カテゴリ:旧ブログミステリ
本日ご紹介するミステリーは、篠田真由美さんの「
胡蝶の鏡」です。 建築探偵シリーズ第3部のはじまりです。 ●あらすじ 「桜闇」の「塔の中の姫君」に登場した四条彰子。彼女は京介たちを京都に呼び、何事かの相談があるようなそぶりを見せる。だが、彼女は何も告げないままに日本を去っていった。 その後、再び彼女から電話があり、夫と離婚する旨を知らされる。 ●簡単な感想 事件としての派手さはあまりない作品です。ですが、派手であれば良いというものではないと思わせてくれます。ミステリーというよりも、国際結婚だとか、跡取り問題だとかがクローズアップされているように思います。こういうのは難しい問題ですが。 悪くない作品だとは思いますが、ミステリーとしては印象に残りにくい作品でもあると思います。 第3部は京介について色々と明るみになりそうです。第3部で終了となるのでしょうか。 彰子さんは再登場ですが、前回登場をほとんど覚えていないのでやはりもう少し説明が欲しかったかなぁと思います。前作ほどではないですが。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧下さい。 彰子さんが子どもと離れ離れになるのは可哀想ですが、深春と同じようにロンにも同情しました。とはいえ、彼の思惑通りに彰子さんと直が引き離されれば良かったと思うわけではないですが。 千夏がロンを好きになるのはかなり唐突ですし、多少ご都合主義っぽく思えますが、ロンには良いと思います。人工授精ができるなら、それで良いと思いますし。結婚相手が見つかったということではなく、新たな可能性を示されたと言うことで、ロンが幸せになる道ができたのは喜ばしいことだと思います。 タンと彰子については、結局、二人の気持ちは離れていたわけではなく、はじめから終わりまで芝居をしていたということだと思いますが、どこかしらにそれを気付かせる要素があっても良かったのではないかな、と思います。読者に見えているタン像は「家庭より仕事が大事で、はっきりしない人」なので、実は「家系が途絶えることよりも家庭を大事にしていて、時に大胆さもある人」でした。と言われてもぴんと来ないと言うか。 京介のジム通いが、今後どう絡んでいくのかが気になります。 以上です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.23 21:14:09
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