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2008.07.19
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カテゴリ:その他
 とても勉強になった。
 「精神科」「神経科」「心療内科」等の違いを、初めて知ることが出来た。
 また、その名称が、世の中で混然としたまま使用されている理由も分かった。
 それらの医院の扉を叩くことに対し、抵抗が少なくなってきたのは、歓迎すべきこと。

 また、精神科医が処方する薬についても、ある程度知ることが出来た。
 「抗うつ剤」は、病気の根治を目指す薬で、効果が現れるのに時間を要するが、
 「精神安定剤」の投与は、即効性はあるが、対処療法にすぎないものだということ。
 さらに、これらの薬がもたらす副作用を、よく知っておく必要があるということ。
 
私が、本著で最も衝撃を受けたのは、p.19から始まる次の部分。

  同じ自殺なのに、なぜ子供と大人の扱いはこうも違うのか。
  私はそこに、人間の心に対する大きな誤解があるように思えてならない。
  それは、「年齢を重ねるほど人間の心は傷つきにくくなる」というものだ。
  子供の心はちょっとしたショックでも簡単に壊れてしまうが、
  大人は多くの人生経験を積んでいるので、心が頑丈にできている
  -そういう先入観があるのではないだろうか。
  (中略)
  うつ病の好発年齢(よく発症する年齢)は四〇代以降とされるのだが、
  それは、セロトニンをはじめとする脳内の神経伝達物質の分泌量が、
  加齢によって減少することが原因だと考えられる。
  つまり、責任感とか人生経験などといった問題以前に、
  人間は生物学的な次元で、年齢を重ねるほどうつ病になりやすくできているのである。

まさしく、私も大いに誤解していた。
そうだったのか……、目から鱗が落ちるとは、このことだ。
そして、もう一つ、p.67から始まる次の部分も、自分の無知を思い知らされた。

  しかし一方で、これまで発達障害だと思われていた病気が、
  必ずしも生物学的なものであるとはかぎらないというケースもあるから、話はややこしい。
  「注意欠陥/多動性障害(ADHD)」がそうだ。
  リタリンという薬が一定の効き目を発揮し、遺伝する傾向も強いので、
  その意味では生物学的な病気だと考えられる。
  しかし、昔は人口の三パーセント程度しかいなかったこの病気が、
  いまは子供の十五パーセント程度にまで増えていることがわかってきた。
  生物学的な先天性の病気だとすれば、急にこれほどの増加をするのは説明がつかない。
  社会的な要因によるものと考えることが自然だろう。
  具体的には、親の育て方が変わったことが、この病気を増やしている可能性があるわけだ。

ADHD増加の原因を、社会的な要因に求めることについては、
著者が「可能性があるわけだ」としていることから、その程度のものなのだろうけれど、
驚いたのは、「子供の十五パーセント程度にまで増えている」という、その数字である。
最近まで、発達障害を持つ子どもは、色々合わせておよそ6%と言われていたはずだが、
本当にADHDの子供が15%もいるとなれば、とんでもない事態である。
40人のクラスなら、同じ教室の中に6人ものADHDの子供がいることになる。
これは、ハッキリ言ってスゴ過ぎる……。

   ***

その他の部分も、非常に興味深いところが多かった。
例えば、今場所も休場することになってしまった朝青龍を、
以前、3人の精神科医が診断したとき、「適応障害」ではなく、
「神経衰弱」「急性ストレス障害」「解離性障害」といった診断名を付けた背景は、
「なるほど!」と納得させられるものだった。
また、大学教授昇任が、臨床実績でなく、論文の数で決まるシステムになっているため、
大学教授が、すぐれた臨床医師とは限らないということも、よく理解できた。





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Last updated  2008.07.19 11:31:11
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