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2010.05.11
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 一部の出版社では、編集部とは別に広告 (宣伝) 部のような部署を持っているところもありますが、多くの出版社では、その本の担当編集者が広告作りから広告媒体や方法の選定、広告会社への掲載依頼などもこなしているのではないかと思います。

 本文の校正が無事に終わって白焼きや青焼きの確認が済むと、印刷 → (印刷途中での一部抜きのチェック)→ 製本 → 本の完成 となるわけですが、出来上がった本をどのように広告するかということについては、その本を企画した段階から ある程度考えておかなくてはなりません。 「企画の段階から考える必要があるの?」 と思う方もいるかもしれませんが、逆に 「誰に向けて、どのように広告するか」 ということが全く考えつかないというのでは、その企画は まだ十分に練られているとは言えない段階にあるとも言えるでしょう。
 
 一般に、本を広告するために使われる媒体としては次のようなものがあります。
   1. 新聞(全国紙、地方紙、専門紙など)   2. 雑誌   3. 中吊り広告
   4. ダイレクトメール (メールマガジン)    5. 自社のホームページ

 まず、1 ~ 3は広告会社を通して各媒体への広告掲載をお願いすることになるのですが、一般的には、本が発売される1ヶ月 ~ 1ヶ月半ぐらい前には広告 (版下) を作成して広告会社の方へ渡しておかなくてはなりません。 ただ、新聞や雑誌の場合は、広告枠が埋まらない (発売が間近に迫っているのに広告枠にアキがある) ために、広告会社の方が発売日ギリギリになって 「すいません、広告を入れて頂けませんか?」 とお願いに見えて、価格交渉の末に急遽入れるということも、ごくたまにあります。

 ところで、なぜ本が完成する前から広告を作成しておかなくてはいけないのかというと、雑誌に広告を掲載することを例にとると、これは当り前のことなのですが、その雑誌自体も発売に合わせて印刷にかけるわけですから、例えば 「5月号の広告は3月中旬までに」 などのように前倒しで締め切りが設定されているのです。 

 そんなわけで、本が印刷に入ってホッとしてから、「さて、そろそろ広告でも作るか」 などとのんびりしていると (さすがに、そんな編集者の方はいないと思いますが) 、その広告が雑誌に載るのは本の発売から1ヶ月も2ヶ月も先になってしまい、本が発売されて書店に並ぶタイミングと全く合わなくなってしまうわけです。 商品は発売されているのに、それが全く宣伝されていない状態が1ヶ月も2ヶ月も続いたまま・・・。 これがどんなに悪い状態かは言うまでもありません。 ということで、広告会社を通して広告を行なうときには、早い段階から準備をしておかなくてはならないわけです。
 
 一方、4の場合は、愛読者カードなどで読者登録をされている方々や、メールマガジンに会員登録している方々へ新刊案内を送るということで、広告会社を通して広告掲載をする場合とは違い、自分のところで広告を流すタイミングをコントロールすることができます。 また5の場合には、自社のホームページへ新刊案内を掲載するということですから、より迅速に対応できることは言うまでもありません。

 広告は単に数を打てばいいというものでもありませんし、当然、本1冊当たりに使える広告費にも限りがあるわけで、その本に最も適した広告媒体を決めるのは本当に悩む作業です。 どの媒体を使うか、その媒体選定に際しての自分なりの基準を記すことは控えさせて頂きますが、“その本の読者層が目にする頻度の高い媒体は何か” ということを徹底的に考えることが大切です。

 また、 広告媒体の選定に加えて、 いかにわかりやすく、魅力的な広告を作成するかということもとても大切です。 普段 皆さんが読んでいる新聞や雑誌を見て頂ければわかりますが、特に新聞の場合には本の広告が載る場所には定位置があって、他社の本の広告と並んで配置されます。  したがって、多くの広告の中でも埋もれずに、読者の目に止まるような工夫をすることが必要です。

 最近では、 上に挙げた5つの広告媒体に加えて、 検索連動型広告も注目を浴びています。 書籍の広告はまだまだ少ないようですが、これから増えてくることも予想されます。 この広告については、皆さんも検索サイトで検索した際に目にしたことがあると思います。 検索結果のページの右サイドや検索結果の最上段と最下段に表示される広告のことです。 人が検索するということは、そのことについて知りたい、調べたいと思っているということですから、検索した結果のページに関連する本の広告を出すことは一定の効果が期待できます。

 ざっと、本の広告について記してみました。 本の校正を進めつつ、広告作りも進めなくてはいけないなど、最後まで気は抜けませんが、著者の方が苦労して書き上げた本ですから、少しでも多くの読者にアピールできるように努めることが大切です。








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Last updated  2014.02.08 09:22:59
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