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幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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May 15, 2008
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 これは、最近扱いだしたシェリー酒でエミリオ・ルストゥ社のライト・マンサリーニャ・パピルーサ。パピルーサはいい女という意味らしい。

 マンサリーニャ(スペインではマンサニージャと発音するが、私の場合フランス料理屋なのでフランス読みにしてます)というのは、大雑把に言うとシェリー酒の中のフィノのタイプの仲間で、辛口ですっきりしたタイプといえる。

 私は長いこと(大雑把に言って20年、真剣に取り組みだしてから10数年)ワインと食物の相性を研究してきたのだが、日本の家庭における日常的な食べ物とワインの事を考えると、赤ワイン(特にコクのある赤ワイン)に合う食べ物はあまりないような気がする。

 赤ワインで煮込むような料理とか、赤ワインを煮詰めたようなソースなどは普通日本の家庭料理では出てこない。また赤ワインにチーズなどというが、実は赤ワイン全般に言えることだが、赤ワインに合うチーズというのは意外に少ないようだ。

 では白ワインではどうかというと、、辛口白ワイン全般にいえるのだが、日本の代表的なオカズである刺身はあまり辛口白ワインに合わない。白ワインに含まれる有機酸の成分が魚介の生臭さを助長する事があるのだ。特にイクラやウニ、又はシラスや小女子などはワインにとって最低!の組み合わせといえる。

 そこで、日本の食事に美味しいワインというと、、、こういうシェリーもありかなと思うのです。製法上アルコール添加をするという点で、ちょっと吟醸酒に似ているということ。それにこのマンサリーニャは、サンルカール・デ・パラメーダという海辺の土地で作られるワインで、かすかに潮の香りがするし、かすかなヨード分も感じる。また、シェリーの熟成中に発生する酸化酵母皮膜の作用で、一般的な白ワインと有機酸の成分に変化が出来て魚介の生臭みを感じさせないようなワインになっている。

 それに塩味の焼鳥、焼き魚、寿司などと合わせても違和感はない。当然スペイン風のタパス(つまみ)なら間違いないし、生ハムやサラミなどとは抜群に合うのだ。

 酒精強化ワインというとどうしても甘口が多いのだが(シェリーにも甘口はある)、マンサリーニャのような辛口のワインは、アルコール添加という点で日本酒の良さと焼酎のよさを併せ持っているのかもしれない。

 というわけで、日本のフレンチレストランにおいては前菜の皿に合わせてこのようなシェリーがあるとけっこう楽しいと思う。美人なシェリーですよ。

 もちろん、メインディッシュには美味しい赤ワインをどうぞ!家庭料理では出来ない赤ワインに合う料理は、レストランでこそ楽しまなくてはね!!






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Last updated  May 15, 2008 11:43:07 PM
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 madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
 ゆり777@ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
 おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
 mermerada@ はじめまして! エスカルゴは好きで、メニューに有ると頼…
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