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2007.09.26
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 製作部と聞くと、社内で何かを製作している部署?というように思った方もいるかもしれませんが、そういうわけではありません。 その仕事のキーワードを挙げるとすれば、 “発注と管理” ということになると思いますが、まずは編集者が著者から受け取った原稿が本になるまでの大まかな流れを簡単に記すことにします。

 編集者が著者の原稿を割付 (わりつけ) して印刷所に入稿した後は、
初校 → 再校 → 三校 → 責了(校了) → 青焼き → 印刷 → 製本 → 配本 → 書店
と進んでいきます。

 割付とは、用字 ・用語を統一しながら、原稿に本文のレイアウト指定、フォントや文字の大きさの指定などを赤ペンで入れていく作業のことで、初校から三校までは、校正の回数を意味しています。 一般に書籍の場合は、3回の校正を経て、責了 (もう赤字がほとんどないので、三校で入れた赤字は印刷会社の責任で直して校正は終了として下さい、の意味) となります。

 責了 (校了) 後、印刷会社は製版を行い (紙に印刷するためのフィルムを作ります) 、そのフィルムに特殊な光を通して感光紙に文字を写し出します。これを青焼き (青色をしているので) といいます。 編集者は、ここで最後のチェックを行います。 責了で入れた赤が直っているか、何かエラーが起こっていないか、汚れがないか (青焼きはフィルムに光を当てて感光紙に写したものなのでフィルム上にゴミや傷などがあると青く写ります) などをチェックし、OKとなれば、印刷会社はフィルムから刷版 (さっぱん) を作製し、いよいよ印刷作業に入ります。

 というのが責了から印刷に入るまでの従来の流れだったのですが、最近はCTP (Computer To Plate) と呼ばれる、組版の最終データから直接に刷版を作製する方法 (フィルムの作製がない) が主流になりつつあるようです。 私自身は1年くらい前からCTPが多くなったのですが、フィルム作製のコストが削減されたことと、印刷が終わるまでの期間が短縮されたことに利点を感じています。 

 ただCTPでは、従来の “青焼き” に相当するものがインクジェットプリンターによる “黒焼き” と呼ばれる普通紙への出力なので (印刷用語では そう呼ぶらしいのですが、私はこれまで通り青焼きとか、白いので白焼きなんて呼んだり) 、文字の確認はまだしも、写真類はその確認が心もとないという面があります。 そのため、写真の入っているページだけ別に出してもらって最終確認したりする場合もあります。

 印刷会社では、すべての印刷が終了すると、それを出版社の指定した製本会社に納め、いよいよ製本作業が始まります。 そして、待ちに待った、本が出来上がるわけです。

 一般に、出版社の刊行した本を書店に並べるためには、取次会社を通さなければなりません。 前回記したように、国内には日販とトーハンの大手取次会社があって、多くの本が、これらの取次会社による配本によって書店に届けられています。 

 ほとんどの出版社が東京都内に集中していますので、都内では早い所であれば配本日 (取次会社が書店に本を運ぶ日) の当日には書店で本を買うことができます。 地方になりますと、これは場所にもよりますが、 書店に並ぶのに配本から3日くらいかかるところもあります。  各書店にはトラックで本を運んでいるという現状では致し方ないのかなとも思っています。

 製作部の主な仕事は、
 1. 製作にかかるコスト計算を行って原価計算表を作成し、定価会議の準備を行う。
 2. 紙の発注を始め、配本に至るまでのすべての工程の日程管理や調整を行う。
 3. 増刷が決まった本について、現在の版に誤植や修正があるかどうか、著者に確認を行う。 (これを製作部が行うかどうかについては、出版社によって違ってくると思います。)
といったもので、校正作業が終了した後に、編集者からバトンを受けたような形で、配本日に至るまでの進行管理を行っています。

 1 ~ 3について詳細な解説をしていくと膨大な記述が必要となってしまうので、ここではその仕事を挙げるに留めたのですが、編集者は著者とのやり取りがメインの仕事となるのに対して、製作部は洋紙会社 ・印刷会社 ・製本会社とのやり取りがメインの仕事となっています。 






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Last updated  2007.09.26 23:59:17
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