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ぶんさだ
苦難の時代っすね
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これを日記に書くか、迷っていて今でも迷っている。 *** 2007年の9月、恋人が他界した後、悲しみに明け暮れる僕の脳と体にはさらなる不幸な出来事が起こった。 あれだけ好きだった仕事がまったく手につかなくなり、仕事をしようとすると金縛りのように体が動かなくなった。 はじめは悲しみから来る単なる無気力だろうと思っていた。 この状態が1ヶ月も続く頃に、これは尋常ではない出来事だと思い病院に行った。 自分としてはありえない診断結果が出た。 医者の説明では人間の脳には幸せを感じる機関があり、俺はそれがまったく機能しなくなっているとの事。 なんだかわけのわからない量の薬をもらった。 *そういえばあーたんが飲んでいた薬と似ているのもある。 それを飲み続け、仕事を休めというのだ。 仕事を休むなんて、贅沢は俺にはできない。 動かない体を無理に動かしながら仕事を続けた。薬は飲んだ。飲むと頭がふわふわしてくる。 何をしていても喜びが感じられないし、いつもけだるい体調。 あれだけ好きだった麻雀をやっても、楽しいとか思えない。 そして、仕事をはじめようとすると、体は鋼鉄のように固まる。 心の中では「動け!マウスを持つ手だけでいいから動け」と必死に叫び続けている。 そして、人と接するのがおっくうになり、こんな状態がバレないように必死につくり笑を続ける日々。 毎日、死にたくてたまらなかった。 そんな状態を1年以上も続けたが、正直まいっていた。 そんな時に古いブログ仲間のmariaさんから、ハリネズミの写メが届く。 彼女はネコ、ねずみ、魚、大量のヘビ、ウォータードラゴンなどを飼ったり、繁殖させたりしている生き物のエキスパートな女の子だ。 ハリネズミの写メを見てかわいいと思った。こんなのが側にいたらいいなとも思った。だが生き物を飼った事のない俺には無理だと思った。 mariaさんといっしょにペットショップに行く機会があった。 そこで見つけたのがウーパールーパーだ。 俺ははっきりと魅せられた。 「これなら飼ってみたい。」 と、 「そう?ウーパーならそんなに難しくないでー」 数日後、俺はウーパーを飼う事にした。電話やメールで手取り足取り教わりながら、失敗しながら、はじめてみた。 2009年1月ひとりぼっちの俺の部屋にやってきたウーパールーパー。 レルカと名づけた。 この小さな生き物に俺は依存しはじめていた。 自分の脳の中で何かがはじけ、1年半ぶりに幸福を感じ始めていた。 抗うつ剤も飲まなくなった。 そんな状態の俺に師匠であるmariaさんはある警告をした。 m「あんなー?ペットロスシンドロームって知ってる?」 b「いやわからない」 m「だまって言う事を聞いてほしいんやけどな。ウーパーをもう2匹くらい飼ってほしいんよ。そうしないとブンさんちょっと危険なんよ」 b「やだよ。俺とレルカの1対1の関係に水を指したくない。」 m「ウーパーってな今元気でも、明日突然死んだりするもんなんよ。冗談やのうて、ブンさんそうなったらペットロスに落ちると思うわ。冗談言ってるのとちがうで?何匹かおったらな、それが柔らぐんよ~」 ものすごい抵抗があったが、俺を窮地から救ってくれたきっかけを与えてくれたお方の言葉だ。素直に聞く事にした。 レルカがうちに来てから一ヶ月後、2cmもない小さな小さなウーパーの赤ちゃんがうちに来た。 ドラクエに出てくるスライムみたいで、かわいかった。ハルカと名づけた。 はじめから5cmあったレルカと違い、まだ手も足も生えてなかった。 毎日毎日すごいスピードでレルカとハルカは成長していった。 2009年5月には、ブラックのカナタも加わり、今や俺の部屋には100匹近い、水中生物が住んでいた。 俺はすっかり幸福を感じる機能をとりもどしていた。 だが、恋人の命日である9/25が近づくと脳は自動的に死ぬ事を考え始める。 深刻な自殺未遂を繰り返した去年に比べてそんなに心配していなかったのは、今年はレルカやハルカがついててくれるからだ。 ハルカに異変が出始めたのは、9/20頃だ。 ふさふさだった赤い鰓が突然とけはじめた。あわてて隔離し、知りうるあらゆる処置を行った。ハルカのために馬鹿高い水槽用のクーラーも購入した。 9/24 エラの血色が少しもどりはじめ、泳ぎはじめる。餌も食べてもどさない。 これで復調したかと安心した。 9/25 あーたんの命日。日帰りで去年と同じく富士山のふもとへ一人で行く。 夜もどってくると ハルカが動いていない。手をいれてつっつく。 赤いエラは真っ白になり、固まったままそれ以上動く事はなかった。 あーたんの命日にハルカはいなくなってしまった。 あーたんが死んだ時と同じように 「ごめんねごめんね」 といいながら埋葬した。 あんまりかわいいから、あーたんが連れていってしまったんだと無理やり思う事にした。 9/28 笑顔を無理にでも作る事で、脳が錯覚して脳内麻薬を出してくれるそうだ。 だからここ数日無理にでも笑う事にしている。 でもまだ俺の脳にその現象は訪れない。 さよならハルカ。恋人の死から立ち直らせてくれたハルカ。 8ヶ月もの間、僕を孤独から解放してくれたハルカ。 ホントにありがとう。 そっちの世界であーたんと仲良くね。