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カテゴリ:キャリアの理論
キャリア・イノベーションには、脳みそにびんびんくる文章が沢山あります。
私が気になった言葉を引用します。 皆さんは、どう感じましたか? ・ジェンダーの公平性 既婚で小さな子どもをもつスー・リトルは非常に優秀な女性で、上司である副社長も彼女の能力を高く評価し、夕方5時半に彼女が学童保育に子どもを迎えに行くことにも理解を示していた。 ある日のこと、5時には終わるはずだった会合は5時半になっても終わらなかった。スーは子どもを迎えにいくために退出せざるを得なかった。 翌日スーは自分が出られないことを全員が承知しているはずの時間に会合が開かれたことについて、副社長に苦言を呈した。 副社長は言った「心配いらないさ。君の境遇はみんなが知っているから、誰も気にしていないよ」 しかし、ティム・マレイだけはそのような理解が公平性に欠けると悟った。スーが退出したとき、彼は副社長の方を向いて言った。 「会議を打ち切りましょう」 スーがいないまま続けると、彼女が他の人ほど必要ではないと合図することになるし、他の人たちはたまたま学童に迎えに行くという時間の拘束がないので、予定時間を超えても会合に出ていられるのに過ぎないのだ。だれもこの事実を認識していない。 ティムは、会合を打ち切りさえすれば真の公平性がかなえられると悟ったのだ。 -------------------p158から引用再構成 副社長のような人は多いでしょう。ワーキングマザーに理解があり協力的な上司。一見、とてもすばらしい上司のようです。けれど、本当にそうでしょうか。 会合の時間や進め方そのものが、制限のある人の存在を無視して設定されていることそのものが、不公平を生み出しているのであり、そのことに気付かない優しさは、それこそ(優しい無知 Benign ignorance)でしょう。 マイクロインイクイティ(小さな不公平)という言葉があります。 なんらかの拘束や制限がある人たちが少数の場合、不公平処遇は見つけにくく、また変更しにくいのです。上司や職場の人間が無意識に行っている不公平な処遇。 それに気付く、目を向けることが重要なのです。 さらに言えば、男性に対する公平性にも問題はありそうです。 あるメーカーの営業男性が自嘲気味に言っていたことがあります。 得意先回りが終わったらいくら遅くても必ず帰って報告会議をしないといけないんだ。みんなが帰社するのは大体夜の9時頃だから、それから始まって夜中まで続くことも日常茶飯事。 もう1ヶ月も3歳の娘と一緒に夕飯を食べたことがない。男性だってつらいのに、ましてや子育て中の女性が続けられるわけがない。それが当たり前になっているから、誰も文句を言えないんだ。 女性だけでなく男性にも当然家庭ニーズはあります。けれど男性は女性以上に柔軟な勤務形態をとり辛い状況にあります。 マイクロインイクイティは、私達の周りのいたるところにあるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 15, 2007 01:19:53 PM
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