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テーマ:愛・地球博(446)
カテゴリ:旅行生活
午後1時半、一人できしめん定食をズズズとすすりながら、さあてどうしたもんかなあ、と意味もなく店内をぐるぐる見回す。 小ギレイではあるがあまり特徴のない、よくあるロードサイドのうどん屋の店内は、家族連れやカップル客で満席であった。若い女性客もチラホラいて、名古屋は意外と美人が多いなぁなんて思ったりするが、そんなことは今どうでもいいのだ。 妻とムスメはどうなっただろうか?と、朝から運転のしすぎで猛烈に痛む腰と首筋を押さえながら考える。 そもそも今朝、起床したのは5時20分。目覚ましは4時にかけていたのだが、少々寝坊してしまった。寝ていた家族を慌てて叩き起こし、予定より1時間遅れの6時前に家を出発した。愛知万博のチケットを随分前から入手していたのだが、ぼやぼやしているうちに閉幕1週間前になってしまい、行くならこの3連休しかないということで急遽強行することになったのだった。日曜早朝の名神高速はガラ空きで、予定通り約2時間で名古屋市内に到達した。が、その先がエライことになっていた。 会場まで残り約3キロほどの地点から万博を目指すクルマの大渋滞が始まり、一向に進まない。外はすっかり明るくなり気温もウナギ昇りで、車内ではクーラーをガンガンにかけてもまだ暑い。比較的長時間おとなしくしていたムスメだったが、ついに我慢の限界を超えたらしく、後部シートで叫び暴れだした。予定では、午前8時過ぎには入場ゲートに到着し、9時の会場と同時に目当てのパビリオンめがけてダッシュし着々と整理券を入手、あとは指定時間に余裕で観覧する計画だったのだが、開場時間をとっくに過ぎても会場への道程ははるかに遠く、気も遠くなる。 午前10時過ぎ、ようやく会場ゲート付近の外周道路に到達し、民間の駐車場を探すが行けども行けどもすべて満車。かなり歩く覚悟で2キロ先の駐車場まで行くがそれでも満車。近場の民間駐車場は諦めて、数千台収容できる少し離れた指定の「パーク&ライド駐車場」まで行き、シャトルバスに乗り換えて会場に行くという正規の手段にやむを得ず切り替えることにした。 ところが、渋滞の中を必至で指定駐車場までたどり着くと、ここも満車。携帯の公式サイトで駐車場情報を調べてみると、全部で6ヵ所ある指定駐車場は現時点ですべて満車であった。 こんなことをしていたら日が暮れてしまうので、再度会場へと折り返し、午前11時過ぎにとりあえず妻子だけを入場ゲート付近で降ろして会場内に向かわせ、ワタシは引き続き比較的空いてそうな指定駐車場で、空車待ちをすることにした。会場からかなり遠い、人気のなさそうな指定駐車場に行くと、それでも約30台のクルマが空車待ちの列を作っていた。待つこと1時間。数台前のクルマが1台、しびれを切らして退散した以外は、まったく動きがない。 さらに40分ほど経った頃、駐車場の誘導係の老人がクルマの窓をコンコン叩くので何かと思って開けると「遠くからお越しのようで大変申し訳ないのですが、今、本部からの知らせで、会場自体が大混雑で、入場規制をかけることに決まりました。このままお待ちいただいても、今日は会場に入れないかもしれないのですが」と、申し訳なさそうに言った。 この瞬間、ワタシがこれ以上何らかの努力をして万博会場に入る気力は完全に消え失せた。 ガックリしながらクルマを移動し、ともかく腹がへったので入ったのが、このうどん屋である。 午後2時頃、きしめん定食を食べ終えてしばらく放心していると、妻の携帯から連絡が入った。ゲート付近で別れてからさらに1時間近くかかって入場はできたらしいが、灼熱の場内は大混雑で、目当てのパビリオンに入るどころか、前に進むのがやっと、という状況だとか。会場内交通も運転停止。飲料を買うのにも長蛇の列で、身動きがとれない。もうフラフラなので早く迎えに来て欲しい、とのことであった。 30分後、駐停車禁止のためパトカーや誘導員が警備を固めるゲート出口付近の路上にて、ヨロヨロ歩く妻子を発見。警備員の制止を無視してクルマを急停止し、ハンドマイクで「至急移動せよ」と激しく怒鳴られながらも無事2名回収。我が家の愛知万博は終わった。 帰りは、寝不足と疲労で意識朦朧のやや蛇行運転気味ながら、再び片道2時間の名神高速をぶっ飛ばして、逃げるように帰った。その晩は、12時間運転しっぱなしの後遺症により、足腰肩首が極度の硬直状態&激痛で、床にゴロゴロ転がって唸っていた。 翌日のニュースによると、この日は閉会直前の連休ということで駆け込み客が殺到し、よりによって、会期始まって以来の最高入場者数(28万人)を記録したそうである。 結論=無理して慣れない事をせず、最初からひつまぶしと味噌カツだけを食べに行くべきであった。 モリゾー&キッコロにも、当然会えず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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