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テーマ:地球生命体(577)
カテゴリ:一般生活
容器を覗き込むと、微妙に大きくなった義男(よしお)が、壁面に張り付いて動いている。 なーんだ、元気そうじゃないか。 と思ったら、よく見ると動いているのはこの1匹だけで、あとは動かない。久しぶりに人間に見つめられて、みんな緊張しているんだね。ふふふ。 ちょっと揺すってみようかな。トントン。 あれ? もいちど、トントントン。 あれれ? みんな死んでるよ(号泣)。 地表の上に転がっているのが、最初に死んだ助清(すけきよ)。 中腹の縦穴の途中には、助清と仲の良かった助六(すけろく)が。 最深部の壕の奥で折り重なるように一塊となって息絶えているのが、これまたお互い仲の良かった幸男(さちお)と幸子(さちこ)である。まるで深い海の底で絶命しているような、まるで「ピアノレッスン」のラストシーンのような死に様である。 ごぼごぼごぼ。 去年の9月18日から約1年間飼育してきた感想を言うと、普段は知らずに踏み潰したり、足に這い上がってきたら叩き落としたり、家の中に行列を作って入り込んできたら殺虫剤をかけたりと、もともとあまり印象の良くない蟻であるが、不思議なもので、自分で飼って名前をつけたりしてみると、たとえ蟻でもそれなりに情が湧くものだなぁ、ということである。 ところで、アントクアリウムのサイトであらためて蟻の寿命を確認したところ、「通常6ヶ月から1年くらい」とのことであった。なんだ、そうすると、うちの蟻たちも決して短命だったワケではなく、むしろ自然死である。そもそも捕獲した時には少なくとも生まれて何ヶ月かは経っているはずなので、そんな中でさらに1年近くも生き伸びた義男(よしお)の生命力は、たいしたもんである。 これからは、ひとり残った義男と一緒に、強く生きていきマス!(なんか違う物語になってる?) 「蟻の生活」 -完- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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