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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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March 6, 2010
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カテゴリ:音楽
 今月のメト・ライブビューイングは、あのドミンゴが主役を歌う「シモン・ボッカネグラ」。
 テノールであるドミンゴが、バリトンのタイトルロールに挑戦すると、話題になっている作品です。
 ご存じの方もあるでしょうけれど、ドミンゴはこの役を、昨年10月のベルリンを皮切りに、世界展開しています。2月のメトにつづいて4月はスカラ座。
 とはいえ、2月の来日中に体調をくずし、手術を受けているということなので、心配ではありますが。

 さて、一説によるとパヴァロッティより年上、つまり70代!だというドミンゴの演唱、やはりりっぱなものでした。
 青年を演じなければならないプロローグでは、さすがに視覚面も含めてちと苦しく、動きもにぶい感じがしたのですが、第1幕からは役柄との違和感もなくなり、そのせいもあるのでしょう、彼のまれな歌役者ぶりを堪能することができました。
 瞬間瞬間の感情に入り込む技は、超一級です。
 歌唱面でもまったく危なげなく、声域もあっているようでした。幕間のインタビューで本人もそう言っていましたが。
 もともとバリトンからスタートしたひとですし、得意な役もオテロなど、テノールといってもある種バリトンに近い表現力が要求される役柄。
 またヴェルディでは、バリトンはそれ以前のイタリア・オペラの男性低声より高いわけですから、声域、声質の落差はあまりないのでしょう。
 さすが、貫禄の成果でした。
 
 苦しそうだったのはむしろ指揮のレヴァインかも。病み上がりのせいもあるのでしょうが、膨張ぶりはファルスタッフなみ?肩で息をしているのが画面からもわかりました。何しろカーテンコールのとき、どんちょうにつかまっていましたから。

 音楽的にも上々の公演だったのではないかと思いますが(とくにアメーリア役のピアチョンカ)、改めて思ったのは、「これはブラームスの室内楽のような音楽だなあ」ということ。
 美しいのですが、それを味わうために集中力を要求されます。語りが多いし、ある意味ワーグナー的といえばいえないこともないのでしょう。
 やはり、イタリア・オペラの枠を逸脱した作品、という印象を受けました。

 4月にはスカラ座で聴く予定なので、それまでにドミンゴが回復することを願いたいものです(ダブルキャストのBキャストはカルロス・アルバレスなので、それも悪くない、こともたしかですが)。





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最終更新日  March 7, 2010 10:02:14 PM


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