カテゴリ:シェフのスペシャリテ
8周年記念コースが、おかげさまで大好評です。作るのに夢中で、なかなか写真が撮れなかったのですが、やっと全品画像がそろいました。 まずは、お楽しみアミューズ。この日は、魚のテリーヌとイノシシとフォアグラのリエットと自家製ピクルスを一口づつ。 前菜は、自家製の冷燻のサーモンとホタテ。冷燻というのは、30℃以下くらいの冷たい煙で燻製にすること。温度を上げないので、食感はしっとり。上質な生ハムを食べるような感じですね。 続く温前菜は、蒸しフォアグラのレンズ豆のクリーム添え。これは20世紀最高のシェフと言われたジョエル・ロブションのレシピによるもの。このレンズ豆は、AOCというフランスの食品(ワイン、チーズ、野菜、畜産品など)に関する最高ランクの法律で指定された唯一の豆で、おそらく値段も世界一だろう。とても複雑で独特の風味があり、肉類との相性が良い。そのレンズ豆を一部ピュレにしたものと、豆を合わせクリームで仕上げる。豆を下茹でする時にクローブやアニスなどを使っているので、一層甘い香りが加わって蒸した柔らかいフォアグラと渾然一体となってとても美味しい。さらにアルザスのゲヴェルツトラミネールを合わせれば、その甘い香りとまろやかな口当たりがフォアグラと溶け合って、、、。 次は、オマール海老のビスク。二人で一尾のオマールを尻尾の身以外を細かく砕いてだしをとり、海老味噌も溶かしこんで濃厚なクリームスープにしたもの。一尾のオマールを隅から隅まで味わっていただくというものだ。スープというよりソースに近い感じと言えるかもしれない。 そしてメインは、低温で時間をかけしっとりと焼き上げたイベリコ豚ベジョータの背肉のロースト。究極の焼きあがりを目指して、日々精進しています。さすがに世界最高の豚と言われるイベリコのベジョータ。きめ細かさ、上質な脂の旨さがとても豚肉とは思えないほど上品だ。 デザートその一は、イチゴのスープ仕立てリモンチェロ風味のレモンのソルべ添え。スープ本体は、南仏産の完熟イチゴのピュレを使い、千葉県産の生イチゴを散らし、イタリアはカプリ島産のレモンリキュール“リモンチェロ”で香りをつけた自宅の庭のレモンを使ったシャーベットを浮かべたもの。次のデザートのためにさっぱりとしていただく。 そして最後は、バニラとカラメル風味のフォアグラプリンと生チョコ。砂糖をカラメル化させ、マデラ酒を加えて煮詰めてカラメルソースを作りプリン型に流す、卵と牛乳と生クリームにフォアグラとバニラを合わせたプリン生地を入れてオーブンで蒸し焼きにする。フォアグラが一種生クリームのように働いて、プリンに独特のコクを与えるし、また思いのほかバニラとの相性も良く、かなりユニークなデザートに仕上がった。熟成したポルト酒やマデラ酒またはマラガ酒、あるいはバニュルスなども合うだろう。 今月いっぱいまでやっています。ご予約はホームページからお願いします。
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Last updated
Mar 6, 2009 08:02:58 AM
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