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テーマ:実話シリーズ(42)
カテゴリ:竜のタトゥのあーたん
東京の狭い空も今日は少し神々しく見える。 この空はどこにつながっているのだろうとたまに考える。 目黒不動の駅のとなりに、若い青年がやっている花屋がある。 彼岸花は買う気はない。それはなんだか喜ばない気がする。 「このピンクの花はなんという花ですか」 「モカラです。」 「これをまぜて、花束をつくってもらえますか?」 「どんな目的の花束でしょうか?」 「それは…」 「恋人へのプレゼントです。」 死んだ恋人に2年たった今もこんな豪勢な花束をプレゼントする俺は少しおかしいのかもしれない。 でも、「あーたん喜んでくれるかな」と本気でわくわくしている自分がいる。 隣に古いやぼったいケーキ屋があり、実はおいしいんだけども、そこでチーズケーキを2つ買った。 見た目はガリガリのあーたんは摂食障害のためなのだろうか 人の何倍もの量をあっという間に食べてしまう。 俺の部屋に住んでいた時もチーズケーキをまるいまま全部食べてしまって、笑った事がある。 俺はどうやらチーズケーキをお供え物のつもりらしい。 でもこのチーズケーキはいつまでおいとくものなんだろうと少し気になったりはする。 死者に対する作法であるとか、ルールみたいなものはいろんな宗教でいろいろあるのかもしれないのだが、俺は別に俺流でいいと思った。 あさって命日だ。 2年たった今も俺はこの子のために何時間も泣けるのだなと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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