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テーマ:70年代英国音楽(238)
カテゴリ:70’S
まさにアーチストの数ほどの細分化されたあらゆる可能性が提示された時期だったように思える。 無論、マーケティングを充分意識したロックバンドも多かったが、それでも枠に収まらない弾けんばかりの表現衝動の発露とでも言うべきバンドも多かった時代だった。 この「アサガイ」が日本のレコードでも発売された71年ごろと言うのは、混沌とした多様な市場でオシビサ共々「アフロロック」とカテゴライズされた部門がささやかに注目されていた中でもあった。 メンバーの多くはアフリカ出身の在英ミュージシャン達で モンゲジ・フェザ(コルネット) ドゥドゥ・プクワナ(アルトサックス) ビゾ・ムンキカナ(テナー・サックス) フレッド・コウカー(ギター) チャールズ・オノノクボ(ベース) ルイス・モホロ(ドラムス) 白人ピアニスト、クリス・マクレガーの60年代バップジャズTHE BLUE NOTESの元メンバーだったプクワナが、69年にナイジェリアに行ってコウカーと出会ったのがきっかけと言われ、ナイジェリア人のコウカーが渡英した70年末に結成の運びとなったようである。1stではヴォーカルも担当するコウカー中心としてアフリカのポピュラー音楽「ハイライフ」を反映した曲作りが行われており、これぞアフロロックと評価される個性的なサウンドが印象的であった。 バンドは短命で発表後にコウカーと残りのメンバーで分裂し、別々のアサガイとして活動。2ndアルバムはコウカー抜きのバンドにマーサ・ムゲンゲをヴォーカルに迎えジェイドウォリアーもゲスト参加し発表されている。 個人的には70年代にこのアルバムを探して国立駅前のレコード店まで買いに行ったのが思い出(苦笑)。 フェザやモホロはオガンレコードのティペット関連の英国ジャズメンとの関わった作品等も数ある。フェザの存在はロバート・ワイアットの超歴史的名盤「ロックボトム」での疾走感溢れる素晴らしいプレイで知っている方も多いのではないだろうか?残念ながら70年代中期に早世しており、エルトン・ディーンのナインセンスのライブ盤ではフェザの楽曲が彼に捧げる形で収められてもいた。 同時期のキース・ティペット・グループの2NDアルバムDEDICATED TO YOU,BUT YOU WEREN'T LISTENINGが1STと比べてプリミティヴな劇的変化を遂げたのも彼らとの交流が影響あったのだろうかと考えてしまう。 70年代にはさほどプレミア扱いもされなかったアサガイであるが、近年はとんでもない値段でオークション出品されていたりもする。ヴァーティゴ・レーベルのせいなのだろう。 あと一部のDJが今の時代にはありえないドズの効いた超絶ファンクに痺れて、クラブイベントに使用したりしているのも再注目される原因なのだろうか? 追記/米AMPEXより74年に発売されたCharles Hilton Brown/Owad To Myselfと言う作品にてバックをアサガイが担当しており、2000年にイタリアでLPが再発売された事でアサガイへの再評価が高まったようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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