私の世代的には、エアロといえばRUN DMCのWalk This Way以降の超売れ線メジャーバンドになってしまう訳で、ドンズバだったのはGet a Gripアルバムだったりします。初めてエアロを観たのも武道館でのGet a Gripツアーだったし、これがステージ下手を真横から見るような、絶妙で面白い良席だったこともあって、スティーブン・タイラーを間近で堪能できたのも思い出深いものがあります。
個人的にはそう深いファンということではありませんが、機会があれば来日公演を見に行っていたし、東京ドーム公演や、横浜の野外で、初来日のTHE WHOを差し置いてトリで登場するという「日本ならでは」の珍ラインナップフェス"ロックオデッセイ"も見ました。
そんな来日公演のなかでも、いつだったか東京ドームで観たエアロ(たぶんナインライブス・ツアー?)が非常に好印象で思い出深いのは、そのセットリストといいパフォーマンスといい、70年代のエアロを感じさせる硬派なライブであったことです。というか私自身は70年代の生エアロ未体験ではあるのですが。でも「これが本来のエアロらしいバンドサウンドなのかなあ」と思わせてくれたのは、そのライブで聴くことができた"Rats In The Cellar"のとんでもないカッコよさだったのです。実にスリリングでスピーディ。そして今回紹介するアルバムROCKSの3曲目にRats...は収録されています。あの時のライブがそうだったように徹頭徹尾硬派でスリリングなロックンロールを聴かせてくれる好盤。アルマゲドンの主題歌を歌いあげる彼らよりも、やはりこの時代が断然バンドらしくてカッコよいのですね。