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カテゴリ:歌舞伎・古典、観劇
歌舞伎通のえびす組のコンスタンツェから、仕事帰りでも観られる時間帯だという耳寄り情報をもらっていたこともあり、夜の部一幕見で『鬼揃紅葉狩』を観ました。
平日の夜7時半頃歌舞伎座に到着すると、既に30人位が並んでいました。外国人の観光客が多いのも、一幕見の特徴だと言えるでしょう。 今月の夜の部最終幕のチケットは、夜8時頃から発売して8時11分には開演という慌ただしいものでした。歌舞伎座の最上階まで階段を登ったところが幕見席です。どうにか席を取ることができました。 (作品ごとの入れ替え制ではないので、前の作品から通しでチケットを買っている人が多いと、自由席のため途中の幕からでは立ち見となることがあります。) さて、この作品の観劇の動機は、今まで染五郎は立ち役(男性の役)でしか観たことのなかったので、女方(女性の役)を観てみたいと思ったからです。 その舞台は、歌舞伎でありながら能舞台の様式を取り入れたという新しい演出のものでした。 花道から侍女を従えての姫(染五郎)の登場は、正統派の美女というのでしょうか、黒髪に鼻筋の通った美しい姿に、客席からため息のような歓声が聞こえてきます。 物語は、更科と名乗る姫(染五郎)、実は鬼女が、紅葉を楽しみに山中にやってきた平維茂(信二郎)らを喰らおうと、姫に化けて怪しい踊りで眠らせてしまうというものです。 平維茂らが眠りについたのを見届けると、姫(実は鬼女)の一行は一旦姿を消してしまいます。 そして次に染五郎が登場する時には鬼女の姿となり、襲い掛かる舞踏の場面へと展開します。 隣に座っていた外国人の観客は、最初はストーリーの把握に困惑していましたが、姫の踊りやセリを使ったメリハリのある場面転換、迫力ある鐘の音に乗っての舞踏劇に、次は何が出てくるのかと身を乗り出して観ていました。 ついついイヤホンガイドで解説を聞きながら観てしまいますが、逆に言葉を超えた舞台が歌舞伎にはあるのだと改めて感じ入りました。 幕見の時間詳細はこちら。九月の公演は26日まで。 (歌舞伎座にて) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.09.23 12:45:44
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