「情報発信者側も無料」こそがインターネット最大の力
日本で電波メディアができたころ、広告屋が「これは絶対普及する!」と確信した理由は、視聴が無料だったからだという。 ネットのパワーは、視聴者側が無料であることだけでなく、さらに「情報発信者側」の利用料までもが無料であることだ、と言えるだろう。 ブログがこれだけ流行ったのも、これまでも地図サービスはあったのにgoogle map APIが驚異的に感じられるのも、「情報発信者者側」の利用料が無料だからだ。有料化される前のヤフオクもそう。 似たようなものでいえば、たとえば電話帳。電話帳は、見るのも掲載も無料だ。電話帳に掲載してもらうのに最初から有料だったら、電話帳広告は今の規模には絶対なっていなかっただろう。 まず無料、あるいは徹底的な低価格でまず利用への閾値を下げつつ、情報の網羅性を上げる。網羅性が十分に上がり、マーケットプレイスとしての価値が出てきた時点でレーティングのシステムと広告ビジネスを導入し、あるいは有料化し、売り上げを上げる。 それにより、P/Lが黒字になれば、黒字のままスケールすることができる、スケールするなかで利益率が徐々に上がっていく、というビジネスモデルこそがネットらしさである。 ネット企業の時価総額(=企業としての他社からの期待を数値化したもの)が他業界と比べて高いのも、まさにそこにあるのではないだろうか。