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カテゴリ:茶木の音楽紀行
高校一年になっても、中学の時と同じくフォークソングに夢中で、暇があれば友達と
文化祭で演奏する曲を練習したり、新しいコードネームを憶えたり、ギターの手入れ をしたりしていた。 頭の中はフォークソングのことでいっぱいで、将来はフォークスィンガーになるんだ と本気で思っていた。 音楽の非常勤の先生がやってきた。 大学を卒業したての男の先生で、おにいちゃんみたいで、全然先生と言う感じがしな かった。 本人も教師になるつもりは全くなかったと思う。 「先生は大学で何を勉強していたの?」と僕は尋ねた。 「歌だ」とその先生は答えた。 「クラッシックに歌なんかあるんですか?」と僕は尋ねた。 当時僕は、クラッシックと聞くだけで寒気がしていた。 その場で先生は声を出して歌ってくれた。 びっくりした。 人間が出しているとは思えないぐらい大きな声だった。 先生は授業で、教科書は全く使わず、ギターをひかしたり、声楽と言うものについて 話してくれたりした。 でもそれは授業をするというよりは、自分が夢中になっている歌のことについて、夢 見ごこちに話していると言う風だった。 この先生は自分のことだけで、僕たちのことなど眼中に無いだろうなーと思った。 しかしそんな先生に僕は恐ろしいほど引かれて行くことになる。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.10.13 23:09:14
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