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カテゴリ:映画生活
![]() フィンランドの映画といえば、“普通のヒトの冴えない日常”をテーマとするアキ・カウリスマキの作品のどこか居心地の悪い空気感がすぐに頭に浮かぶのだが、この『かもめ食堂』から伝わってくるフィンランドの空気は、なんだかすごく穏やかで柔らかくて気持ち良さそうなのだ。ヘルシンキの街角で、小林聡美扮する主人公“サチエさん”が営む小さな食堂の設定は、その空気に実に違和感なくいい感じで溶け込んでいる。 ![]() そして、この映画で最も印象に残ったセリフは、サチエさんが、店に来たお客の男にコーヒーを出し、次に、反対にお客の男がいれてくれたコーヒーを一口飲み、その美味しさに驚くシーンで、男が言うひと言。 「コーヒーは、人にいれてもらって飲むと旨いんだ」。 なるほどなぁ。そうだよね。そういうもんだよなぁ、と妙に納得。 登場人物たちの、何かしら悩みを抱えながらもどこか肩の力が抜けた感じもいいし、「このシンプルな形の食器はいいなぁ」とか、「あの照明はどこのデザインかなぁ」とか、「この服の柄はマリメッコだな」といった楽しみも随所にあって、とにかくなかなかキュートな映画なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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