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カテゴリ:教育・子育て
妹尾昌俊さんが、教育現場の危機的状況、
なかでも教師にスポットを当て、世間に向け警鐘を鳴らす一冊。 妹尾さんの文章は、Yahoo!ニュース等でも頻繁に目にするようになりましたが、 現場感覚やその実態を、かなり忠実に伝えてくれていると感じます。 本著では「ティーチャーズ・クライシス」として、 「教師が足りない」「教育の質が危ない」「失われる先生の命」 「学びを放棄する教師たち」「信頼されない教師たち」の5つを挙げ、 様々なデータを基に、その現状について説明してくれています。 第1章の「教師が足りない」は、コロナ禍の現時点でも最も切実な問題であり、 いくら予算を付けようとも(これまでは付けようともしませんでしたが)、 実際には、その担い手となりうる人材が絶望的に不足しています。 その原因だけでなく、今後の行く末についても、著者は記しています。 残りの4つのクライシスについても、どれもこれも本当に苦しい状況であり、 その中で、著者は第6章で、学校が目指すべき方向を示してくれています。 「欲張りな学校」をやめるしかないことは明確ですが、 どこまで周囲の理解や協力を得られるかが鍵となってくるでしょう。 *** 筆者の独自調査でも、教師の1か月の読書量について聞いたところ (小説、漫画などは除く)、 小学校教員の約3割、中学校、高校の教員の4割以上が「0冊」と回答しました。 おおよそ6~8割の教員は本から学びを得ておらず、 1~2割の教員はたいへん熱心に本から学んでいる。 そんな二極化した状況が見て取れます。(p.196) 著者の調査では、小説は何冊読んでも、読書量としてはゼロカウントで、 全く学びに繋がらないという扱いであるということに、ちょっと驚きました。 小説からも、漫画からも、作品によっては多くの学ぶべき事柄があり、 それらは教員にとって、大きな力になることも多々あると思うのですが…… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.08.02 11:36:25
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