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カテゴリ:訃報
あふれる歌心「革新」希求
※左からカラヤン、アバド、ラトルの各氏 マエストロのクラウディオ・アバド氏が逝去された。享年80歳。 このごろは動向を聞くこともなかったが、胃を患われ闘病されていたという。 冒頭のタイトルは、産経新聞の『評伝 クラウディオ・アバド氏』のタイトルである。 クラウディオ・アバド氏の指揮はまさに歌心にあふれていた。カラヤン氏の後を受けてベルリンフィルの指揮者となったアバド氏としては、それが面目躍如であった。 緻密で完璧に仕上がったカラヤン氏と、さほど比較されることなかったのは、アバド氏のあふれる歌心のなせる技があったからであろう。 なお、アバド氏の次となったサイモン・ラトル氏は、その情熱的な指揮でアバド氏とは一線を画している。この層の厚さがベルリンフィルの一流と言われる所以であろう、余談まで。 加えて、対話協調型のアバド氏はオーケストラに歓迎されたという。前任のカラヤン氏が『帝王』であった分も受け入れられたということであろう。 そして冒頭の『「革新」希求』は、アバド氏がプッチーニを演奏しない理由をこう述べたことに由来する。 「プッチーニが嫌いなわけではありません。ただ、私は革新にひかれるのです。」 『革新』によるアバド氏のマーラーやブルックナーは、すでにベルリンフィルの歴史に刻まれている。 クラウディオ・アバド氏のご冥福を謹んでお祈り申し上げる。 追記:フルトヴェングラー、カラヤン、アバド、ラトルの執ったベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を、我々は居ながらにして聴くことができるのだ。なんと幸福なことだろう。 今宵はカラヤンとアバドを聴き比べてみようか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.03.17 15:00:28
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