編集者は、フォント (書体) というものにとても気を使います。 それは、用いるフォントによって、本 (商品や広告) の印象が大きく変わってしまうからです。 このことは、フォントが命であるデザイナーの方々にとっては言うまでもないことですが、編集者も、フォントにこだわる (こだわらなければならない) 職業だと思います。
普段皆さんは、多くの本や雑誌を読み、また電車の中刷り広告や街のあちこちでたくさんの広告を目にしていると思いますが、 “そこで使われているフォントに注目して見る” という機会は、これまであまりなかったのではないかと思います。
いま手元に本や雑誌があったら見てほしいのですが、そこには実にたくさんの違ったタイプのフォントが使われていることに気がつくと思います。 タイトルに、扉に、本文中の見出しに、本文に、重要語句に、キャッチフレーズに、・・・ 。 それらすべては、担当の編集者が数多くのフォントの中から熟考の末に選択したものなのです。
見出しといえば、それを一番目にする媒体に新聞があります。新聞の場合は新聞独自のフォントを使っている場合もありますが、フォントの宝庫としてみると、新聞もまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか(広告も多く掲載されているので、そこで使われているフォントも参考になります)。
ここでは述べませんでしたが、フォントの種類だけでなく、レイアウトの仕方などについても学んでいかなくてはなりませんが、いますぐにというのも難しいと思います。 そこで、まずは、身の周りの様々な媒体 (商品のパッケージも) をフォントやレイアウトに注意して見てほしいと思います。
毎日目にするものを材料にして、 「これって読みやすいな~」 って素直に感心したり、 「この方が読みやすいのでは」 とか、 「自分だったらこうするのに」 といった視点をもつことが大切だと思います。