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カテゴリ:あ行の宝石
元々が鉱物からルースに入っているのもあり、化石も好きなのもありでなぜか妙に心惹かれる物があるのか、気が付いたら産地コレクション化してきましたw
改めて言うまでもないことですが琥珀(アンバー)は樹脂が化石化したものです 今の現代人は樹脂=松ヤニを想像しますが、現在の松ヤニは琥珀にはならないそう そして興味深いのが産地によって経年が違う、樹脂のというか木の種類が違うんです 過去書いた記事ではまだまだ勉強が足りなくてw 億年超えた琥珀はなく恐竜の血を吸った蚊入りの琥珀はない と書いたと思いますが、 その後色々調べてますと億年超えた琥珀もありました 最古の琥珀では古生代後期(3億年前)というのもあるそうです イギリス・シベリア・アメリカで約3億年前の琥珀が過去見つかっています なお1億4千万年前以上の昔の琥珀に、虫入り琥珀は存在しません(現状発見されてません) 入る虫がいないんです 白亜紀ごろ(1億3千万年前ごろ)にようやく花粉を持つ植物が出現したそうで、 この花粉を食べる昆虫が出現したのもこのころ。 そのためにこの白亜紀以降の琥珀にしか虫入りは存在しえないそうです 現在発見されている最古の虫入り琥珀はレバノン産で白亜紀前期(約1億2500万年前)の蚊の仲間入りが見つかっています そして次いで古い虫入り琥珀 というのが我が国日本なのです 千葉県銚子産の琥珀から白亜紀前期(約1億1000万年前)のハチやハエの仲間が見つかっているそうです なお若干年代は落ちるものの岩手県久慈産の琥珀からも虫入りがたくさん出ています 年代としては白亜紀後期(約8500万年前)になるそうです ちなみにですが、 ティラノサウルスは約6,850万~約6,550万年前(中生代白亜紀末期)ごろに生息です なおなぜ年代まで分かるのか という部分ですが、 昆虫などのインクルージョンがある場合はその昆虫などで分かることもあるそうですが、 基本的にはその産する地層からの推察なので、正確な年代までは分からないそうです この特定法はいわゆる陸琥珀、地中から出てくる物に限り、 一番出まわっているいわゆるバルティック・アンバー(バルト海産琥珀)など、 俗に言う海琥珀という海からの琥珀はインクルージョンがない場合年代特定は不可能。 今ではバルト海産のものはロシアの地下水脈の横に伸びる後期始新世~前期斬新世(約5000万年から3500万年前)の地層と分かってはいますし、現在では海岸線に打ち上げられたものを待たず採掘してるとも聞きますね さてでは難しい話はここまでにしますか 琥珀大集合(いつのまにこんなに・・・・・ これじゃ分かりませんねw 個別に見て行きましょうwww まずは国産 岩手県久慈市産 アラウカリア(南洋杉)の仲間 スギ科針葉樹・現生種が南米熱帯地方にあり 白亜紀後期 約8,500~9,000万年前 この産の特徴として色彩は、赤みを帯びた茶褐色、縞目模様、黒色などが多い。 長波青色蛍光などあり 北海道三笠市奔別川 メタセコイア?(樹種不明) 白亜紀セノマニアン 約1億4550万年~6550万年前 明るい色が多いように思う 長波青蛍光あり 千葉県銚子市長崎外川産 (樹種不明) 白亜紀前期(約1億1000万年前) 蛍光は弱いものが多いように思う 岐阜県瑞浪市釜戸町上荻ノ島産 (樹種不明) 更新世(258万年~1万年前) 経過年数が少なくコーパルに分類 蛍光あり 東京都八王子浅川産 (樹種不明) 更新世(258万年~1万年前) 経過年数が少なくコーパルに分類 ごく微弱に蛍光あり? 所持はないですが他に国産の産地としては 福島県いわき市 茨城県 北九州 長野県 山口県 などがあります お次は外国産 まずはバルティックアンバー(バルト海産)を行きましょうか ポーランド・リトアニア・ラトヴィア・エストニア・ロシアなどがバルティック・アンバーと呼ばれます 樹種:アラウカリア ナンヨウスギ科ナンヨウスギ属 古第三紀新世後期 約4,000万年前 過去パイナス・スッシニフェラ(マツ科針葉樹・絶滅種)の仲間とも言われていた 現在もどちら と確定したわけではないそうです 色の特徴は、いわゆる琥珀色(黄色系茶色)、乳黄色、白色などが多く非常にバリエーション豊か たくさん産出されるので人的処理石も多く存在 グリーンアンバーとは裏面を黒く焼いて緑を強調したもの(NNグリーンもありますが薄い) など数多く存在します 数が多いのでまとめさせていただきますね ロシア・カリーニングラード産 バルティック・アンバーの主要産地のひとつ 最大産地と言っていいかと思います 虫入りの蜘蛛部分拡大はこちら お次は リトアニア産 虫拡大画面はこちら 中の虫はDIPTERA ハエの一種です お次は ドミニカ・サントドミンゴ産 ドミニカというとカリブ海を思い浮かべるかもしれませんが、 炭鉱から採掘されているようで陸琥珀です 樹種:ヒメナエアの仲間 マメ科広葉樹・現生種あり。 古第三紀斬新世 約2,400~3,800万年前 中米熱帯地方などに現生種がある。 色彩は、淡いアメ色などが多い。 年代が若く熱帯林に起源することから、虫入り琥珀が多いようです お次は メキシコ・チアパス州産 樹種:インドニセアカシア(Hymenaea courbaril) マメ科アカシア属・現生種あり 第三紀6500万年~180万年前ごろ メキシコの琥珀の特徴というと、茶色っぽい黄色をしているのが多く 稀に赤や緑、青いものもある。 強烈な蛍光性を持っているものがあり ブルー・アンバー と言えばメキシコ産が多かったですね そして コロンビア・ボヤカ産 樹種不明(マメ科?) 第四紀(180万年~現代) 経過年数が非常に浅くコーパルの典型 最後に バーマイト ミャンマー・カチン州・フーコンバレー産 バーマイトとはミャンマーの旧国名ビルマ にちなみ ビルマアイト がなまったものかと思います 樹種:マンサク科落葉高木モミジバフウ 白亜紀後期(1億1千万年前~8000万年) この産の特徴はたいていが縞模様や渦巻き状の色ムラがあることだろうか 上質な物は非常に透明度の高いものが多い印象 また極稀に多色性のあるものがあるそうで 一方からは淡い薄黄緑だが、他方からは赤く見えるものがある 唯一所持してる琥珀の指輪が一番最初の集合写真にも載せていますが ある方向からみると このように真っ赤に見えるのでもしかしたらこれもバーマイトなのかも? と思っています 以上が所持品ですが最後に所持はありませんが各国の産地情報も記載しておきます (コーパル産地含む) ポーランド ドイツ デンマーク イギリス(サセックス州・ヘイスティングズ産) スイス ヨルダン シベリア オーストリア フランス レバノン ヨルダン イスラエル ルーマニア イタリア・シシリー島 中国・撫順炭鉱 ボルネオ アラスカ カナダ アメリカ・ニュージャージー州 さていかがでしたか? 以外と奥深い琥珀の世界 あなたもはまってみませんか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
琥珀コレクション、早速のアップありがとうございます(^O^)
凄い数ですね~!国内産が多いことに驚きです。琥珀と言えばバルト海やドミニカ産が浮かびますが、日本国内あちらこちらで採れるのですね。 あと虫は植物がまず登場してからなんですね。勉強になりました。気持ち悪くない程度(笑)の虫入りを探したいと思います♪ (2013.08.20 17:25:44)
虫すらいなかった時代の琥珀!それは凄いーーー!
私も化石好きで、小さいころに恐竜の本を読み漁って、恐竜展なんぞに足を運んでいたくちなので、そんなに古い琥珀となると気になりますーーーーーーー! で、恐竜は蚊に血を吸われていたんですかねぇ?その辺も気になるところです~ (2013.08.21 06:57:03)
べりるさん
----- 超亀レスすいません・・・・ 琥珀と言えば大体の人はバルティックアンバーを思い浮かべる人多いですよね 国内 と言ったら久慈産がダントツで有名ですし国産産地の多さは意外と知られてないようですね んー気持ち悪くない程度・・・・ 一見なにも入ってないように見えるダニ入りとか?www(要ルーペ) (2013.08.28 01:02:57)
猫、ねこ、にゃんこ♪さん
----- んー ジュラシックパークのあれは前に書いたとおり「映画の表現」に過ぎず実際には不可能 と言わざるを得ないようですよ 吸っていた蚊 というのはいるかもしれないしいないかもしれないとしか言えず 仮にいたとしても血液の分解の方が早いだろう DNA採取は非常に困難だろう というのをかなり前に何かで読んだ気がします また実際にもしDNA採取出来たとしても完全な恐竜のDNA復元が困難で、猫などのクローン技術で見られるようにトカゲなど爬虫類のDNAに組みこんで といった古代の恐竜そのもの というより古代の恐竜と現代の爬虫類の混血しか作れない とも読んだ気がします (2013.08.28 01:14:24)
参考になりました。国内産琥珀の写真を研究用に利用してよいでしょうか。使うという予定は特にありませんが。
(2016.03.09 22:07:24)
鈴木克彦さん
----- 初めまして。 ご覧いただきありがとうございます。 こんな拙い文章でも多少なりとも参考になったようで、よかったです。 写真・・・ですか・・・ 申し訳ありませんが、使用用途が良く分かりませんので転載、複写はご遠慮くださいませ。 使用用途を明確に提示していただいたうえで、提示の通りに限る用途の場合は許可することもありますが、基本的には私の個人的な記録ですので・・・ こちらに何度も見に来ていただく分には一向に構いませんので、画像保存などは控えていただきますようお願いします (2016.03.18 03:53:16)
私は先史、古代の琥珀玉の研究をしています。国内の琥珀産地は限られますので実物写真は大変参考になりました。学術上も貴重な情報でした。それ以外にも蒐集されているのでしたら、ぜひ公開していただきたいと存じます。産地情報としては記載のとおりだと思いますが、他にもあります。しかし、実物は余り知られておらず助かりました。特に、何かに写真を利用する予定はありませんし、利用の必要が生じた場合は改めて申請します。
購入でなくご自分で踏査したものであれば、プロの方だと思われ、産状、見つけた時のの写真も掲載していただけたら助かります。 (2016.03.18 11:32:13)
鈴木克彦さん
----- あ、少し言葉足らずで少し誤解されたようで・・・ 私は蒐集家ではありますが基本自己採取はしませんので、写真の物は全て購入品になります。 また琥珀産地コレクションは見ての通り進んではいますが、基本的にはキャッツアイ石の蒐集がメインでその他の石としてはレアストーン系に走っている状況です。 その中で記事中にも書いたように化石が昔から好きでもあったので、琥珀も集めています。 そしてやはり日本人なのだから と国産琥珀も集めていてご覧のような数になっています。 国産琥珀は上記以外ですと兵庫県神戸市木津産をもっています。 過去に記事にしており http://plaza.rakuten.co.jp/cateyes/diary/20131014/ こちらに記載してありますので参考にどうぞ ふむ そういうことであれば写真のご利用も構いませんのでどうぞご利用ください ただし転載や出版物、論文などに起用する場合はご一報いただきますようお願いします (2016.03.19 03:14:58)
お礼
神戸市の琥珀原石は参考になりました。お礼申しあげます。 古墳時代の琥珀玉、特に西日本の琥珀玉は久慈産琥珀を利用しているというアンバール^トが定説化していますが、私は関係者に西日本でも琥珀産地があるので、悉皆調査して再検討するようにと勧めています。 この23日に岩手県岩泉町で琥珀原石を撮影してきました。結構採れます。久慈市と近い距離ですが、包含地層と年代が異なり新たな産地に認定しようと考えています。北海道でも数ヶ所未知の琥珀産地があります。 取り敢えずお礼にて。 (2016.03.28 16:56:34)
鈴木克彦さん
----- お返事が遅れ申し訳ない 少々多忙になってきておりまして遅れました・・・ 国産琥珀の産地は本当に一般的には全然知られてないのが現状だと思いますので、産地名(県名)だけでも知りたいところですね。 当ブログのように各所の琥珀の写真付きともなると本当にまったくないようですね 多少なりとも参考になったようで載せた甲斐もあったというものです。 まぁ前コメントに書いたように、この産地持ってたっけ?と買う時に自分で確認する意味も込めての記録という意味合いも強いのですがw (2016.04.07 00:32:48) |