい、賢司の叔父である宮司から次の『神の同時存在の法則』について聞かされることに。 一.神は別名の分身を創るが能ふ 一.神は時空をこえて存在するが能ふ 一.同名をもつ神はもとは同神なりそして、本殿に向かう途中、突如、ウィリアム・王が現れる。王は、自身の正体が中国のスパイ・赤猫であることを明かし、海部直彦が賢司に贈った本の最後の頁の絵を渡して欲しいと頼むが、賢司は断る。王は、そこに現れたヴォルターが放った2発目の銃弾から賢司を庇い、自らが被弾してしまう。その後、叔父から手渡された、父からの籠神社御札の中に、メッセージを見つけた賢司は、ナオミと共にメッセージを次々に解読しながら大神神社、大和神社、石上神宮と順に巡る。そして、最後に伊勢神宮に辿り着くと、二人は内宮板垣を超えて内部に侵入。そこで、賢司が見た、朽ちかけた素木の無垢板には四文字の神の名が。さらに、本殿奥の祭壇には…… ***上巻の帯には「『ダ・ヴィンチ・コード』を凌ぐ衝撃の名著!!」とありましたが、それは、世界的ベストセラー作家であるダン・ブラウンさんに対して少々失礼かも。文章力も、構成力も、本物のプロの作家さんとは、明確な差が感じられました。作品自体は、少し前に『「戦前」の正体』を読んでいたので、十分に楽しむことが出来ました。