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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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August 19, 2006
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 音楽祭めぐりの旅、3つ目の音楽祭は、音楽祭の大御所ザルツブルク音楽祭である。
 人に言うほど回数を来ているわけではないが、でもここでは思ってしまう。ここは「社交界」なのだな、と。今となつては、かなり特殊な世界ではないだろうか。

 まず音楽祭に来る人の服装がすごい。タキシードにロングドレスは当たり前。とくに最近とみに重要になっている、スポンサーによるお客さんの招待日だつたりすると、満艦飾の紳士淑女であふれるのである。
 
 今日はムーティの指揮する「魔笛」を観たが、やはり招待日だったらしく、派手な格好のひとたちであふれていた。一昔前の「オペラ鑑賞」という言葉から連想される世界が、まだここには生きている。なんだか、音楽を聴くんだか、おしゃれをするんだか、目的不明。
 町で看板を見かけた。「音楽祭特別コース マニキュア、ペディキュア、エステ、メイク・・・割引価格!」ビューティスタジオの宣伝である。

 傑作なのは、普通の観光客や地元のひとが、開演時間の前に祝祭劇場の前に集まり、着飾ったひとたちを眺めていること。劇場は以前、舞台だけでなく観客が観たり観られたりする場だつたというが、その名残ですね。
 ただしここでは、観る側と見られる側はぜったいに交わらない。2者の間は1メートルもないが、その溝?は深いのである。

 ところで、こんな派手派手しい場だとわかると、多くの日本人のひとたちは気後れすると思うのだが、今回のツアーの参加者のある女性はいみじくもこういっていた。
 「あら、招待日ってそういう日なんですね。よかった、きれいなひとたちが見られて」
 本気でいっているのです。思わず快哉を叫びました。それでいいのです。(と思う)

 社交界だから当然チケット代は高い。インスブルックの3ー5倍。演奏はとてもその価値に見合うものとは思えない。ムーティはルーティンワーク的だったし。

 私はインスブルックの雰囲気の方が好きだ。地元の人も大勢きて、そこでしか味わえない空気があるから。こんな社交界だったら、メトやコヴェントのガラでも同じことではないだろうか。
 そこにしかないものであるためには、地元を巻き込んでいることが必須だと思う。ザルツブルクは、普通のひとと関係なく回っている特殊な世界である。





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最終更新日  August 28, 2006 05:43:40 AM


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