言語学を超えて（ソシュール記号学の新解釈）

全3571件 (3571件中 151-200件目)

< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ... 72 >

• 言語人格的な時空間は、人間の心を作る小さな宇宙である。。。

  宇宙の意識・記憶の歴史は、三段階の次元が層を成している。最初は、物理化学的な時空間、二つ目は、生物認知的な時空間で。今回、三つ目を、言語人格的な時空間とすることにした。この人格というのは、自己同一性を維持する事で生まれる人間の自己意識の事を指す。人間の心である。

  2024.02.27

  コメント(0)

• 意識と脳の関係。。。

  Tianqiao & Chrissy Chen Institute：A Minds Wide Open Short: Sir Roger Penrose and a theory of consciousnessペンローズ博士も、意識の研究をする上で、やはり脳の機能に拘っている。私は、意識を理解するには、その進化の軌跡を記録する記憶という媒体の存在を考えるべきだと思っている。この記憶というのは、自己同一性を生み、維持し、進化させる動的メカニズムである。「意識」というのは目に見えないが、その進化の過程を記録する「記憶／自己記憶」という媒体を通す事によって観察する事ができる。「記憶」という概念が、意識の研究の突破口となる筈である。

  2024.02.27

  コメント(0)

• 自己意志の存在を前提としない自由意志とは何か。。。

  Closer To Truth：Tim Bayne - Free Will: Essence and Nature西洋哲学でよく議題に上がる「自由意志」だが、行動をとるための意志が自由かどうかを考える前に、行動を取るための意志がどのように生まれるのかの議論が全くない。私は、物質が進化して生命が生まれた時に、自己意志を原動力とした認知システムが生まれたと考えている。意識を考えるとき、動物レベルでも知覚的な意識という表現を使う事があるようだが、私はこれは間違っていると思う。それは意識ではなく、知覚に対する反応行動で帰結する認知システムが発動する為の待ち受け状態であると私は考えている。西洋で自由意志が問題になるのは、神の意志か人間の意志かという問いが背後にあるからだと思う。私は、本当に最近になって「自由意志」という用語を知ったし、しかも、西洋哲学の重要なテーマであるというのも知った。

  2024.02.27

  コメント(0)

• 離散的な情報とコンピュータ。。。

  離散的な関係を理解する上で、コンピュータがどうやってデジタル情報を扱っているのかが気になった。

  2024.02.27

  コメント(0)

• 私が脳科学に（今は）興味が無い訳。。。

  意識の問題を解明しようとする時、脳の機能を解明する事でそれが可能になるのではという考えがある。私も意識の形成に脳が大きく関わっている事は承知しているが、私は自分の研究に脳を関連付けない。記憶であっても脳の機能だろうと言う人もいるだろうが、私ももっと深い記憶の意味を考えている。私は、記憶を「自分を知りたいと思う」意識が進化する軌跡を記録する媒体であると考えている。先ず。物質は物理化学的な記憶であり、生命は生物認知的な記憶、そして我々の自己意識は言語人間的な記憶という「次元の違う三層の記憶」によって支えられていると考えている。人間の脳というのは意識／記憶の進化の副産物であって、脳の機能を研究すれば、例えば、私の研究対象である記憶のメカニズムが解明されるとは思っていない。脳の研究の大きな問題は認知システムにおける「機械学習」を真似して人間が発明したコンピュータと脳が同じであるとみなしている点である。人間の脳もコンピュータも、同様にデジタルな情報を扱う事ができるが、人間の脳は、アナログな情報を扱う認知システムがベースにある。脳科学では、動物レベルの認知システムと人間レベルのデジタル情報の処理を分離して考えることができていない。これは、意識の研究において致命的である。脳科学者が脳とコンピュータを同一視するのは、どちらも電気信号のやり取りによって成立していると考えているからだろう。だから脳の中にも、コンピュータの中で機能するプログラムと同じものがある筈だと思い込んでしまっている。動物と人間の違いは、プログラムの違いであるという結論になる。問題は、人間は自分達がデジタル情報を使っているから、他の全てのものがデジタル情報の伝達によって機能していると考えてしまう事だろう。物理化学／生物認知／言語人間の其々の時空間では、確かにデジタル情報が使われているが、其々レベルが違うし、アナログ的な情報のやり取りもある。Michael Merzenich 氏のインタビュー動画。「origin of an individual person（個人の起源）」という表現を使っているが、私が「人間の起源」というのとシンクロする。これからは人間の起源ではなく「個人の起源」を採用しようと思うが「個々人の起源」も捨てがたい。この動画の中で、先ほど私が記述したような考えとは違う発想の考察が進んでいると言っているのは興味深い。脳が進化するという表現もある。ただ、それはあくまで人間の行動全般の観察から導き出されて結論であって、その背後にあるメカニズムに関しての考察は、まだできていない様である。さっき出てきた「人間の起源」を言い換える用語だが、他にも「人間性の起源」とかも考えられるが、人間という単語を使ってしまうと、人類の起源と人間の起源を分けて考える事が難しくなりそうである。「個々人の起源」を考えたのは、我々一人一人は互いに離散的な関係にある事を示せるからである。Mike Merzenich 氏の人間の自己意識に関する分析は非常に示唆に富んでいるが、背後にあるメカニズムにまでは考えが及んでいないのが残念。全て「complicated（複雑な）」という形容詞で片付けられている。でも、こういう事に気が付いている人がいる事を知るのは心強い。

  2024.02.26

  コメント(0)

• 記憶の正体。。。

  記憶は誤解されている。記憶は認知システムで、認知主体が自分の意志で喚起出来る対象ではない。記憶は、それ自体が一種の主体であり、自己同一性を維持しながら進化して行く。我々人間は、そうして進化した記憶を認知的な待ち受け状態上に飼っているとも言える。それを私は自己意識と呼ぶ。我々が「自分が成長している」と思えるのは、自己意識を構成している進化する自己記憶のお陰である。実は、進化しているのは、あくまで自己記憶であって、生物的な個体としての自分ではない。我々が言語を発明したり、習得出来るのも、この自己同一性を維持しながら進化する自己記憶である。言語学成立するのは、先ず言語の形が離散的な自己同一性を実現しているからである。同じ形を認識出来なければ、正確なコミュニケーションは実現しない。問題は、どう言うメカニズムで我々は「離散的な形」、デジタル情報を獲得したかである。それは「離散性に根ざした自己同一性」である。音声言語の場合、デジタルな音韻体系しか使えないが、手話の場合、アナログとデジタルの両方を使える。この場合のアナログというのは、所謂パントマイムの事を指す。「パントマイムは手話とは違う」という事になっているが、実際の発話、特に物語の実況中継にはよく使われる手話表現である。何故、パントマイムが手話表現の一つであるかという事だが、それは、記号のシニフィアンとシニフィエの関係において、手話の場合、シニフィエがシニフィアンに先行することができるからである。これを可能にしているのは、手話には離散化抜きでも視覚的に形を定義できる身体があるからである。少し前にアナログによる相似性に関する考察をしたのだが、それが今になって必要だった事が分かる。手話の場合、アナログな相似性による言語の形であっても、それがデジタルな自己同一性を持った意味／概念という側面と記号の二層を成している事で、十分、シニフィアンとして機能するわけである。まだまだ、プールの底のモザイク画の全貌は見えていないが、少しずつでも視界は開けてきた。真実を理解する為の過程というのは、本当に楽しい。今の段階では、他の誰にも理解はされないが、それはそうだろう。言語の謎は、人類がずっと持っていた謎なのだから。

  2024.02.25

  コメント(0)

• 意識と記憶という宇宙の二層構造。。。

  人類の誕生と人間の誕生は、時期がズレるのと、実は、意識／記憶の進化の全く違うレベルに属する。人類の誕生は、物質から生命が生まれた延長線上にある。つまり物質的な記憶の進化のレベルである。生命の誕生とは少しズレるが、認知が誕生し、これが知能と言う形で進化する。物理化学的な時空間から、生物認知的な時空間が生まれ、更に言語人間的時空間が生まれたというビッグヒストリーは、あくまで我々に観察可能な「進化する自己記憶」の視点で捉えた場合。しかし記憶の裏には、その原動力となる「意識の進化」がある。それは、意識／記憶の自己同一性の歴史である。物質的な自己同一性の進化の歴史は、化学的な物質から生命が生まれ、それが種の起源となり、最終的に人類が生まれた事に繋がる一連の流れである。この上に、生命の誕生と同時に生まれた認知的な自己同一性の進化の歴史が重なるが、それは物質的な自己同一性とは次元が全く異なる自己同一性である。認知的な自己同一性の進化の歴史の上に、人間の自己同一性、つまり自己意識の進化の歴史が重なる。これを、意識による自己同一性の進化とすると、その軌跡を刻む記憶の視点からとらえる自己同一性の歴史との間に、少々、ずれが生じる事になる。しかし、意識と記憶を分離して考えれば問題ない。科学を志す者は、客観的なエビデンスを求められる為、我々に観察可能な記憶を利用するしかないが、その背後に意識という主体による主観的な存在があり、それが記憶の進化の原動力になっている事を知る必要がある。私に、意識と記憶を分離して考える事を気づかせてくれたのはソシュールである。

  2024.02.25

  コメント(0)

• 自然数の「１」という概念は、主観的なものである。。。

  Closer To Truth：John Hick - What is Truth?「１＋１＝２」というのは、客観的な真実だと言っているが、私は、「１」という数字は、人間が「自分自身の自己同一性」を投影する事で成立していると考えると、非常に主観的であると私は思う。ここら辺が、最近、私が西洋哲学を信用できなくなっている大きな理由である。

  2024.02.24

  コメント(0)

• 言語の形、記憶の自己同一性の維持と進化についての考察。。。

  音声言語の形は、音素だけではない。音声を使って言語の形が作られる意味を考えてみよう。手話の形との比較が重要になる。私は、従来の言語学はしない事ははっきりとしたのだが、それでも言語を研究の対象とする。ただし、私の研究対象は二つしかない。音声言語と手話の二つだけである。どう言う枠組みが可能か、じっくりと考えていこうと思う。人間は記憶を使って言語活動をしている事の意味を考察し直そうと思っている。同じ単語を思い出せると言う事の意味である。今、やっと、本来の言語学の第一歩を踏み出しているのかもしれない。焦らずに前を向いて進もうと思う。ワクワクして来た。言語の謎、人間の誕生の謎に、一番乗りできたのは嬉しいが、この謎は思ったよりも深い。でも、正しいメソッドが見つかったので、後は、時間の問題だと理解している。宇宙の真理を、一歩一歩だが、理解出来る事になると言う意味を、今、少しずつ噛み締めている。それは、究極の自分探しである。

  2024.02.24

  コメント(0)

• 「何故 AI は赤ちゃんに敵わないのか？」という問い。。。

  「何故 AI は赤ちゃんに敵わないのか？」という問いに私なりに答えてみようと思う。AI は生命に備わっている知能を発揮する認知システムのメカニズムを模倣した「機械学習」であるのに対して、赤ん坊でも人間の場合は、同じ認知システムをベースとしているが、全く別のメカニズムが追加されている。認知システムでは、知覚刺激が最終的に反応行動として帰結するまでの間に幾つかの過程があるが、先ずは知覚刺激が過去の経験の記憶を自動的に喚起する。ここで重要なのは、この記憶喚起は自動的であり、認知主体が自分の意志で制御する事はできないという事で、これは人間の場合にも適用される。認知主体が自分の意志で決定できる事もあるが、それは喚起された経験の記憶と自分の置かれている状況を比べて何をしたらいいかを決める判断をする事である。過去に取った行動で快い結果が得られた場合は、現在も同じ行動を取る可能性が高くなるが、不快な結果の場合は別の行動を取るかもしれない。認知主体の反応行動の判断を決める為には、現在の外界を知覚したものと、蓄積された過去の経験がアナログ的に比較されて、それと相似したものが自動的に喚起されるという過程が先ずある。こうして選ばれた二つの相似した記憶の比較が、生命が生まれたのと同時に生まれた自己意志の発動を誘発する。この一連の過程は「離散分裂（再）融合更新循環サイクル」という意識／記憶の進化の動的なメカニズムによって司られていて、二つの相似した記憶が存在する事が、先ず離散分裂の過程であり、その後、二つが出会って融合し、自己更新をするときに自己意志が発動して反応行動として帰結する形になる。ここまでの考察が、今のところ精一杯である。生命の誕生と共に、自己意志と知覚が生まれた事はわかっているが、そのメカニズムが、まだ今一、ピンと来ない。もう少し時間がかかると思うが、多分分かるだろうと楽観はしている。また、明日。

  2024.02.21

  コメント(0)

• 音素の差異を価値の体系に構築する動的なメカニズムとしての枠組みとは。。。

  ミニマルペアは聴覚による差を聴き取る事によって音素を弁別するのだが、同時に全ての音素の差を一つの価値の体系に構築する為の枠組みが必要になる。この枠組みは、発話自体が時間軸に沿ってリアルタイムに展開する事を考えると、絶対に動的であると確信できるが、問題はそれを可視化する事である。

  2024.02.21

  コメント(0)

• 我々の動きは、記憶によって制御されている。。。

  我々の動きというのは、大部分が我々の記憶喚起メカニズムによって制御されている。身体が勝手に動くということは誰でも経験している事だと思う。スポーツなどで練習するのは、動きを記憶して直ぐに再現できるようにするためである。今日は、それをよく感じた。私は言語というのは特殊な記憶喚起メカニズムによって成立していると考えている。我々は自分の記憶に能動的にアクセスする事ができる事になった事で、元々の認知システムに備わっている無意識の記憶喚起と一緒に機能する事で、言語を使えるようになった。我々は言語を思い出しながら使っている。

  2024.02.21

  コメント(0)

• 無題。。。

  言語を科学しようと言うアプローチ自体が間違っている。それでもソシュールは差異に注目した事で良い所まで行ったが、完成せずに途中で終わってしまったし、コーパスを使って文法研究をするチョムスキーは完全に論外。本来は、ヒトが言語を持つ人間に変換される過程を科学しなくてはいけないのだ。ヒトが人間に変換される過程と言うのは、人類の黎明期に初めて起きた。こうして言語を獲得した個人が、言語を世代を超えて現在にまで伝えているのだが、ヒトが人間に変換される過程は現在でも日常的に起きている。それは、受精卵が細胞分裂して個体になる過程と似ている。全ては胚から始まる。胚と言うのは、自己同一性を確立し、維持しならがら、更に進化して行く。問題は、自己同一性は、記憶によって確立されると言う事。記憶とは、宇宙を生んだ「自分を知りたいと言う意識」の進化の軌跡を刻む媒体であり、離散的な時空間を構築する事で宇宙全体の歴史を記録している。

  2024.02.21

  コメント(0)

• 手話と音声言語しかない究極の言語類型論。。。

  最近、ソシュールの記号の半分とラングを完全に否定することになったので落ち込んでいる。チョムスキーは最初から論外だったのだが、ソシュールに関しては「言語には差異しか無い」という彼の遺した命題一つに拘って独りで研究を続けてきた。ソシュールに関しても、誰とも議論ができなくなった。数年前、2009年から始めたブログのタイトルを「言語学の嘘」から「言語学に超えて」に変更したのも、自分がやろうとしていることが言語学の枠を大きく超えると認識したからだったが、まさか、言語学という学問の枠自体を否定する事になるとは思いもしなかった。私がしようとしているのは究極の言語類型論である。特定の知覚運動チャンネルに特化する事により、聴覚発声チャンネルだと音声言語、視覚身振りチャンネルだと手話が誕生するのだが、この二つのタイプの言語に分化する過程を研究する学問になる。音声言語と手話を、全く同等との言語として扱う。言語の起源に関しても、視覚身振り／聴覚発声という二種類の知覚運動チャンネルをどのように利用しながら、人類が言語を発明するに至ったのかを考察する事になる。視覚に関しては、物体そのものや文字や図像による記述など、物理的な記憶媒体を利用する事も平行して考慮する事になる。言語の起源自体を直接確認する事は不可能だが、特定の知覚運動チャンネルに特化する事で、人間が二つのタイプの言語をどのように発明或いは習得しているかを、人間に特有な記憶喚起メカニズムの観点から考察をする事で、人間の言語がどのように誕生し発達してきたかを推測する事ができると考える。この「二種類の知覚運動チャンネルへの特化による言語類型論」をするのに、言語を物理的な平面に静的に記録したコーパスの分析は行わない。ソシュールが実施しなかった記号のシニフィアン、言語の形の側面に「言語には差異しか無い」がどのような形で実現されているのかを考察する学問になる。音声言語では、リアルタイム聴覚だけで音韻体系がどのように確立するのか、手話の場合、リアルタイムの視覚だけで標準手話サインを始め、全ての手話表現が手話の形になるのかを考察する学問になる。このリアルタイムというのは発話を知覚するレベルの話であって、実際の記憶操作ではそうではない。これは人間が、知覚で自動的に記憶喚起される認知システムをベースにしながら、その上に「二層の価値体系である記号」という離散的な言語的な時空間を構築できるから。離散的というのは、その時空間を構成するものたちが、互いに「違うけど同じ／同じだけど違う」という関係にある事を意味する。聴覚に特化した場合、これは音韻体系の音素の弁別に使われるミニマルペアという記憶操作に如実に表れる。視覚身振りチャンネルの手話の場合、あらゆる手話表現が、時間と共に流れる視覚シーケンスを、前後を区切って一つの塊とし、そこに時間軸に沿った動きがあると捉える事で観察する事が可能。二つの言語のタイプの形を支えている屋台骨となるのが時間軸の認識である。物理的な平面に静的に記述する場合、そこには視覚的かつ静的に時間軸の存在が知らずに表現されてしまうが、リアルタイムで流れてくる発話を見たり聴いたりして言語の形を認識する場合、その存在の認識が非常に難しい。意識上に時間軸が存在する事によって、音声言語でも手話でも其々のタイプの言語の形を認識する事ができるのだが、この時間軸を我々がどうやって獲得したのかを解明するのが、この究極の言語類型論の目的であるが、私は既にその答えを持っている。それが「離散分裂（再）融合更新循環サイクル」。結論からいうと、知覚という現在の記憶による自動的な記憶喚起とは逆に、過去の経験の記憶の側から現在の記憶が自動的に呼び出され、現在と過去の記憶が一つに統合される事で一つの循環サイクルが確立され、同時に二つの記憶の時間差が記憶の二極化という形で我々の自己意識を確立するのである。この根拠となるのが、認知システムにおいて知覚は、それと相似している認知的な記憶を自動的に喚起し、それを判断材料として使われ反応行動として帰結するという仮説である。そして、認知システム上に記号という離散的な時空間が誕生する事によって言語の形が確立されると考える。認知システム上に記号という離散的な時空間が誕生する事で人類の個体は自己同一性を確立できる人間に変換される。この自己同一性は認知的な記憶がベースになっており、自らの記憶から自由に喚起が可能なデジタル情報と化した記号を獲得し、それを特定知覚運動チャンネルに特化すると言語が誕生。二種類の知覚運動チャンネルに特化して誕生した二つのタイプの言語（音声言語と手話）に関する言語類型論は、心理学から派生した認知科学の範疇ではない。言ってみれば「記憶科学」になるかもしれない。今、認知科学でも言語学でも記憶の本質に関して全く議論が無い。私が落ち込む最大の理由。

  2024.02.20

  コメント(0)

• 言語の謎を理解する事は、科学者にとって最大のツール。。。

  今、言語にどうして方言があるのかを考えている。これは「正しい言語」とか「標準的な言語」という国の政策や、メディアの影響によって生まれたものが先ずあって、方言というものは、周辺に位置するものである。しかし実際は、方言というものは存在せず、方言を話す人しか存在しない。言語の「なまり」に関しても、言語のバリエーションを生む一つのパラメータであるが、問題は、バリエーションを比べる事ではなくて、バリエーションが生まれても、それが同じシステムになる動的なメカニズムを解明することである筈。言語学者は、本当に些細で表面的な事にしか注意を払っていない。我々自分自身が、集団によらず、あくまで個人的に、言語という二層の価値のシステムを構築できるという事に注目しよう。何度も繰り返すが、このカギになるのが手話の存在である。聴覚を視覚に変えるだけで、様相は違うが、手話という全く別のタイプの言語が成立する。人間の自己同一性を生み出し進化させる記号が、聴覚発声チャンネルに特化して生まれた数多の音声言語、或いは手話の通時的或いは共時的なバリエーションをいくら研究しても、言語の謎には絶対に辿り着けない。一つ残された道は、特定の知覚運動チャンネルへの特化の過程を研究する事である。そこにある研究対象は、音声言語と手話の二つしかない。ただし、このアプローチをするには、文字や図像による記述の助けを借りながらも、これらの物理的且つ静的な媒体を通すことによって生じる悪い影響を極力排除する必要がある。言語は、特殊な動的メカニズムを持った生きたものである。この特殊な動的メカニズムは、知能を発揮する認知メカニズムをベースにしているが、認知システムの知覚に対する自動的な記憶喚起メカニズムが進化して、離散的（デジタル）な言語的な時空間を誕生させ、言語の発明と習得を可能にする能動的な記憶喚起になったのである。これを理解できたら、その後は、自分の好きな世界で真実の追求をする事が可能になる。言語の謎を理解する事は、科学者にとって最大のツールとなる。

  2024.02.20

  コメント(0)

• 記号という記憶の自己同一性の維持装置。。。

  言語の研究をするのに文字で記述された言語を研究対象としてはいけない。今を生きる人の発話であっても、それは何千何百年前に記述されたものと本質的に変わらない。生物学をするのに死体の解剖だけをする人はいない。言語の謎を解きたいのなら、言語を支える記憶喚起を研究しなければいけない。言語は、集団の中での意思疎通を可能にする事で独自の発達をしてきた。国語教育は集団の中で話される言語を統一する為の制作であるが、テレビなどのメディアも言語の統一に大きな貢献をする。第二次世界大戦後に建国された若い国であるイタリアでは、標準伊語教育とテレビによって国民のアイデンティティーが生まれたと聞く。言語を語る時に、言語の歴史というのが重要になってくるが、これが言語の本質に迫ることの大きな障害になっている。また、言語が言語として成立する為には、コミュニケーションの道具として役割を果たすかという基準があり、意味を構築する全ての文法規則が言語の特徴として認識されてしまう。私の考える言語の基本的な特徴は、言語の形と意味の二層の価値体系をなす記号（ソシュールの記号のアップデート版）が、我々の意識上で記憶という形で自己同一性を確立する事で、自由に自らの記憶から喚起して使え、しかもそれを知覚運動チャンネルを使って他人にコピーしてもらう事が可能という事。また一つ、「異次元の言語学」の確立に近づいたような気がする。

  2024.02.20

  コメント(0)

• 音声言語だけを言語学の研究の対象にしてはいけない三つ目の理由。。。

  音声言語だけを言語学の研究の対象にしてはいけない理由の三つ目は、結構最近気が付いた。それは言語が存在するという幻想を我々に抱かせてしまう事。言語を話すのはあくまで人間であるが、まるで言語というのが生きたもののように扱われて、研究対象として独り歩きを始めてしまうという事である。これは、ソシュールが「ラング／パロール／ランガージュ」という形で区分を付け、言語学の対象をラングにすると決めてしまったことで決定的になった。といっても私は、パロールやランガージュを研究しようとは言わない。ソシュールの作った区分から、完全に離れる必要があると考えるから。これも少し前に気が付いたのだが、インターネットで検索をするとき、人類の起源と言語の起源はヒットするのに人間の起源では何も出てこない。我々が研究すべきは人類という種の個体であるヒトが、どのような遺伝的形質を備えていて、それがどのような過程を経てヒトを人間に変換するのかという事。私は、チョムスキーが提唱している普遍文法というものは無いと思っている。文法規則という知能で括れる範疇ではなく、我々の認知システム自体にビッグバンが起きて、動物とは全く違う認知システムが誕生し、それを使う事で、言語を発明したり習得したりすることが可能になると考えている。言語が存在する、別の言い方をすれば言語の自己同一性が維持されるという認識は、言語が文字で記録されたものを過去にさかのぼって年代別に比較研究する事で一般化している。実際、インドヨーロッパ語族の研究という形で学問としても成立している。しかし、言語が存在するというのは幻想なのだ。言語が存在するという幻想を与えているのが、言語はコミュニケーションの道具であるという認識。これにより言語というのは、社会生活に必須な要素であるという事になり、それを対象として研究する事を正当化してくれる。しかし問題は、何故我々が伝えるべき事を共有できるかという事である。ソシュールの記号を取って考えてみると、言語の形でも言語の意味でも、どちらも、同じ形と意味を「同じ言語を話す集団を形成する個人」が、個々に構築する事が可能で、しかもそれを物理的な方法で発信し、知覚を通して、同じ形と意味を認識できるという事実に私は注目した。そして、私がもう一つ注目したのは、言語の形も意味も、どちらも記憶で形成され、自己同一性を維持した記憶を喚起できるという点である。同じ形や同じ意味を繰り返し思い出せるという我々人間の持っている特殊な記憶喚起機能のメカニズムを解明することが言語の謎への唯一の道であると私は思う。ソシュールのラングを否定した時、ではパロールは、ランガージュはと思った事がある。しかし、ソシュールの言語に関する思想は、ラング／言語が存在するという前提によって成立しているのであり、そこから派生したパロールやランガージュも、私には使えないという事が分かった。ヒトが、二層の価値体系である記号を認知システム上に獲得し人間になり、その人間が、記号を特定の知覚運動チャンネルに特化することで手話と音声言語という二つのタイプの言語を発明し、その後、様々な歴史的な変遷を通って、言語として現在まで受け継がれているという新たな視点が必要になる。この為には、ソシュールの記号の恣意性を「記号の離散性」にアップデートする必要がある。ソシュールは「言語には差異しか無い」という命題を、記号のシニフィエにしか適用しなかったが、私は記号のシニフィアンの側にも適用しただけである。百年強経って、私はソシュールの仕事を完成させる。記憶という「自律的に進化する存在のメカニズム」を研究する事が、言語だけでなく、認知システムや生命、そして物質、宇宙の誕生にまで関わる、全ての宇宙の謎を解明する為の出発点になると私は信じている。それは、科学の新しいパラダイムシフトを引き起こす事になる。未だ先の事だと思うが。

  2024.02.20

  コメント(0)

• 音声言語だけを言語学の研究の対象にしてはいけない理由。。。

  音声言語だけを言語学の研究の対象にしてはいけない理由を考えてみた。一番の理由は勿論、視覚身振りチャンネルに特化して誕生した手話の存在を軽視さもなくば無視する事になるから。視覚と聴覚のどちらでも自然言語が確立する事実を考慮しないのは人間の言語の本質を見ようとしていないと言える。次の問題は、音声言語の音素を、物理的な平面上に静的に視覚的なコントラストを利用した文字を使って記述する事に疑問を挟む人がいない事。自然言語は、手話にせよ音声言語にせよ、時間の流れの中で発話されるものであり、そこに我々が言語的な形を見ているのは特殊な記憶操作によるものである。音声言語の文字による記述が生まれた事によって、人間の言語によって記された歴史が始まった。書記言語を持つ言語は、極一部であったが、言語を文字で記す習慣は次第に世界中に拡散していった。こうして、言語を文字で記述する習慣が社会、そして言語学界に定着していった。声言語の文字による記述の大きな問題点は、聴覚で捉える言語的な形を視覚で置き換えてしまう事であるが、より重要な問題は、リアルタイムで発せられて流れては消えてゆく発話を、物理的な平面上に固定する事である。一度、発せられた音声を再生する事が出来るとしたら、それは我々の記憶による。我々が記憶した言語的な形を物理的な平面上に固定すると言っても、最初にどうやったら聴覚で捉えた音声を連鎖する音素に分節出来るのだろうか。自分が知っている言語だったら問題ないと言う人もいるだろうが、では何故、知らない言語だと出来ないのだろうか。私の研究は、これが出発点になった。言語を知っていると言う事は言語的な形と意味と言う二つの価値体系を共有する事になるが、価値体系と言うのは何を基本にして構築されるのかと言う事。この基本メカニズムは全員に共通でないといけない。が、言語毎に異なる価値体系になると言う性質を持っている。両方を満足させる必要がある。私が最初に注目したのは、言語的な形の方で、音声言語の音韻体系を構成する全ての音素の中から、異なる二つの音素の存在を明らかにするミニマルペアと言う記憶操作に必須な、二つの異なる単語の聴覚の記憶を其々思い出して、二つを前後を揃えて並べる際に基準となる時間軸の存在である。私は時間軸を意識上に持てる事が人間の第一の特徴であると思っている。これは人間と言う個体の自己同一性を確立する為にも使われる。時間軸を想定出来る事によって今の自分と少し今の自分が同じものであると認識出来る様になる。これを使って記号が確立されると唯一無二の自分に名前をつける。音声言語の形を構成する価値体系の価値が、どうやって形成されるかであるが、音声を時間軸に沿って切り取る事で、その音声の聴覚で出来た塊は、前後に二極化する事になり、発声の中心部である母音と、母音の周辺に現れる子音と言う大きな二つのカテゴリーが生まれ、ミニマルペアの構図が生まれる。ミニマルペアの基本構図は二つの単語で同じ部分と違う部分が其々にあって、同じ部分が前後のどちらかに来る事で、違う部分がその反対の位置を占める。この操作では、音韻体系を構成する個々の音素の識別は出来ないが、その言語を使う人は、どの音素がどの意味の単語を構成するかは理解している。つまり特定の言語を使う人であれば、シニフィアンとシニフィエと言う二つの価値体系の其々の特定の価値を問題なく認識できている。音声言語の場合、これを聴覚のみを使って視覚的な助けを借りずに実行している訳である。文字を使わずに二つの価値体系をマスターする方法を確立する必要がある。この続きは、また明日以降にしよう。

  2024.02.20

  コメント(0)

• 海鮮ゲーム。。。

  記号の二つの側面、言語の形と意味の関係について考察している。ソシュールは、それを恣意的であるとしたのだが、それらが、其々、独立した価値体系であるとした場合、何が変わるのか考えている。二つの価値体系の特定の座標（価値）が一致する所に特定の記号が成立すると考えられるのだが、問題は、二つの価値体系の特定の座標となると価値（言語の形と意味）が、どの様にして一致するのかと言う事である。我々が記号を、自分の意志で記憶喚起する時、この二つは既にワンセットになっているのだが、二つを結びつけるのは何なのだろうか。他者が発した記号を特定する場合を考えよう。他者が今からする発話の内容は我々には予め知らされていない為、実際の発話の知覚を通して、言語の形を識別し、そこから意味を理解すると言う二段階を踏む。この場合、識別された言語の形に一致する意味は、自動的に喚起される事になるが、どの様なメカニズムが背後にあって起きるのだろうか。ソシュールが言う様に記号のシニフィアンとシニフィエの関係が恣意的であったら、識別された言語の形が、それに一致する言語の意味を呼び出す理由が思いつかない。私が考えたのは、記号の二つの側面は両方とも価値体系であり、特定の座標（価値）はデジタル情報である為、検索が可能だと言う事。海戦ゲームは、記号の二つの側面が一致する為のメカニズムを考える上で非常に参考になる。このゲームが成立するのは、マス目の縦横の数と軸の方向が同じゲーム盤を二人のプレイヤーが共有しているからで、相手の特定のマス目に攻撃をかけて、そこに戦艦があれば沈没する。価値体系の特定の座標である特定の価値の特定は、連鎖する設問に対するイエス／ノーでの判断の過程を経て行われるが、他者の発話を知覚する我々の意識の裏で、記号を構成する二つの価値の特定の操作が行われているとしたらどうだろうか。この場合、先ず言語の形に該当する価値の特定から行われる。ソシュールは「言語には差異しか無い」と言う命題を残したが、これは言語の意味の側面にのみ適用されていて、意味の価値体系を構成していると知られているが、言語の形の側面に関しては、音素による文字表記をそのまま採用してしまった為、言語の形の特定の価値を決定する過程と言う発想は無かった。「言語の線状性」と言う概念があるが、言語（この場合、音声言語に限定）が一次元上に展開すると言うのは、私は正しく無いと考えている。我々が他者の発する音声を聞いて、その形を特定すると言う過程を考えると、一つの音素を特定して、次に続く音素を順番に特定して行くと言うのは考えにくい。音素の弁別は、個々の音素同士との対照によってではなく、最低でも一音節の単語同士を比較しなければいけない事を考えると、同じ一次元の時間軸上であっても、連鎖する音素の特定には、より複雑な、一種の入れ子構造を持つ記憶操作を使っていると私は考えている。この特殊な記憶操作によって、特定の音声言語の音韻体系と言う価値体系の特定の座標に該当する音素の連鎖を特定する事になる。只、この時点で既に言語の意味が音素の特定に参加している。形は似ているが異なる語のリストから文脈に合うものを選ぶ事で音素の特定がなされる場合がそれに該当する。こうして得られた音韻体系と言う価値体系の特定の座標／価値が、それに該当する意味の価値体系の座標／価値が自動的に喚起する事になるが、これら二つの特定の座標／価値がデジタル情報だとしたらどうだろう。また、二つが、海戦ゲームの様に同じゲーム盤を共有していたらどうだろう。只、ゲーム盤があるとしても、それがどの様にして構築されるのかと言う問題が出てくる。記号のシニフィアンとシニフィエが、どの様に一致するのかという問題の考察は、まだまだ続く。途中で、手話の場合、記号の確立過程に意味／概念／文脈が先行する事まで説明出来ればと思ったが、今回はそこまでいけなかったのが残念。私が目指す普遍言語学は、視覚身振りと聴覚発声と言う特定の知覚運動チャンネルへの特化による手話と音声言語の誕生の過程の分析が大きな柱となる。言語の謎を解明するには、手話と音声言語と言う二つのタイプの言語を徹底的に比較して検証する必要がある。この二つの言語を合わせて人間の言語であると定義する事が、言語学者が本来取るべきアプローチであると思う。この二つの言語の存在があって初めて、人類は人間になる事が出来たのだから。

  2024.02.20

  コメント(0)

• 言語学と哲学という二つのアプローチ。。。

  言語と言う対象を研究する上で言語学と哲学と言う二つのアプローチがあるが、私は始めから哲学は好きではなかったし最近は言語学を本格的に拒否し始めた。元々、言語学はパリでの数年間の自由聴講で大まかな事を学んだし、参考となる理論と言ってもソシュールの「言語には差異しか無い」だけだった。一番参考になったのは自分自身の外国語（英語、朝鮮語、仏語、仏手話（LSF））の習得に関する経験だったと思う。小さい頃に抱いた言葉に関する疑問も参考になったが、どちらも私の主観。ここから徹底的に事実に拘る事にした。最初は音声言語の形は聴覚による差異によって確立されると言う事。「音声言語の形は聴覚によって成立する差異によって確立される」が事実であると私に確信させてくれたのは、二つの音素の弁別をするミニマルペアと言う操作と音素の離散性だった。只、音素の離散性に関しては、私の解釈は、後から、従来のものと大きく変わる事になる。私が最初に気が付いたのでは。ミニマルペアが可能になる為には記憶から喚起した二つの単語を時間軸にそって前後を揃えて平行に同時に並べる必要があると言う事。これが可能になる為には過去から未来に一方方向に進む時間軸の存在が不可欠であるが、どうやって成立したのかと言う疑問が湧いて来た。国際音声記号のよる物理的な平面への記述をする場合、方向性を持つ時間軸は水平に左から右に展開するが、聴覚には、一見空間的な平面と言うニ次元の世界は存在しない。でも我々は「蚊」と「木」をきちんと前後を揃えて時間軸に平行に並べる事が出来る。これはどうやって可能になるのだろうか？これは、物理的な時間を知覚を通して認知する事では不可能だと思う。物理的な時間上に展開する物理的な刺激は、一方的に、しかも連続的である。それを認知システムを使って認知的な単位として切り取っても、それは反応行動に帰結してしまうだけで、それを後から記憶喚起する事は出来ない。これは、動物の記憶喚起のメカニズムと人間のそれとが、共有している部分もあるが、根本的に違うメカニズムがあると私が仮定して出した結論である。我々がインターネット検索の様に自分自身の記憶に能動的にアクセスできるのは、人間の特殊な記憶喚起メカニズムのお陰である。それは認知的な記憶の蓄積が創る混沌から離散化して「記号」が誕生したからである。この記号は一般的に受け入れられているソシュールのものとは少し違う。ソシュールの提唱した「言語には差異しか無い」と言う命題が、言語の意味のシニフィエだけでなく、言語の形のシニフィアンにも適用される。言語の記号とは、言語の形と意味が、其々、独立した価値体系を形成し、其々の価値体系の特定の座標／価値が一致する所に確立する、二層の価値体系であると言える。価値体系とは、構成員の互いの差異によって、其々の構成員の価値（自己同一性）が相対的に決まる体系である。私は、国際音声記号表は音声言語の形の特性を正しく反映していないと思う。

  2024.02.20

  コメント(0)

• 私の研究メソッド。。。

  言語に関する私の思考実験は特にメソッドは無い。一種のブレインストーミングを行い、言語に関する事実を列挙しながら、それらを全て満足させられる理論の構築を目指した。そうすると、今まで言語学の常識と言われている事も疑ってかかるようになる。その最大なものが「音素は言語の最小単位」。一度、疑問を抱いたら、後は自分が何故、そう思ったのかをとことん追求する事になる。こういう姿勢は、アカデミズムでは通用しない。基本的に誰かの理論を証明する事を求められるから。そして私が行ったのは、自分の心をモルモットとする事。主観的な研究だが、そこから客観性を引き出す。というか、科学者は客観性に拘り過ぎているのかもしれない。言語の研究に客観的なデータ、所謂コーパスを使うというのでは、生命の研究をするのに死んだ生物の身体を解剖しているのと同じことだと私は思う。主観的な研究から客観性を引き出すには、ゆるぎない事実を積み上げるしかない。私の最初の口癖は音声言語と手話に共通する人間に備わった特殊なメカニズムの解明だった。これを聞いて賛同してくれる人はいなかったし、それ以上、詳しく聞こうとする人もいなかったが、私にとっては、手話と音声言語に共通する何かがあるという確信は変わらなかった。それが今に繋がっている。

  2024.02.17

  コメント(0)

• 言語の謎が解けない原因。。。

  何故、言語を研究しても言語の謎が解けないのか。これは、特に音声言語の研究に該当する。言語というのは、歴史も長く社会的なものであるという事が災いしている。更に、音声言語の起源などはタイムマシンでも発明しない限り分からない。だから、言語の文法を研究するという妥協策が生まれた。もう一つ、最大の障害は、幼少期であれば誰でも言語を自然に習得することが可能だという事。言語学者に文法等のノウハウを教えてもらわなくても、第一言語であれば誰でも使えるとという事実。また、我々は言語を相互コミュニケーションの道具として使っているという定義もネックになっている。私は、言語というものが存在していると考える発想自体が問題だと考えている。言語は、それを話す人たちがいて初めて成立する。日本語は、日本に住む人たちが話してきて今に至るが、言語とそれを話す人たちの関係が断絶している。この断絶を推進したのが、ソシュールのラングへの特化。ソシュールは、一般言語学講義の中で、ラング／パロールという二元論を提唱し、言語学の研究対象は、個人的な発話であるパロールではなく、社会的に通用しているラングだという事にしたが、もう一つ、総合的な言語能力として提唱したランガージュに関しては手つかずである。またソシュールは、通時態と共時態という新しい区分を提唱し、言語学は、特定の言語の歴史的な変遷ではなく、特定の言語のある時点の状態を研究するべきとしたが、これは結局、言語の研究を文法の研究に特化するという流れを逆に作ってしまった。これらは、ソシュールを筆頭に言語学者達が音声言語の音素の扱いをないがしろにした事が起因している。「音素は言語の最小単位である」という定義こそが、言語学を袋小路に押しやって学者達を言語の謎の解明から遠ざけている。これは音素を文字を使って物理的な平面上に記述する事に原因がある。言語を文字を使って物理的な平面上に静的かつ視覚的なコントラストを使って記述する場合、平面という二次元の空間に持続的に表現することに関して誰も異議を申し立てる人がいない。言語というのは、手話であり、音声言語であり、一度発せられたら直ぐに消えてなくなってしまう儚い存在である。我々は、発話を理解する際、先ず個々の部分の形と意味を識別し、更にそれらを順番に連鎖させながら、一つの大きな意味を構築している。どうやって行っているかと言うと、無意識の記憶操作である。先ず形の識別にも記憶操作が大きく関与している。我々は音素を一つ一つ順番に認識してはいない。必ず、何らかの塊を前後に二極化して分節する事で、パターンを創り出し、そのパターンに当てはまる単語が想起される事になる。そのパターンの最たるものが、子音と母音という音素の二大カテゴリーである。音声の塊が、聴覚によって前後に二極化する事がなければ、子音と母音が分節する事はない。ここで一番重要なのは、音声言語の場合、聴覚と聴覚で捉えたものの記憶を操作する事によって音声という塊に二極化を起こしているという事である。ところが、音素を文字で物理的な平面に記述する方法では、本来なら聴覚記憶で確立される時間軸が、初めから二次元の空間軸によって与えられてしまう。しかも我々は、こういう複雑な記憶操作を、全て無意識にやっているのである。私が最初に記憶喚起に注目したのは、音韻体系が記号を思い出す上でのインデックスの役割を果たしていると考えた事が切っ掛けである。人間の記憶喚起は、特殊なのではと仮定して研究を始めた。ただ問題は、人間の言語活動で行われる特殊な記憶喚起があるとして、言語を使わない動物たちの記憶喚起を先に解明する必要があった。人間が動物から進化して言語を使えるようになったのであれば、元となった動物の記憶喚起メカニズムを先ず定義する必要があると考えたからである。結論から言うと、動物の記憶喚起は、外界の物理的刺激の知覚によって自動的に行われるという事。ただ、自動的に記憶喚起されたものが、知覚刺激への反応行動を決める判断材料にならないと個体に判断された場合、そこから更に別の記憶が自動的に喚起されるという連想という現象が起きる事になる。つまり、動物は学習をしているのである。どういうメカニズムで動物の過去の経験の記憶が自動的に喚起されるのかという点であるが、生命が持続可能な物質的な自己同一性を確立した際に、物質同士に働いている重力が、進化して自己意志となり、それが外界の物理的刺激を内在化、つまり記憶するという事が出発点で認知メカニズムが生まれた。ここら辺からは、私の思考実験が全てで、何の根拠もないのだが、そう考えると全てがうまく説明できると思うので、今後もずっと続けて行こうと思う。どちらにしろ、今の言語学に未来は無いので、自分の道を行くだけである。

  2024.02.17

  コメント(0)

• キリスト教と科学という西洋の二元論。。。

  IMBeggar：Do God and science contradict each other?西洋ではキリスト教か科学かという二元論の議論があるが、私の持っている日本的な感覚とは相いれない。西洋の神には人格があるが、日本の神々は特にそうでもないと私は感じる。かなり前の時期から記憶が主体であると私は考えてきたが、こういう発想は日本的かもしれない。私は、意識の進化と記憶の進化を表裏一体のものと考えている。二つは完全に重なっているという訳ではないと思うが、意識自体も、その進化も、我々には見ることはできないが、記憶という形なら我々は観察する事ができるという違いはある。人間の自己意識は、意識が進化して誕生したものである。

  2024.02.17

  コメント(0)

• アナログな自己同一性とは。。。

  最近、アナログな自己同一性がどうやって成立するのか考えている。いや、アナログな構造の中に、実はデジタルな構造が隠れているのかもしれない。認知的な記憶はアナログであるが、そこに知覚から反応行動に移行するという時間軸が存在している。これ自体は、デジタル（離散的）であると言える。この宇宙は、三段階の混沌からの離散化という過程を経て、現在まで進化しているが、この場合の離散化というのは、互いに「違うけど同じ／同じだけど違う」という一種、矛盾した関係にあるものの誕生を指す。離散化が成立する際、二極化による時間と空間の成立が伴う。離散化した世界には、互いの差異によって成立している価値しか存在しない。離散化して生まれた世界全体を一つの価値体系と定義すると、其々の構成員は、その価値体系の特定の座標という事になる。実は、そこには単位は存在しない。我々が単位を見るのは、人間の主観的な視点の為せる業である。人間の視点が、何故「単位」を生むのかであるが、それは人間が、自分自身と対等な存在を「言語の記号」という枠を使って概念化する事にある。人間は、ヒトという種の動物の個体が、自らの認知的記憶を離散化させる事によって、個体の人格となる自己同一性を確立したことによって誕生した。認知的記憶の離散化であるが、先ずは認知的記憶が蓄積して混沌を作る過程の説明が必要。認知的記憶の原動力は、地球の重力に逆らって自らを動かす事のできる自己意志であり、これが後に人間が持つ事になる自由意志を形成する胚となるものであり、同時に知覚という自己意志のトリガーが生まれた。認知における常識は、知覚が先にあって反応行動を誘発するというものであるが、私は真逆であると考える。物質的な自己同一性が進化して生物的な自己同一性を確立する過程で、元々物質が持っている重力が、その過程で進化して、生命が主体となって反応行動を可能にする自己意志が誕生したと考える。自己意志というのは、物質的な自己同一性が進化して、それまでは場当たり的に変化していたが、物質的に持続可能な自己同一性が確立されて生命が誕生した際に、生命として活動可能な自己同一性を誕生させる為に「自分を知りたいと思う意識」が生んだ物質間に働く重力が、更に進化して生まれた。ただ、生命という自己同一性の枠内では自己意志の発動に条件が付く。しかし、この段階では、まだ自由意志は発動していない。何故なら、生命の持つ自己意志が自由になるための、次の次元の自己同一性がまだ確立されていないから。それは、言語を操る事の出来る人間の登場を待つことになる。生命体が、生命的な自己と他者という境界線を引くための知覚という外界の物理的刺激を生命の体内に遺伝的に内在化するメカニズムがここで登場する事になる。これに関しては、私としても今後、更なる考察を必用とすると考えているのだが、ダーウィンの進化論に一石を投じる事になると考えている。私は、生命の認知の原動力である自己意志が働く為の知覚の登場は、種の進化の第一歩であると考えている。混沌の中で「自分を知りたいと思った意識」がビッグバンを発動し、物理的な時空間と化学的な時空間が二層になった宇宙を生み出した。化学的な時空間というのは、物質世界である。物理的な時空間という場の中で、化学的な時空間である物質が展開する世界が宇宙であるが、この物質という存在こそ「混沌から離散化して生まれた自己同一性」なのである。皆さんは、同じ属性、つまり同じ自己同一性を持った元素が、この宇宙いっぱいに存在する理由を考えた事があるだろうか。同じ属性を持つ元素の個体としての原子は、「同じだけど違う／違うけど同じ」という互いに離散的な関係を持っている。物理学では、同じ元素の原子同士の違いというのは無視され、全て同じ元素の原子という単位であると見なされるが、これこそが現代物理学の最大の過ちであるとしたらどうだろう。宇宙が非常に大きな存在だとして、宇宙の端ともう一方の端で、同じ元素の原子が存在するという事の意味を考えてみよう。同じ元素の二つの原子は、互いに会おうと思ったら、何億光年もかかる距離を隔たて存在しているのだが、どうしてこれらの二つの原子が同じであると言えるのだろうか。それは、それらの同じ元素の二つの原子が離散的な関係にあるから。元素というのは大まかに電荷によって自己同一性を維持している。例えば水素の電荷は１であり、それは宇宙の何処に行っても１である事に変わりはない。でも、電荷が１である事が、原子の自己同一性の確立に繋がるのだろうか。電荷が１であるという事は、同じ元素に対しては「同じと判断できる条件」であり、他の元素に対しては「異なると判断できる条件」となる。このように自己と他者との違いを価値として評価できる関係にあるものを私は離散的な関係であると定義する。これによって同じ元素だが違う原子が存在できる。同じ元素だが、互いに違う原子であるというのは、音声言語の音韻体系の音素にも適用可能である。一つの音韻体系では、其々に特定の自己同一性を持った音素が存在するが、それは実際の発話の中では、特定の記号のシニフィアンを構成する要素として存在する。つまり、原子と同じ形で存在する。

  2024.02.17

  コメント(0)

• 無意識の考察。。。

  私は身長が高いせいもあり、書店などで屈んだだまま立ち上がると立ち眩みをよく起こす。そのとき、私がする反射行動は、両手で何かにしがみつく事である。目の前の視界から光がふっと消えて行く時、両足を踏ん張り、両手で何かにしがみつく私の全身の触覚が、私の意識の最後の抵抗になる。視界が奪われるとき、多分、聴覚も一緒に狭まると思うのだが、大体、数秒で元の意識に戻るので、そこまであまり考えた事はない。目の前の視野が真っ暗になっていく中で、少しずつ薄くなっていく自分の五体の触覚だけが、自分が今、この世界に存在しているという実感を与えてくれる。その時、自分に残っている感覚は、地面についている両足と何かにしがみついている両手、そして立っている自分の全身の姿勢を感じる触覚だけ。目が見えない人に「上を見てください」というと両手を挙げるというのを何かの本で見た事がある。私にとっての目が、両手にとって代わっているのである。暗闇の中で生活をすることを余儀なくされたら、上を見たいと思った時、きっと私も手を挙げる事になるだろう。私の触覚的な記憶が、光のあった世界での視覚的な記憶に置き換わり、自分の周りの世界を認識する事になる。さっき自分が触ったものが、今、無かったら、私は不安になるだろうと思う。何故、こんな考察をしているのかというと、宇宙が生まれるベースとなった混沌という状態を想像しようとしているからである。自分がいることは何らかの理由で知っていはいるが、自分と対峙する他者が存在しないとき、自分が本当に存在していると感じることはできるのだろうか。最近、私は混沌というのはアナログ（相似的）なもの同士が蓄積することで生じるという結論に達した。そして、宇宙を生んだビッグバンのベースとなった混沌は、我々、人間の無数の意識が集まってできているのではという仮説を立てた。その場合の、我々は生きてはいないかもしれない。私は以前から、自分の言語理論は最終的にオカルトやスピリチュアルな世界との親和性があるとは分かってわいた。この宇宙の存在が全て、自分を知りたいという意識の進化の軌跡である記憶という媒体によって支えられているとすると、我々が死んでも、我々の自己意識は記憶として残る事になる。宇宙の中での自分の意識という存在が、自分という意識を保ちながらも、宇宙全体と調和しているというような表現をよく聞く。シリコンチップの発明者であるイタリア人科学者、フェデリコ・ファジン氏のスピリチュアルな体験にも同様な事が書かれていたと思う。ビッグバンの前の世界には何があったという事をよく聞かれるが、そこに私自身の意識があるとしたら、どうだろう。生きているか死んでいるかは構わないが、自分の意識が宇宙を生む混沌というスープの一部になれるとしたら、きっと世界観が変わると思う。

  2024.02.17

  コメント(0)

• la linguistique universelle（普遍言語学）。。。

  ソシュールは「la linguistique générale（一般言語学）」を提唱した。私が提唱するのは「la linguistique universelle（普遍言語学）」になるが、「言語の普遍的な特性」を列挙する学問ではなく、特定の知覚運動チャンネルに特化する事で、二つのタイプの言語が確立される過程を研究する学問である。ここで一つ問題になるのは、特定の知覚運動チャンネルに特化するのは、一体何であるかであり、この「何か」の定義から私は出発する事になる。私は、これを「記号」とするが、一般的に知られている「ソシュールの記号」の定義とは半分違っている。何故「半分」なのかと言うのを説明したいと思う。ソシュール自身が提唱した「言語には差異しか無い」という命題を、ソシュールの記号の二つの側面であるシニフィアンとシニフィエに、どのように適用するかによる。ソシュールの場合、言語の意味に該当するシニフィエにだけ適用していたが、私は、言語の形に該当するシニフィアンにも適用する。ソシュールは記号の半分の側面、私は両方の側面に適用する事によって生じる違いは非常に大きい。先ず、記号の恣意性の定義が変わる。ソシュールの記号の場合、言語の形と意味の結びつけには関係が無いという解釈になるが、私の再解釈する記号では、記号の恣意性の意味合いが変わってくる。それは、記号のシニフィアンとシニフィエの両方に「言語には差異しか無い」という命題を適用する事で、記号の二つの側面が、其々の構成員の互いの差異によってのみ成立する価値体系という事になり、其々二つの価値体系の特定の座標／価値が一致する所に、特定の記号が成立するという事になる。シニフィアンとシニフィエが其々独立した価値体系であれば、其々の価値体系の特定の座標／価値は互いに独立した関係にあり、互いの座標／価値が結びつく為の関係は恣意的であるという事が可能になる。こう考えると、記号の恣意性という用語自体は成立するが、その解釈が全く変わってくるのである。ただ、私はソシュールの恣意性という用語は長年に渡って曲解されてきたので、新しく「記号の離散性「を提案する。これは、記号と言うのが、我々が生きていく上で蓄積される認知的な記憶が醸し出す混沌から、離散化という過程を経て、記号が誕生したことを受けて私が作った造語である。

  2024.02.17

  コメント(0)

• 音素の弁別と識別の違い。。。

  私が、言語的な時空間の存在を提唱する大きな根拠が、音声言語の音韻体系を構成する音素を弁別する為の操作であるミニマルペアである。只、音素の弁別と識別は大きく違う。ミニマルペアで行われる音素の弁別は、二種類の違う音素の存在を明確に示す操作であるが、具体的な音素の識別には至らない。ミニマルペアは、同じ言語の二つの違う単語の聴覚記憶を意識上に喚起し、それを時間軸に沿って前後を揃えて並べるというのが基本操作である。二つの単語の前後を決めるの基準が「同じ部分／違う部分」あるいは「違う部分／同じ部分」で、日本語の場合、前者は「蚊／木」で後者は「蚊／田」になる。実は、この段階では、「蚊（ka）／木（ki）」「蚊（ka）／田（ta）」という文字での表記はできない。その理由は、聴覚記憶の前後への二極化によって「同じ部分／違う部分」や「違う部分／同じ部分」という区分ができるが、具体的にどの音素に該当するかは、この操作では確定できないから。ミニマルペアという操作では二種類の異なる音素の存在が明らかになるだけで具体的な音素のアイデンティティー迄は確定できないが、其々の音素を識別できる様にする為に国際音声記号表が登場する。先ず音素を子音と母音という二つの大きなカテゴリーに分類し、次に其々の表に該当する記号を探す。実は、この「国際音声記号表から、弁別した音素に該当する文字を探す」という操作が大問題なのである。この記号を割り当てる作業の主とした目的は、特定の音声言語を文字を使って物理的な平面上に静的に記述する事で、これにより、その言語を研究対象として他の研究者と共有する事が可能になる。これが可能になるのは、音声言語が全て人間が共通して持っている発声器官を使って、言語の形が音声として発話されているのが第一の理由で、次に、発声器官の生理学的な制約により、音素の種類には大きな傾向が観察され、その数も言語毎に、一定数に制限されているという事実があるからである。二つの音素の弁別と個々の音素の識別には決定的な違い。二つの音素の弁別は、二つの単語の聴覚記憶を喚起し意識上に時間軸に沿って並べるという操作であるが、個々の音素の識別は、発声器官という生理学上の制約を使って音素を一つの型に嵌め込み、更に物理的且つ視覚的な媒体で置き換えている。二つの音素の弁別は完全に聴覚記憶の喚起だけで行われるが、個々の音素の識別をするために、聴覚以外の記憶媒体、つまり物理的な平面に視覚的且つ静的なコントラストを使って時間軸上に並べるという操作を行っている。この操作は、本来聴覚だけで成立する筈の音声言語の本質を歪めているのは確実。私が、ミニマルペアに拘るのは、これこそが聴覚発声チャンネルに特化して生まれた音声言語の本質を維持している言語学的な操作であると考えている為である。そして、全く同じではないが、視覚身振りチャンネルに特化した手話の場合も、音声言語のミニマルペアに準じる事が観察される。私が未完の博士論文で挑戦したのは、日本語の仮名表記と仏手話（LSF）の標準サインの表記の比較。手話サインの表記方法は世界中でほぼ一定。時間軸上に流れるシーケンス上で手話サインの前後を区切る静止画を二枚重ねて、両手の移動の軌跡を二本の矢印で表現し、更に重ねるというものである。私の考えでは、ここには音声言語のミニマルペアと同じ構造が見受けられる。ミニマルペアの場合、意識上に時間軸があって、その上に前後を揃えて二つの単語を並べるのだが、手話サインの場合、前後を区切り、内部の両手の移動の軌跡を二本の矢印で表現する事で、切り取られた時間軸が浮かびあがる。言語的な時間軸というのは、ミニマルペアと手話サインの成立に必須な時間軸が中心となり、音声言語では子音と母音、更にそれらのバリエーションが、そして手話の場合、手話をする人の生物学的に分節された身体が、時間軸の周辺に空間軸として展開して、其々のタイプの言語の形が確立するのである。では、言語の形を確立する為のベースとなる言語的な時空間がどうやって成立するかというと、直接な知覚である現在の認知的な記憶と、過去の経験の認知的な記憶の両方が、互いに記憶喚起をするという循環サイクルが確立されたときに誕生する。それは、我々に自己意識の誕生でもある。

  2024.02.17

  コメント(0)

• 動物の記憶喚起と人間の記憶喚起。。。

  フランスに言語の研究をするために来て、早や30年が経とうとしているが、私の言語の研究の一つの原点は、手話の存在である。人間が視覚に特化して言語を発明する事ができるという事実は、知覚運動チャンネルに左右されない人間に共通した言語を可能にするメカニズムがあると私に確信させてくれた。只、私は人間の言語に関して「能力」という表現はずっと避けてきた。これは、人間の知能が高いから言語を使えるのではなく、人間に備わっている特殊なメカニズムに起因していると考えた。私が辿り着いた結論は、動物と人間の記憶喚起メカニズムは、決定的に異なっているという事である。現在の認知科学では、動物と人間の記憶喚起メカニズムの違いは全く考慮されていない。理由としては、既に言語を獲得して人間になった我々の記憶喚起メカニズムを動物に投影して考えているからである。そして、記憶喚起の違いは、動物と人間の間の知能の高さの違いという事になっている。この為、現在、我々の社会で、非常に奇妙な現象が起きている。それは、所謂「人工知能」と呼ばれる機械学習プログラムの登場であり、あまりの処理効率の高さから、人間の知能を超えて、いつかは「言語を使える汎用人工知能」るのではないかという懸念、或いは期待さえ出てきている。先ず「人工知能」という用語が大きな誤解を招いている。何故なら、それは非常に高効率な機械学習であって、人間の言語のメカニズムを再現している訳ではないからである。これは、脳内で起きている電気的な刺激のやり取りが、コンピュータのデジタル情報のやり取りと見なされている事から起きる。具体的に動物と人間の記憶喚起メカニズムの違いであるが、実は認知システムという観点では両者とも同じである。外界の知覚刺激に対して、それと相似した個体の経験の記憶が自動的に喚起される。人間の場合、この上に全く新しいメカニズムが生まれ、デジタルな記憶喚起が可能になる。動物に共通する認知システムでは、アナログな記憶喚起によって知覚刺激に対する反応行動が発動するが、人間の場合、アナログ的な認知的な記憶を離散化して、インターネットブラウザで検索するように、デジタル的に記憶喚起をするメカニズムが生まれ、二つの記憶喚起メカニズムが同居する形になる。一旦、言語を習得し、一人称の主観的な視点を手に入れてしまうと、この視点から脱する事は非常に難しく、しかも、動物の認知システムを理解しようとする時、この人間の視点を動物に直接投影してしまう事になる。そして、動物は人間より知能が劣るから言語を話せないという結論が導き出される。

  2024.02.17

  コメント(0)

• 言語学のアップグレード。。。

  言語学は、ソシュールの没後に弟子たちによって著された「ソシュールの一般言語学講義」によって近代化するきっかけを得たが、ソシュールの言語理論が完成していなかった為、残念ながら、誤解、或いは曲解されて世界中に伝わってしまった。言語学という学問には、根本的なアップデートが必要である。いや、多分、本当に必要なのはアップグレードなのかもしれない。

  2024.02.16

  コメント(0)

• 言語学と量子力学。。。

  Closer to Truth：Sean Carroll - What are Observers?量子力学で議論される観察者効果を解決する糸口は、言語の謎を解くことにある。何故なら、我々人間が観察者となって科学的な記述をする際に、必ず言語を通すからである。別の言い方をすれば、科学的研究の対象は、人間という観察者の視点によって作られるのである。ところが現在、言語学は量子力学とは全く縁の無い文法学という袋小路に入り込んでしまっている。その先導の役割を果たしたのが生成文法を掲げて現れたチョムスキー。言語の謎の解明に、本来なら一番近い場所にいるべき言語学者達が、結果的に謎の解明を自ら放棄する形になってしまったのである。一番、厄介な事は、言語学者達が自分達が落ちてしまった罠に気が付いていない事である。日本語の諺で言い換えるのであれば、完全な「井の中の蛙」状態。チョムスキーの「言語を科学する」という耳障りの良い言葉に幻想を見た事で、言語の謎を解明する本来の道から完全に逸れてしまったのだ。しかし本当の問題は、実はチョムスキー登場以前から存在していた言語の認識に関する問題だった。それは「音素は言語の最小単位である」という定義。言語学の対象を音声言語に限定している点も大きな問題であるが、音素を単位とする事で音声言語の形の確立のメカニズムへの関心がゼロになった。「ソシュールの一般言語学講義」も実はこれに拍車をかけた。ソシュールは「言語には差異しか無い」という命題を残しているが、この本人が執筆していない本の中では、この命題が記号の意味の側面であるシニフィエだけに適用され、言語の形の側面であるシニフィアンには適用されなかったのである。言語を文字を使って記述する事は、西洋の言語学の伝統であったし、書記言語を持たない言語を言語としては認めないという雰囲気もあっただろうと思う。そういう言語を国際音声記号を使って書き写し、言語学的な記述をする事は、言語学の対象を大きく広げる事になった。それは手話も例外ではない。音の無い言語である手話にも「手話の音韻論」という概念が導入され、手話の形を構成する要素（手の形や向き、顔の表情や視線、手や腕の動き等）を其々取り出して、文字や図像を使っての平面への書き写しが可能になると、手話も言語学の研究対象として認められる事になったという歴史的経緯もある。「音素は言語の最小単位である」という認識は、言語学の特に最近の歴史の中で、言語学の対象を拡げるという一種の民主化の役割を果たしてきたが、現在、これが完全にネックになっている。これは、絶対的な時空間を大前提とするニュートンの古典力学になぞらえて説明する事ができる。ニュートンの古典力学では物質を原子や分子という単位で捉え、それらの運動を物理的な法則として記述するが、絶対的な時空間の存在が大前提となっている。私は、言語が確立する為には言語的な時空間が存在すると考えるが、音素を単位とする認識は、この時空間の存在を前提にしていると考える。この説明が非常にややこしいのだが、一般的に言語は、主体としての人間の持つ文法知識によって成立していると考えられている為、音素や単語というのは、人間の意識上に存在していて、それを我々が操作しているという事になっている。そこには、言語的な時空間という発想はない。私は、この言語的な時空間というもの、特定の知覚運動チャンネル、つまり聴覚発声か視覚身振りチャンネルに特化する事により、其々の知覚の特徴を反映した言語の形の特徴が現れると考えているが、音素を言語の単位と定義してしまうと、この二つのタイプの言語への分化の過程が無視されてしまう。私はこの「言語的な時空間が特定の知覚運動チャンネルに特化して音声言語と手話に分化する過程」が物理学で例えると最近非常に注目されている量子力学に該当すると考えている。百歩譲って音素が言語の単位だとしても、音素という単位がどうやってできているのかを解明する必要があると考えている。この「音声言語と手話という特定の知覚運動チャンネルに特化して生まれた二種類の言語のタイプに共通する言語的な時空間」の成立過程を解明する切っ掛けになるのが、記号のシニフィアンにも「言語には差異しか無い」というソシュール自身が提案した命題を適用する事でソシュールの記号を完成する事。非常に回りくどい説明になっていると思うが、言語という対象を捉えるのに、全く新しいアプローチがある事を理解してもらいたい一心で投稿している。「音素は言語の最小単位」という言語学の常識を覆すには、まだまだ困難が伴うと思うが、もう少し頑張ろうと思う。

  2024.02.16

  コメント(0)

• 循環する私の異世界。。。

  私の現在のブログのタイトルは「言語学を超えて」だが、数年前までは「言語学の嘘」だった。自分が研究しているものが言語学には収まらないという事を自覚したのと、そういうアドバイスをもらったからだった。それが最近、更に顕著になっていて、自分がどんどん異次元に入っていくのが分かる。幾つか挙げてみる。１．音素は言語の最小単位ではない。２．言語はコミュニケーションの道具というのは、言語の二次的な機能である。３．記号の恣意性よりは、記号の離散性。４．記号と言うのは、二層の価値体系であり、其々の価値体系の特定の座標が一致する所に特定の記号が成立する。以下、追加。５．記号というのは離散化した認知的な記憶であり、この離散性が記憶喚起する際にインデックスの役割を果たし、自分の意志で記憶を喚起する事が可能になり、これにより我々は言語を使う事ができるようになる。６．記号が特定の知覚運動チャンネルに特化すると音声言語と手話になる。更に、追加。６．動物の認知システムにおける記憶喚起は、現在の記憶（外界の知覚）と相似した記憶が自動的に検知されて喚起され、それが反応運動として帰結する。７．言語を操る人間を生んだ「離散分裂（再）融合更新循環サイクル」は、宇宙（ビッグバン）を生んだ動的メカニズムでもある。もっと、追加。８．「自分を知りたいと思う意識」が宇宙を誕生させ進化を始めたが、進化の軌跡を記録するのが記憶である。９。意識の進化は記憶という自己同一性の進化という形で進行し、物質的＞生物的＞認知的自己同一性を経て人間の自己意識に至る。１０．我々は記憶を観察しか観察できない。ランダムに挙げるとこんな感じになるが、細かい事を挙げたら、もっと多いと思う。これを、一つのストーリーとして語りたいと思っているのだが、どこから手を付けていいのか分からない。それに、言語学を真っ向から否定してかかっているので、言語学者のサポートは望めそうにない。どこから手を付けていいか分からないというのは、全てが循環しているから。今は「自分を知りたいと思う意識の目覚め」を出発点にしているが、それに至るまでの混沌の蓄積を説明する必要もある。今、考えているのは、我々の無数の自己意識が蓄積して混沌を創り出すという事である。

  2024.02.15

  コメント(0)

• 言語学のメソッドの根本的な問題。。。

  言語学は現在、音声言語の音素を、国際音声記号を使って物理的な平面上に視覚的なコントラストを使って記述したものを主な研究の対象としている。手話の研究も世界中で行われているが、音声言語と記述方法も異なり、二つのタイプの言語の間に共通する研究メソッドは使われていない。この研究メソッドの一番の問題点は、音声言語にしろ手話にしろ、既に確立した言語を研究対象としているところで、それを記述することで研究対象を獲得している。言語が生まれた時点まで遡って研究する事はできないのだから、仕方ないと言う人がいるだろうが、それは間違っていると私は考える。「言語には差異しか無い」というソシュールの命題を、記号のシニフィアン、つまり言語の形に適用する事で、特定の知覚運動チャンネルに特化して生まれた二つのタイプの言語（音声言語と手話）の言語の形の、混沌からの離散化による確立過程を研究する事が可能になる。

  2024.02.15

  コメント(0)

• 記憶の定義。。。

  私の考えている「記憶」というのは、一般的なものと違う。私の考える記憶というのは、自己同一性を維持しながら進化する存在である。ここら辺を、うまく説明できるようになればと思う。

  2024.02.15

  コメント(0)

• 言語学はオワコンである。。。

  ソシュールの記号の定義は、半分だけあっていて、半分間違っている。それは、ソシュール自身が、自分で見つけた「言語には差異しか無い」と言う命題を、記号のシニフィエだけに適用した事が原因である。記号のシニフィアンも同様に互いの差異によって成立している価値体系であると言う理解が必要。記号のシニフィアンとシニフィエが、どちらも差異によって成立している価値体系であると言う事は、互いに独立して特定の価値を決める事が可能だと言う事である。これで、手話が意味（シニフィエ）先行型の言語であると言う説明がつく。記号の恣意性には、大きな問題があると言う事になる。しかし、記号の二つの側面がどちらも独立した価値体系であって、其々の価値体系の特定の座標（或いは価値）同士が一致する所に、特定の記号が成立すると考えると、シニフィアンとシニフィエの関係は恣意的であると言う事も出来る。これは、私の記号の恣意性の一つの解釈である。只、これでは少し強引な気もするので私は記号の恣意性の代わりに記号の離散性を提唱する。これは記号と言うものが、認知システム上に離散的な言語的時空間が生まれた事で成立し、特定の知覚運動チャンネルの特化する事で手話と音声言語と言う二つのタイプの言語に分化する事になる事が根拠である。私の考える記号と言うのは、元々、時空間の無い状態に、物理化学的な時空間を持つ宇宙が生まれた時の様に、生物認知的な時空間に重なる形で、新しい宇宙、つまり言語人間的な時空間が生まれたと言う事である。ここで、人間的な時空間と言うのは、我々の人格を形成する意味を支える時空間である。言語と認知は切り離して考える必要がある。我々は、認知的な知能が他の動物と比べて高度に発達したから言語を使える様になったのではない。我々は、知覚的なクオリアと言う認知的な知能の発動の為の待ち受け状態をベースにして、全く新しい言語人間的な時空間と言う小宇宙を獲得した事による。これが、正しい例になるかは分からないが、チェスと将棋を使って説明してみようと思う。動物の認知レベルでは、それぞれの駒の原型と言えるもの（重要性や動き）を個体ごとに経験で知ってはいるが、それを使ってゲームをする事は出来ない。何故なら、ゲームの世界観を作る盤が無いからである。先程の駒の重要性や動きの理解は、動物の認知レベルだと個体別にまちまちである。個体毎の経験は、個体の持つ「快／不快」と言う物差しがパラメータになっており、外観からの知覚刺激に対して、相似した経験の記憶が自動的に喚起され、どう言う反応運動をするかの判断材料を提供するだけである。これが知能と言う認知システムの発動の瞬間であるが、我々はこれを見て動物も「人間が考える様な意味のある行動」を取っていると誤解する。動物の認知システムは反応行動によって帰結し、それが引き起こす結果の知覚的なフィードバックが新たな認知的な記憶として記録され蓄積される事で循環する。人間が獲得した意味と言うのは、知能の発動エンジンである認知システムとは完全に独立している。先程のチェスと将棋の例を使うと、我々は、認知システムの待ち受け状態の上に、縦横のマス目の数の決まったゲーム盤とそれによって種類と数が規定される駒の其々の重要性と動きを獲得したのである。ここで重要なのは、ゲームのルールを複数の異なる人間が共有できると言う事である。音声言語の場合、言語が変われば、音韻体系や文法が変わる様に、ゲームのルールが変わるが、互いに十分に意思の疎通が可能な似たルールを共有していると思われる人の集団は、同じ言語を話すと主観的にみなされる。この「ゲームのルールの共有」は、第一段階でゲーム盤が出来た事によって可能になる。次に、そこに置く駒の種類と数と其々の動き、ゲーム開始時の配列、更に勝敗を決める駒の重要性等が決定される。言語人間的な時空間と言うのは、言語の共通のルール、音韻体系や文法を構築する為に必須である。言語が変わると音韻体系や文法が変わると言うのは、元々は同じ起源を持つと言われるチェスと将棋の違いと比較する事ができる。どちらも勝敗を決めるゲームであると言う事は共通しているが、それは、人間の言語がどれも集団の中での意思の疎通に使われると言う事になぞらえる事が出来る。チェスや将棋と言うゲームが成立するのは、共通のゲーム盤がある事が第一条件であるが、各駒の「人格」を定義する事によって可能になる。つまりゲームが展開する為の場と、そこに展開する格駒の人格と言う自己同一性が確立される必要があり、これによって初めてルールの共有が可能になるのである。ゲームでも言語であっても展開する場と構成員の自己同一性が確立される事が全ての基本。我々の人格と言う自己同一性を支えているのは我々の一貫した記憶であるが、動物には生物学的に形態と行動が定義される自己同一性と高等生物の場合、その上に形成される個体の経験によって自己同一性が決まる。この動物の自己同一性は、他の個体と共有できる範囲が非常に狭い。種によって同じ形質を持つ身体と本能があり同じ物理的な環境で生活する事により、個体の自己同一性はある程度相似的な関係性を持つが、人間の様に同じルールを共有出来る為の言語人間的時空間を持ってはいないので言語は持てない。話をチェスと将棋に戻そう。音声言語の場合、様々な言語が生まれるのは、チェスと将棋が、同じ起源をもちながら、其々、違う形で現代に同時に存在する様なものである。私が言語学を見て滑稽だと思うのは、盤や駒の違いがどうやって生まれるかに注目せずに、駒の動きだけを研究している点である。これは、言わば小宇宙の誕生である言語人間的な時空間の存在を言語学者達が知らないからである。そして駒の動き（この場合、単語の語順）は、その言語を使っている認知主体である人間の知識がベースにあると考えている。その知識が遺伝的であると考えたのがチョムスキーの普遍文法の発想である。私がチョムスキーの生成文法をニュートンの古典力学に例えるのは、ニュートンが絶対的な時空間を前提としたように、私が提唱する言語人間的な時空間の存在を、彼は全く意識していないのに、大前提としているからである。ニュートンの古典力学は我々の実生活に役に立つが、生成文法が無くても誰も言語を使える。だから、チョムスキーの生成文法の規則をいかに洗練させてみたところで、全く意味がないのである。しかし、生成文法が垣間見せるニュートンの古典力学の様な数学的な美しさに魅了されてしまった言語学者達は、言語学という学問の歴史的な流れの中の袋小路に入ってしまったと言える。それは多分、高等な類人猿と人間との差くらいある。チンパンジーやボノボを研究する事は、我々に人間に関する深い洞察を与えてくれるが、言語そのものを研究する事にはならない。生成文法学者達の研究は、学問の初期設定の段階で、大きな間違いを犯しているのである。それは、音声言語の音韻体系を、チェスや将棋のゲーム盤の様に、所与のものであり、しかも其々の言語に共通していると誤解した事にある。チェス盤と将棋盤は縦横のマス目の数が違う。音韻体系も其々の言語で違う事は分かっているが、この違いが生じるメカニズムには全く注目していないのである。究極を言うと、チョムスキー流に音声言語同士を比較するというのは、チェスと将棋の盤や駒の違いを無視して、駒の動きだけに注目して、チェスと将棋に共通する規則を研究しようとしていると言えるのである。これはチェスと将棋のように似たゲーム盤を使っている場合は、成立するように見えるが、音声言語と手話の様に、全く違うゲーム盤を基にしている言語同士を比較することには使えないのであるが、言語学の唯一の研究対象は音声言語であるという暗黙の了解が言語学者の間で確立されている為、この都合の悪い事実は注目されないという悪循環が生じる。言語学は既にオワコンなのである。

  2024.02.15

  コメント(0)

• 不完全なソシュールの記号。。。

  ソシュールの記号は不完全である。それは「言語には差異しか無い」という命題が、言語に意味の側面であるシニフィエにしか適用されていないから。言語の形の側面であるシニフィアンも差異で出来ているとする事で、記号は「二層を成す価値体系」と定義できる。記号とは「進化する記憶」である。

  2024.02.14

  コメント(0)

• 動物の記憶喚起はアナログ、人間の記憶喚起は、アナログ＋デジタル。。。

  Closer To Truth：Colin Blakemore - Language and Consciousness言語学の抱える問題には様々なものがあるが、その一つが、言語はコミュニケーションの道具であるという命題である。コミュニケーションをするには、互いに同じ形と同じ意味を認識する必要があるのだが、言語の持つ自己同一性が問題にならないのか私には本当に不思議である。一つの盲点は、動物も人間も両方とも、自己の過去の経験の記憶を「自分の意志で喚起」していると考えられている事だが、私は、これができるのは離散的に分節された言語を使える人間だけであると考えている。言語を通してインデックス化した記号であれば、一瞬で記憶喚起が可能になる。私が考えるに、動物の記憶喚起はアナログであり。人間の記憶喚起はデジタルである。動物の場合、現在の外界の知覚、直ぐに記憶されるので現在の記憶とも言えるのだが、これが過去の経験の記憶と相似したもの、つまりアナログであるものが、個体の意志とは無関係に自動的に喚起されることになる。これに対して、人間の場合、記号という二層の価値体系によって自分の経験の記憶を離散化する事ができる。離散化された記憶は、インデックス化されている為、インターネット上で単語を使って検索をするように、それに関連したものを能動的にピンポイントで喚起する事が可能になる。動物の記憶喚起と人間の記憶喚起のメカニズムの違いにより、言語を使えるかどうかが決まるが、重要なのは、人間は動物の記憶喚起をそのまま引き継いでいる点である。一般的に、動物も自分の意志で記憶喚起を行っていると見なしてしまうのは、それを人間が可能であるからである。普通、動物と人間との違いは、知能の高さの違いという事で片付けられてしまう為、二つの認知主体の間にある根本的な違いが注目されることがない。記憶という「自己同一性を確立、維持、そして進化させる主体」を理解する事で、言語や人間の謎も解けるのだが、その道のりはまだまだ遠いようである。私が考える「記憶」というのは、「自分を知りたいと思う意識」が発動して生まれた「離散分裂（再）融合更新循環サイクル」によって、意識が自己同一性を確立、維持し、進化させていく軌跡を記録する媒体である。意識と記憶は対を成していると言えるかもしれないが、まだ全体像がつかめない。一つ、はっきりしている事は、記憶というのは意識と対になっていることから、意識という自己同一性の確立、維持、進化をしていく主体の影みたいなものであるという事である。光がある所に影ができるようなものだろうか。とりあえず私は、記憶を自ら自己同一性を進化させる主体と見なしている。

  2024.02.13

  コメント(0)

• 言語学の最大の問題。。。

  言語学の最大の問題は「音素は言語の最小単位である」という前提だと思う。これにより、言語の形の側面であるシニフィアンの確立過程が無視され、既に体系として確立された様々な音声言語の文法が研究の対象となってしまい、言語という価値体系が確立される迄の動的なプロセスへの関心が断たれる。この「音素は言語の最小単位」問題は、歴史的に音声言語が言語学の絶対的な対象であった事に由来しているが、視覚に特化した手話の存在が知られるようになっても、音声言語の優位性は変わる事はなかった。これが、一般言語学を提唱したソシュールによって修正されなかったのは非常に残念である。ソシュールの一般言語学の革新性は、従来のように文法を言語学とするのではなく、言語を成立させているものは差異であると指摘し、言語が成立す条件に着目した点であるが、彼はそれを記号の意味の側面であるシニフィエには適用したが、記号の形の側面であるシニフィアンには適用しなかったのが残念。ソシュールの登場以後、言語学はチョムスキーの生成文法によって席巻されてしまう。これは、既に確立されている言語の文法（単語の語順）を言語学とする手法であり、音韻体系に関しては、既に確立された音素を、国際音声記号を使って置き換えて記述するだけに止め、音素の成り立ちへの関心は０。「言語には差異しか無い」というソシュールの命題が、記号のシニフィアン、つまり言語の形の側面にも適用されると考えているのは、現在、世界で私だけだと思う。「音素は言語の最小単位である」という言語学の大前提を崩すのは簡単ではないと思うが、これをしないと言語学の未来は無い。

  2024.02.12

  コメント(0)

• 「物資と精神の二元論」は見かけだおし。。。

  混沌から離散化して起こる私の連続ビッグバン理論では、三段階で現在に至るが、見かけ上は、先ず物理的な時空間が誕生し、その中に化学物質が生まれ更に生命を生む物質的な進化と、生命と同時に誕生した認知が言語になり、意味を知る人間の自己意識が誕生する抽象的な進化の二層の流れが観察できる。西洋哲学の意識の研究で出てくる「物資と精神の二元論」は、この「見かけの二層の進化の流れ」を反映しているのだと思う。これの問題は、生命と認知の関係が全く考慮されずに完全に分離されてしまう事である。脳科学的なアプローチも同様の問題を抱えている。意識の研究における盲点だと思う。

  2024.02.12

  コメント(0)

• 私の異世界度。。。

  やはり無理をしても投稿すると、必ずと言っていいくらい新しい発見、新しい概念の組み合わせに出くわす。今の段階で、他人に理解してもらおうと思うのが、無理があると言うのは理解しているつもりだが、自分の思考実験が進む度に自分の異次元度が輪をかけて増すので、結構、ずっとジレンマである。

  2024.02.12

  コメント(0)

• 生物認知的な時空間の誕生のメカニズムの解明。。。

  表裏一体の、意識と記憶の進化。三層を成す記憶の進化の歴史。１．物理化学的な時空間２．生物認知的な時空間３．言語人間的な時空間自己同一性は、離散的に分裂したものが、再びであることによって確立される。離散化力と対になる力が、重力、自己意志、自己意識である。今は、ここまでしか、想像力が働かない。私が、一番、難しいと思うのは生物認知的な時空間の誕生の理解である。物理化学的時空間は、我々が普通に物理化学的な存在を実生活の中で経験しているし、言語認知的な時空間に関しては、一応、言語を使っているという実感はあるので、そこはイメージしやすい。ところが生物認知的な時空間の場合、化学的な物質が進化して生まれた生命と、同時に生まれた認知主体との関係の理解が難しい。最初の意識は自分を知りたいと思ったのだが、それを他者を創造する事で解決しようして、自己の離散的な分裂を行ったのだが、どうやって認知主体の誕生に繋がるかである。今、一つ私の中で結論として出ているのは、哲学でよくテーマにされる自由意志の起源となる「自己意志」の誕生によって認知主体が確立されたという事である。この自己意志というのは、それまでは物質同士、物理化学的な境界線しかなかったものが、生命という形で物質的な自己同一性を確立する事で、認知的な境界線を手に入れる為の、原動力となると考えている。この自己意志というのは、自由意志ではない。認知システムは一般的に、主体が知覚したものに対して反応行動を起こすと考えられているが、私は、先ず行動を起こす自己意志があって、そのトリガーを引くのが知覚刺激であると考える。物質が進化して生物的な自己同一性が確立されると、周りの物理化学的な境界線の影響を受けなくなる。そこには、生物の内部と外部という新しい境界線が誕生する。そして、その境界線を決めるのが知覚の誕生なのである。知覚というのは、内在化された外界の物理的刺激の記憶喚起である。生命というのは、外部の物理的環境を内在化、つまり記憶する事で進化していく。生命の誕生は新たなビッグバンであるが、単に新しい宇宙の誕生と言うだけでなく「記憶が刻まれる離散的な時空間の誕生」である。知覚というのが自己を離散分裂させる力で、それと対になるのが自己意志である。離散分裂力と自己意志の発動が循環サイクルを確立すると、そこには認知システムが成立する。生物的な自己同一性を確立した意識が、自分を更に知りたいと思った事により、物理化学的な時空間の力である重力が基になって自己意志が生まれ、それが知覚の誕生と進化へと繋がった。重力というのは非常に小さい力という事になっているが、今の私には、それが進化して自己意志が生まれたとしか考えられない。知覚という内在化された記憶は、遺伝子レベルで確立されるのだが、その後、個体の経験の記憶が蓄積され、それの知覚による自動喚起によって、いわゆる知能が生まれる。ここでいう知覚、つまり認知的な記憶というのは、所謂「クオリア」に該当するものであるが、ここで絶対に犯してはいけない過ちがある。それは、動物のレベルでは、知覚したものに対する反応行動は、知覚によって自動的に喚起された個体の過去の経験が判断材料となって決まるという事である。動物には、判断をするという一種の自由意志はあるが、知覚に対して反応行動をとるという図式の中でしか、行動するしか方法が無い。人間の場合、自分で知覚した対象を識別して、それに対して自分の意志を持って反応行動を起こしているが、これは言語的な時空間が誕生したことによる恩恵である。人間は一般的に自分の意志で言語を使っているという認識を持っているが、これは大きな間違いである。動物と共有している認知システム上に新しく離散的な言語的な時空間が確立したことにより、自分の中に言語を操るための独立したメカニズムが誕生し、初めて言語が使えるようになったのだ。私は言語を司る独立したメカニズムというのを「記号」と呼んできたが、これは一般的に理解されているソシュールの記号とは少し異なる。言語には差異しか無いというソシュールの命題が、後者の場合、シニフィエ／言語の意味にしか適用されないが、私の場合、シニフィアン言語の形にも適用される。言語には差異しか無いが、言語の意味と形の両方に適用されるという事は、記号というのは、言語の形と意味という二層を成す価値体系であり、其々の価値体系の特定の座標同士が一致したところに特定の記号が成立する事になる。この二層の価値体系の構造があるからこそ、我々は言語を使える事になる。最初のビッグバンで生まれた離散的な時空間では、物理化学的な自己同一性が確立し、太陽系の形成という形で進化した。次に生まれた離散的な時空間は、生物認知的な時空間で、ここで生物認知的な自己同一性が確立された。更に言語人間的な時空間が生まれ、言語人間的な自己同一性が確立された。ただ、我々人間の一般的な見方を投影すると、先ず物理的な時空間があって、そこに化学的な物質という自己同一性を持ったものが生まれ、それが生命体という自己同一性を持ったものに進化した。生命体と同時に生まれた認知システムという抽象的なものが進化して人間の言語そして自己意識が生まれた。物質が進化して生命が生まれた時に、どのようなメカニズムで認知システムが生まれたのか、この説明がどうしてもうまく行かない。しかし、この二つは密接に関係を持っているのは確かである。生物認知的な時空間の誕生のメカニズムが解明されれば、同時に生命の進化の謎も解明されると信じている。だから、ただ一人でも、これを追求していこうと思っている。

  2024.02.10

  コメント(0)

• アナログという存在。。。

  自己記憶喚起というのは、時空間を生み出しながら、その上で、自己の同一性を生み、維持し、進化させていく動的な循環サイクルである。これは、そのまま存在論になる。存在論という事は、哲学の範囲内なのだが、私はどうもしっくりとこない。私の自己記憶喚起による存在論というのは、まだまだ精錬する必要があるが、特に言語のメカニズムに関しては正しいと考えているからである。だから、哲学という言葉遊びにはならないと思う。物理的な時空間と言うのは、化学的な物質と言う「進化する自己記憶」が、その自己同一性を確立し、維持しながら、進化をして行く場であるが、化学的な物質の自己同一性の確立によって物理的な時空間も同時に生まれたという事ができる。同じ形が成立する為には、時間と空間と言う座標が必須である。化学的な物質は、例えば電荷と言う離散的な性質を持っていて、この宇宙内で、いつでも何処でも同じ形を持ってはいるが存在としては異なる無数の仲間が存在する。物理の計算では、物質を構成する其々の仲間同士の差異は無視されるのが、私は互いの差異を考慮する新しい物理学が必要だと考えている。同じでも違う／違うけど同じという互いに離散的な関係にある仲間（この場合、化学的な物質を構成する原子や分子）が成立する為には、宇宙の生まれる前の混沌状態で「自分を知りたい」と何かが望んだことで、それが離散的に分裂して無数の自分のの片割れを生んだことが最初の切っ掛けである。その後に、その片割れ同士が、自分と同じ部分を持っているが異なる仲間と再び融合することになり、それが自己更新に繋がるが、この仲間同士を再び引き付ける力が重力であるかもしれないと私は考えている。この自己更新は循環サイクルで進化していき、自己記憶という形で宇宙に存在を許される。「自分を知りたい」と望んだ意識自体を観察する事は出来ない。しかし、自己離散化して分裂し、更に（再）融合して更新を行う自己更新の循環サイクルは、物質と言う自己記憶喚起と言う形で我々に観察可能な形を示してくれる。意識と記憶は、表裏一体なのである。意識／記憶の誕生、維持、進化の動的メカニズムが「離散分裂（再）融合更新循環サイクル」である。これは、先ず、物理的な時空間の上に、互いが離散的な関係にある化学的な物質が、天体として展開する形で実現する。これが、多分、普通、ビッグバンと呼ばれるものである。の物理化学的な時空間の誕生、つまりビッグバンの後に二つのビッグバンが続く。先ずは生物認知的な時空間の誕生であり、その次は言語人間的な時空間の誕生である。ここでも最初のビッグバンと同じ「離散分裂（再）融合更新循環サイクル」が背後にあるが、もう一つ重要なのは混沌の生成である。混沌と言うのは単なる無秩序ではない。混沌と言うのは、互いに相似的（アナログ）な無数の仲間の蓄積であるが互いが相似関係になる為の、何らかの共通基準がある。それは多分、意識なのだと思う。自分はいるのに、他者はいない。でも、他者は直ぐ傍にいるのだ。意識のスープみたいなもの。いや、無意識のスープか。皆、寝ている状態で、すぐ近くに他者がいるのに、気が付かない。自分を起こすことが、自分を知りたいと思う事になるわけだ。自分を知るには幾つかの段階がある。覚醒して、先ず他者との物理的な境界線を認識する必要がある。ここで、無意識同志がアナログに相似的な関係を持っていたのが、離散的な関係に生まれ変わる。これは、アナログ的な相似関係の場合、どこが同じでどこが違うという区別がつかない為、互いに認識する事が不可能であるが、ここに離散的な時空間が生じる事によってアナログな相似性がデジタルになる。アナログな関係と言うのは、お互いに似てはいるが、同じであるとは言えない状態。とは言っても、互いに全く違う訳でもない。似ていると言うのは、どう言うことなのだろうか。そして、同じとか違うとかの判断基準は、どうなっているのだろうか？存在と言うのは、自己同一性が確立されるだけでなく、それが維持される事である。自己同一性が維持される事によって時間が生み出される。また、自己同一性が確立するためには、空間の存在も必須である。自己同一性の確立は、時間と空間の両方を同時に確立するのである。

  2024.02.10

  コメント(0)

• コミュニケーションが成立する条件。。。

  「言語はコミュニケーションの道具である」という命題が成立する為には、複数の人間が、同じ言語の形と同じ言語の意味を識別できる必要があると私は考えている。また、この言語の形と言語の意味というのは離散的であり、デジタルな認識がどのようにしてなされるかを知りたいと思ったのだ。同じ言語の形／同じ言語の意味を認識できる。しかも、その形と意味は、どちらも離散的に定義できる。言語を使えない動物には、この離散的な形や意味が認識できないが、人間にこれが可能なのは、人間が知能が高い訳ではなく、我々には離散的な言語の形や意味を、自分の意識上に構築できるから。

  2024.02.07

  コメント(0)

• 言語学では、言語の謎は絶対に解けない。。。

  言語の謎を解明するのに、日本語や英語などの特定の言語の文法を研究する事が、全く有効な手段でないという事に言語学者が気づく日が来るのだろうか。今の言語学は、絶対的な時空間の存在を前提とするニュートン力学と同じである。言語的な時空間の成立を研究する事が、突破口になる筈である。「言語はコミュニケーションの道具である」という事は事実であるが、これは言語が存在した段階で初めて成立する命題であり、その前に、言語の記号（言語の形と意味）を支える為の言語的な時空間が存在する為には、何が必要であるかを解明する必要がある。言語の誕生というビッグバンの解明である。私がここでいう言語的な時空間というのは、離散的、つまりデジタルな情報が活動できる時空間である。物質が動き回る為の物理的な時空間が必要なのと同じである。文法の主体は100％我々人間ではない。そこには記号という進化する記憶が自ら蠢くという側面が存在する。それが言語の謎の真相。今、気がついた。ニュートン力学の絶対的な時空間というのは、言語学におけるクオリアの存在の前提に該当するという事。動物も人間も自分の周りの環境を知覚しながらクオリアを感じているが、クオリアが何故、生まれたのかを先に解明しないと、その先には行けない。実際、私は現在、クオリアがどうやって誕生したかについて研究している。大風呂敷を広げた事になるが、これをしないと、絶対先に進めない事が分かっているので、他の選択肢は取らない。常に、俯瞰的な視点で、宇宙全体を見通す事で、そのオマケとして言語の謎も解けるだろうと思っている。

  2024.02.07

  コメント(0)

• ４種類のビッグバン。。。

  Closer To Truth：Brian Keating - Asking Ultimate Questions久しぶりに面白い動画に出会った。この人は、ビッグバンには４種類あると言っている。１．宇宙が無い状態から宇宙が生まれたビッグバン、２．物質の起源、３．物質から、生命体が生まれたビッグバン、４．物質から生命を通って、意識のある生活が生まれた事である。多分、この人は、最初のビッグバンを比喩的に使って、残りの三つのビッグバンを説明していると思うのだが、私はビッグバンを「混沌から離散的な時空間が生まれる事」と定義し、物理化学的な時空間、生物認知的な時空間、そして言語人間的な時空間という形で、連続して起こったと考えている。また、其々の「ビッグバン」の背後にあるメカニズムは、全て共通した「離散分裂（再）融合更新循環サイクル」であり、それは「自分を知りたいと思った意識」が進化する形で、ビッグバンの連鎖が起こったと考えている。その進化を記録するのが私が「自己記憶」と呼ぶ離散的な時空間である。将来、どこかで、この人と接点が持てればと思うが、今は、独りでもがいてみよう。

  2024.02.07

  コメント(0)

• 言語学の決定的なメソッド上の欠陥。。。

  日本から取り寄せた、今井むつみ／秋田喜美 著「言語の本質　ことばはどう生まれ、進化したか」を手に取って眺めているのだが、言語の本質を探究するというアプローチでは永遠の足踏みをするだけで、その先に行けないという結論に達したので、非常に歯がゆい思いをしている。言語学のメソッドには決定的な欠陥があるのだが、それに誰も気が付いていない。この本は、目の付け所もいいし、非常に示唆に富んでいて素晴らしいと思うが、このメソッド上の大きな欠陥の上に構築されている。それは、音素を単位としている点。これが間違いだと気付ける人が出てきて欲しい。

  2024.02.07

  コメント(0)

• 記号の恣意性の考察。。。

  最近、イタリア語の動画の聞き流しを中断している。イタリア語の形と意味の間に、自分自身がどの様な関係を築くのだろうか、もう少し、記号の離散性の本質と記号設置問題に関して考えた後に、再開しようと思う。記号の恣意性は、消滅するのか。私は記号の恣意性の一つの新解釈として、記号と言うのは言語の形に該当するシニフィアンと言語の意味に該当するシニフィエが、どちらとも構成員の互いの差異によって成立する価値体系であって、其々の価値体系の特定の座標が一致した所に記号が成立し、座標同士の関係は恣意的と言えるのではと考えた。しかし、これには前座が居て、動物レベルの認知的な記憶が形成する混沌が離散化するという進化のプロセスがある。その前に、更に「自己意志」を中心に構成される認知的な記憶が、どうやって生まれたのかと言う疑問も出て来る。リバースエンジニアリングは続く。

  2024.02.07

  コメント(0)

• チョムスキーの生成文法とニュートン力学の関係。。。

  今の言語学（特にチョムスキーの生成文法）は、絶対的な時空間を前提とするニュートン力学になぞらえる事が出来る。音素は物質の元素に、文法（統語論）は物理法則に該当する。しかし私が知りたいのは、音素や文法、そして意味を可能にする言語的な時空間が成立する為のメカニズムである。

  2024.02.07

  コメント(0)

• 私の絶望。。。

  最近、絶望している。私はずっと言語学の常識に異を唱えて来たのだが、まさか「特定の言語」を研究する事が我々が言語を理解する上での最大の障害であると言う結論に達するとは思わなかった。私の言語学の原点は、特定の知覚運動チャンネルに特化する事で二つのタイプの言語に分化するである。問題は、具体的に何が特化して音声言語と手話と言う知覚運動チャンネルが違う二つのタイプの言語が生まれるのかであるが、それは、人間が共通して持っている特殊な記憶喚起メカニズムであると私は考える。この特殊な記憶喚起メカニズムにより、我々は人間としての自己同一性を確立する事が出来る。このヒントになったのが「言語には差異しか無い」と言うソシュールの有名な命題であるが、これが、シニフィアン（言語の形）とシニフィエ（言語の意味）と言う記号の二つ側面のどちらにも適用されると考えたのである。ところが、これは普通、シニフィアンには適用されないと言う事を最近知った。その理由は単純で、記号のシニフィアンを構成する音素は、言語の最小単位であると考えられているからである。これは、原子が物質を構成する最小単位と考えられていたのと大いに関係がある。言語学者は、古典的な物理学の世界観を言語の定義に重ね合わせる事で言語を科学したと錯覚したのである。「言語には差異しか無い」と言うソシュールの命題は、記号のシニフィエ（言語の意味の側面）に関しては問題なく適用されるが、私は、シニフィアン（言語の形の側面）に関しても適用されると考えた。私がそれを確信したのは、ミニマルペアと言う音素を弁別するための記憶操作を研究したからである。音素の弁別と言うのは、特定の音声言語の音韻体系に二つの異なる音素が存在すると言う事実を確認する事であって、特定の音素を識別するものではない。日本語の「か（蚊）」と「き（木）」と言うミニマルペアでは、聴覚で捉えると前半は同じだが、後半が違うという事実だけを我々に提示してくれる。ところが、ここで「音素は言語の最小単位である」と言う命題が悪さをする。前半の同じ部分と後半の異なる部分を其々、音素と言う単位で置き換えてしまい、そこに国際音声記号表にリストアップされた文字を割り当てる事で、聴覚上の差異によって音素が弁別されると言う事実が完全に無視されてしまう。この最大の原因は、音声学の音素を文字で記述する伝統を、音韻論の誕生の際に、捨てきれなかったからである。音素と言うのは、時間軸上に動的に展開する物理的な空気の振動を、我々が聴覚を使って聴き取る事によって成立している。それを静的な文字で記述するのは音素の本質を歪める事になる。ところが慣れと言うのは恐ろしいもので、伝統的に音素を文字で記述して来たので、それを当たり前と思ってしまう。もう一つは、文字で記述しないと研究する対象を固定出来ないと言う事情。こうやって特定の言語を記述する事で言語学と言う学問が成立する事になるが、これこそが大問題なのである。特定の言語の音韻体系を構成する特定の音素に特定の文字が割り当てられ、その言語の自然な発話を記述出来る様になる。これが、言語学の出発点になるのだが、これによって、音素が聴覚の差異によってのみ成立すると言う基本的な事実が、完全に無視されてしまう。これは由々しき事態である。音素を記述する事で我々は英語や日本語と言う特定の言語の研究を始める事になるが、聴覚発声チャンネルに特化する以前に人間が獲得した「言語を発明したり習得する為のメカニズム」が無視される。本来なら音声言語と手話という二つの言語のタイプを研究すべきなのに、特定の音声言語が対象となる。ちょっと回りくどい説明になったが、特定の言語を研究する今の言語学では、言語の謎を絶対に解明出来ないと私は考えているのは、こう言う理由がある。「音素は言語の最小単位である」と言う古典物理学的な世界観によって毒された言語学は、完全に袋小路に入ってしまったのだと言える。しかも言語学者達は自分達が袋小路に入っている事を全く認識していない。「ソシュールの一般言語学講義」の出版は言語学に革命をもたらしたが、これによって言語学に新しい袋小路が作られる事になってしまった。その代表格が記号の恣意性であり、音素は言語の最小単位と言う思い込みが基にある。人類が今まで、何故、言語の謎を解けずにいたのか、そして今も、言語学者を含めた学者全体は、それを説く方向に向かってはいないのかを、説明しようと思ってはいるが、言語に関する長年の（間違いなく人類の歴史と同じだけ長い）固定観念を打破するのは、難しい。でも、真実は必ず勝つ筈だ。

  2024.02.07

  コメント(0)

• 私の言語の研究の出発点はスピリチュアル。。。

  私はスピリチュアルな人間ではない。オカルトには子供の頃から興味があって、今でも好きだが、だからといって全てを信じている訳ではない。そんな私でも一つだけ信じていることがある。それは、この宇宙を生んだのは「自分を知りたい」と誰か／何かが望んだからという事である。しかし、私の「スピリチュアル」は、ここで終わり、そこからは全て科学で説明できると私は考えている。「自分を知りたいという意識」を説明する事は、私にはできないが、それが全ての出発点である。ただ、私は意識を研究対象とはしない。私が研究するのは、意識と表裏一体の記憶である。この記憶というのが、なかなか持って厄介である。「時間の流れに抗って自己同一性を維持するもの」が、今の精一杯の定義であるが、私の考える記憶というのは、それ自体が主体であるという所が、一番わかりにくいところだと思う。また、意識と記憶は循環サイクルによって進化している。何かが「自分を知りたい」と思ったことが、どうして宇宙の誕生に繋がったのかだが、これは先ず、その何かが、そう思った理由を考える必要がある。それは、その何かが、唯一で全てのものであったから。そして自分を知るためには、他者が必要になる。ではどうやって「他者」を作ったのか。いや、その前に「自分を知りたいと思った唯一で全ての何か」について考察してみたい。私は、これは「混沌」で、混沌の反意語は「離散」であると私は考えている。混沌は「無」ではない。それは単に自己同一性が維持できない状態であって、そこには動きさえあると私は考えている。混沌というのは、互いにアナログに相似してはいるが、其々がデジタルに自分の存在を確認できない状態の事。この場合、デジタル、つまり離散的というのは連続的とは必ずしも対義関係には無い。アナログというのは、相似しているから互いに共通部分はある筈なのだが、それはデジタルではない。々がアナログという場合、そのベースには例えば時間軸といった次元が存在する。針を使って示す時計も、時計版という空間があるからこそ時間軸を空間軸に置き換えている事になる。だから宇宙という時空間が存在しない状態で、アナログの関係にあるもの蓄積が混沌を作るというのが説明できない。似たようなものが蓄積しても、そこからデジタルなものが生まれ無ければ、そこには、何も存在出来ない。混沌から離散化によって、自己同一性を維持できる循環サイクルが誕生する事で、そこに存在を支える記憶と言う時空間が生まれることになる。

  2024.02.07

  コメント(0)

• 音素を単位と認識できない私。。。

  私は音素が単位として認識できない。これは、もしかした一つの発達障害かもしれない。でも、この障害のお陰で、人間の持つ離散化能力に関して理解する事が出来た。ただ、問題は、他の人達は、私の様な障害が無いという事だ。だから、その説明が本当に難しい。私が一番最初に、音素に関する疑問を持ったのは、幼稚園か小学校低学年だったと思う。「か」を発音し続けると「あ」になってしまう事が、どうしても納得できなかった。フランスに来て、ソシュールの「言語には差異しか無い」という命題に出会うが、これが音素にも適用されるべきと私は考えた。その後、ミニマルペアを研究することで、音素は聴覚の差異によってのみ弁別されるという確信を得るのだが、私以外に言語学の先生や学生や、そして多分、言語学の素人の人達も、音素は単位であるという事があまりに当たり前の事で、私が何故、これに疑問を持っているのかが理解できなかった。その後、日本語の仮名とフランス手話の標準サインの記述方法を比較する事で、どちらも認知的な塊（単位）に時間軸に沿う二極性がある事によって、デジタルな言語の形が生まれるということを考えるようになった。そして、視覚と聴覚の比較を徹底的にした。動物の認知システムと人間の認知システムの決定的な違いは、知覚刺激を受けた後の、記憶喚起の方法にある。動物の場合、その知覚刺激と似た過去の記憶が自動的に喚起され、それは反応行動の判断材料として使われるが、それは実際の反応行動として帰結してしまう。これはあくまで学習である。人間が言語を持てるというのは、認知システム上に、新しい宇宙を誕生させることができるからである。聴覚の場合、それは音韻体系であるし、視覚の場合、分節した身体自身が、言語学的な時空間を形成し、そこに自己意識を持つことができるようになる。人間は賢いから言語を使えるのではない。所謂、クオリアというのも動物も持っているが、これは、知覚から反応運動に繋がる認知システムの待ち受け状態であると考えている。過去の経験が自動的に喚起されて、それが反応行動に繋がらない場合、別の経験が連想される、機械学習である。動物は、知覚していてもそれを離散的に捉えられない。この離散的に捉えるものの代表例が音声言語の音素。音素は自然界には普通に存在しない。人間が特定の言語の音素をフィルターする能力をもっているのである。手話サインに関しては、最初と最後が区切られて、時間軸上に進む、その間の動きの軌跡が一つの塊になっている。手話サインは離散的。

  2024.02.07

  コメント(0)

全3571件 (3571件中 151-200件目)

< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ... 72 >