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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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August 20, 2006
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カテゴリ:音楽
 今日はザルツブルクの祝祭大劇場で、「ドン・ジョヴァンニ」を観た。
 今回のツアーの目玉である、「ドン・ジョヴァンニ」の聴き比べの第2弾である。
 指揮はスカラ座の初日を振ったりしている売れっ子のダニエル・ハーディング、オケはウィーンフィル、主役のトーマス・ハンプソンをはじめ、スターをそろえた公演。これがつまらないわけない、はずだったのだが。

 いやはやつまらないことおびただしい公演だった。
 まず指揮がだめ。オケを全く把握しておらず、あぶなっかしいことこの上ない。ウィーンフィルもあわせるのがいっぱい、という感じ。歌手ともずれるので、歌手が歌いにくそうだった。
 とはいえ、歌手がよかつたかというとそんなことはなく、ハンプソンはからきし生彩がなく、ドンナ・アンナのクリスティーネ・シェーファーは歌はうまいが声が細いといったあんばい。レポレロ役のダルカンジェロはよかつたが。

 しかし何よりの問題はクセイの演出。これはインスブルックのように新制作ではなく再演なので、評判はうすうすきいていたが、わかりにくいことおびただしい。現代に読み替えるのは分かるとしても、ドン・ジョヴァンニとレポレロが同性愛のように一体化していて、最後にレポレロがドン・ジョヴァンニを殺してしまったり、ドン・ジョヴァンニに捨てられた女性たちの怨念や亡霊なのだろうか、下着姿の女性、それも墓場の場面では年齢のいった合唱団員が黒ビキニで登場したり・・・合唱団員も気の毒である。
 現代的にしてもいいが、意味不明なもの、そして美しくないものはごめんこうむりたい。なんでドン・ジョヴァンニとレポレロの同性愛かなんて考えながら、ドン・ジョヴァンニを観なければならないのだろうか。

 これで価格はインスブルックの3倍。インスの方が3倍以上の価値がある。

 プレスに行って現地の批評を見せてもらったが、3紙くらいで両方を比較しており、みなインスに軍配。そりゃそうだ。

 それにしても、コストパフォーマンスというのも批評の上で考慮するべきだと思うのは私だけだろうか。私はツアーのときは、仕事なのでありがたくもただで来させてもらえるが、自腹を切るのだったらザルツはごめんである。いくらスターが集まっていても、それでいい公演ができるわけではない。本当なら、高ければいいのが当たり前なのに。
 新聞評でも、インスブルックの歌手配分の適切さをほめていた。やはりヤーコプスのポリシーが浸透できるのが大きいと思う。ザルツは、初日を指揮したアーノンクールがインタビューでいっていたが、指揮者が歌手を決めるわけではないようだ。スポンサーの意向とかもあるのだろう。
 





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最終更新日  August 28, 2006 06:11:48 AM


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