公安委員会は何してる?(25日の日記)
鹿児島県警で生活安全部長をしていた人物が守秘義務違反で逮捕された事件は、実は県警本部長の不正を暴露したことに対する組織的報復であるらしいという疑惑もあり、前文科事務次官の前川喜平氏は、9日の東京新聞コラムに、次のように書いている; 守秘義務違反で逮捕された鹿児島県警の前生活安全部長・本田尚志氏が、裁判所の勾留理由開示の場で、野川明輝県警本部長が警察官による盗撮やストーカー犯罪を隠蔽しようとしたことが許せなかったと語った。事実なら本田氏の行為は犯罪どころか、警察の不正を糾す正義の行為だ。 野川本部長は「隠蔽の意図」を否定し、露木康浩警察庁長官は盗撮やストーカーについて「必要な対応がとられた」と説明したが、本田氏が隠蔽に関する文書を某記者に送ったのが3月28日、盗撮警官が逮捕されたのが5月13日だから、「隠蔽しようとしたが、露見しそうになったので、慌てて逮捕した」というのが真相だろう。警察は長官以下組織ぐるみで「隠蔽を隠蔽」している。 日本の警察は政治権力に従属し、上には弱く下には強く身内には甘い組織に成り下かっている。そんな警察に我々の安全を託すことはできない。 警察を民主的に統制するのは公安委員会の任務のはずだが、国家公安委員会委員長の松村祥史国務大臣は露木長官と同じことしか言わなかった。国家公安委員会の委員は年間2千万円以上の報酬を得る常勤職だ。県の公安委員は非常勤だが、その報酬は年間200万円を超える。彼らはその報酬に値する仕事をしているのか。警察の不正を見逃すだけなら報酬は返上した方がいい。(現代教育行政研究会代表)2023年6月9日 東京新聞朝刊 11版 23ページ 「本音のコラム-公安委員会は何してる?」から引用 警察官の不祥事というのは、神奈川県でも時折発生しているが、県警本部長ともなればこれは地元の生え抜きではなく、国家公務員が出向という形で勤務している可能性もあり、だから警察庁長官もコトを荒立てないように「必要な対応がとられた」などと無難な答弁をしたように見える。しかし、本田氏が北海道の知人ジャーナリストに電子メールで送ったという「事件の概要」を綴ったファイルは、鹿児島県警がメールを受領したジャーナリストの事務所を家宅捜索してパソコンごと押収してファイルは削除したという念の入れようからして、もっと深い「闇」があるのか、警察庁長官の立場も危うくなるような大事件が隠れているのか、実に怪しげな事件である。