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2005年08月17日
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カテゴリ:映画生活

映画『ヒトラー最期の12日間』を観てきた。100席ほどのミニシアター系の劇場だが、公開して1ヶ月近く経つというのに座席は満席で、仕方なく通路の地べたに座って観た。時節柄か、客層は意外と中高年の年配層がほとんどで、若いカップルなどは皆無であった。

この映画は、タイトル通りヒトラーおよびナチス・ドイツの「最期の瞬間」を描いたもので、そこに至るまでに彼らがどのように民衆を扇動しどんな行いをしてきたかという、彼らにとっての偉業(?)は一切出てこない。
むしろこの映画で描かれる最期のヒトラーの姿は、実に情けない、しょーもないチョビ髭のオッサンである。壊滅寸前である自軍の勝利を盲信し、側近からの忠告に癇癪を起こし、取り乱して戯言や暴言を吐き散らす姿には、もはやカリスマの片鱗もない。これでもし腹巻にステテコ姿だったら、見た目はほとんどバカボンのパパである。「ベルリン・天使の詩」のブルーノ・ガンツのボロボロの演技がすばらしい。

しかし、側近や兵士たちのヤケクソ酒びたり状態、宣伝相ゲッペルスと家族の最期など、首相官邸の地下要塞で起こっていた出来事の描写はなかなか興味深い。最期まで行動をともにした女性秘書ユンゲ自身の告白を下敷きに作られた作品なのでディテールの信憑性は高いと思うが、進行の視点に必ずしも一貫性がなく、ややつぎはぎな感じもする。けれどそのことが結果として客観的な記録映像のような効果を生んでいて悪くない。3時間近い上映時間だったが、あっという間だった。

印象的だったのはヒトラーの「国民なんかどうなっても知らん。ワシを選んだのは自分らなんだから、自業自得や。」というセリフ。最後までなんちゅう自分勝手なオッサンやと思うが、一理ある。ヒトラーは確かにトンデモナイ奴、という一方で、ここまで彼を暴走させた責任は国民にもあったんじゃないの?という自戒の念も込めてこの作品は作られたのかなぁと感じますた。
もうひとつ、ホロコーストに関する話がほとんど出てこず、最期の最期にユンゲがインタビューで「ホロコーストのことは知らなかった」と告白するという事実。「知らない」というのもまた罪だ、と言っているようです。

いわゆる映画に期待する娯楽性とか芸術性などはあまり望めないが、 1人の独裁者の死に様、というよりも1つの国の終り方を知るという点で、歴史の認識としては大いに観る価値ある作品ですな。

◎オフィシャルサイト





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最終更新日  2005年08月19日 11時41分23秒
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