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より良い明日をめざして



 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。(日本国憲法 前文)
2026年05月18日
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カテゴリ:ニュース
神奈川新聞は憲法記念日の朝刊に「特集『憲法こそ未来』」と題した特集版を挟み込んで、国会における改憲論議に関する有識者の見解を掲載しているが、その中で学習院大教授の青井未帆氏は、記者の質問に応える形で次のように述べている;


 自民党が大勝した衆院選を境に改憲議論が加速している。委員の約8割を与党が占める衆院の憲法審査会では前のめりな発言が相次ぎ、高市早苗首相(自民党総裁)も4月の党大会で、今後1年で国会発議のめどを付けたいと意欲を示した。学習院大教授の青井未帆さんは「改憲ありきで不誠実」と批判する。
(聞き手・柏尾安希子)


――衆参両院の憲法審査会で議論が始まった。

 「前のめりで、十分に議論されているとは思えない。改憲ありきで、改憲後の姿を見せないまま期限を切ろうと主張するなど非常に不誠実だ。憲法は中長期的に国の骨組みを作るもので、このようなやり方で変えていいわけがない。目隠しをして国民投票をさせることと同じだ」


――そもそも改憲は必要か。

 「全くそう思わない。理由が見当たらない。先の大戦で多くの犠牲者を出したことを出発点に、紛争を力で解決しないと決めた憲法9条の価値を考えた時、改憲で何をするのかこそ問われるべきだ」

 「米国とイスラエルが攻撃したイランに自衛隊を派遣しなかったことで、9条が米国への最後の防波堤のように効いている現実が見えた。なぜ変えるのか」


――衆院憲法審査会では「条文起草委員会」を設置しようとの発言もあった。

 「後先が逆では。何か問題で、どうしたいのかをあらかじめ示さずに条文を書けるのか。法律を作る場合、まず立法事実があり、その目的のために規制を作る。憲法も同じはずだが、改憲を支える事実が何なのかが提示されていない。自民党党大会で首相が示した意欲も漠然としていた。もっと具体的に示すべきだ。知りたいのは、どういう法改正が関連して必要となり、将来的にどのような義務付けや権利制限がされるかという全体像だ」


――それほどまでに、なぜ改憲したいのだろうか。

 「理解しようがない。日米同盟が背景にあるだろうが、今や多くの人が『米国との関係はこれでいいのか』と思っている。改憲すれば米国の要求を断れなくなり、鉄砲玉のように使われ、国家全体が兵站化するだろう。中露との関係で米国が関わり続けるために必要という発想かもしれないが、世界の少なくない国が米国にしらけた視線を送る中、いまだに米国を世界の中心のように見ているだけでいいのか」


――自民党が優先と考える改憲4項目(たたき台素案)の一つで、自衛隊明記をうたう。

 「軍と書くのも自衛隊と書くのも基本は同じ方向で、自衛隊を特別扱いすることになる。今は他の行政組織と同等に扱わなければならない。それは軍を動かす権力をうまく統制できず、多くの命が失われた第2次世界大戦後、憲法の下で実力を保持する知恵だった。だが自衛隊が明記されれば、国民に義務を課す強い根拠となり得る」

 「例えば、有事にはマンパワーが不足する。自衛隊のなり手が少ないなら国民の権利制約は正当だという議論に当然なるだろう。医療従事者に自衛隊・国防軍を優先的に救助させたり、港湾労働者に物資を運ばせたりと、国民に義務付けする根拠になる。徴兵制とは言わずとも、人員確保とも関わってくると思う」


――緊急事態条項も取り沙汰されている。

 「自民党が2012年に機関決定した改憲草案は主権制限に歯止めがかからない状態だったが、その点がどうなるかは不明だ。内閣にどれほどの権限を持たせるかがポイントになるだろうが、現時点でも内閣の総合的判断に任される重要事項は多い。それを憲法レベルで、民主主義的な過程を止めることまでも行政権に許し、仮に9条の改定や削除などが行われるなら、戦後の日本国憲法下での在り方の断絶と言えるだろう。もはや『平和国家』という旗を降ろさざるを得ないのでは」


――今後、求められることは何か。

 「諦めず、改憲はどのような射程を持つ話か、私たちから問題提起する必要があるだろう。国益や国防、安全保障という抽象的な概念が私たちの生活、権利にどう影響するのか。表現の自由などにも関わる。集団的自衛権の行使を容認した14年の閣議決定以降、情報、宇宙、経済など安全保障という言葉が至る所で使われている。それらは平時の安全保障に見えて、武力攻撃と密接につなかっている。遠い国の話に見えるだろうが、仕組みはできており、あっという間に生活に関わってくる」


<あおい・みほ> 学習院大法務研究科教授、憲法学者。著書に[憲法と政治](岩波新書)、「憲法を守るのは誰か」(幻冬舎ルネッサンス新書)、「憲法I人権」(共著、有斐閣)など。


2026年5月3日 神奈川新聞朝刊 特集「憲法こそ未来」 3ページ 「改憲理由見当たらず」から引用

 この記事で青井氏が述べているように、高市氏もその他の自民党員も「なぜ今、憲法改正が必要なのか」という点について、明快な理由を説明してはいない。そうなると、この記事で青井氏が言っているように、表立っては言えない(やましいから)理由を持っていて、それは今さら言わなくても分かる人には分かってもらってるはずだから、だから今は勢いで改憲してしまおうというのが高市政権の魂胆であろうと想像するほかはないわけです。国民の立場からは、この記事が指摘するように、この度のアメリカとイスラエルが仕掛けた「イラン戦争」に、自衛隊を派遣せずに済んで自衛隊員の命を危険にさらすような事態を避けることができたのは、憲法9条のおかげであり、「わが国憲法は本来の機能を発揮している」ことを確認できたのですから、改正しなければならない「問題点」など一切ない、というのが現実であることを確認するべきだと思います。





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最終更新日  2026年05月18日 15時58分13秒


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