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カテゴリ:歌舞伎・古典、観劇
9月夜の部(『鬼揃紅葉狩』(作・萩原雪夫)を観劇)同様に、仕事帰りでも観られる時間帯に一幕見席で観ました。
今月、初役に挑んでいるのは菊之助だけではありません。 この新歌舞伎十八番の内『紅葉狩(もみじがり)』(作・河竹黙阿弥)では、松緑、海老蔵ともに初役となります。 侍女を従えて上手から更科姫(海老蔵)が登場。大きな瞳の目鼻立ちがはっきりとした美女です。 従える侍女も美しい。侍女の野菊は、團十郎のご令嬢とイヤホンガイドで紹介されていました。市川ぼたん。海老蔵の妹です。 子役以外に女性が歌舞伎の舞台に立つのを初めて観ました。 さて物語は、更科と名乗る姫、実は鬼女が、紅葉を楽しみに山中にやってきた平維茂(松緑)らを喰らおうと、姫に化けて怪しい踊りで眠らせてしまうというものです。 平維茂らが眠りについたのを見届けると、姫の一行は姿を消してしまいます。 そこへ山神(尾上右近)があの姫の一行は鬼なのだと警告しにやってきますが、平維茂の従者らは起きる気配がありません。 ついに更科姫らは鬼女の姿で登場。平維茂との闘いの場面となります。 若々しい舞台に見所満載です。 中でも山神は少年の役者がやるのが一般的なのだそうです。今回扮したのは尾上右近、14歳。柔軟な体でメリハリのある山神の舞に、観客は釘付けでした。 大きな拍手を受けた右近、これからも多くの芸を身につけていって欲しいです。 そして鬼女となった更科姫と平維茂の一騎打ち。 平維茂の方が優勢ですが、こちらも闘いの最中に勇壮な見栄で幕となりました。 この一年、歌舞伎をじっくり観ていても、継がれてきた舞台の趣向など、まだまだ知って驚くことがたくさんありました。 古典に興味のない方もいるでしょうが、どの分野でも古典を知って現代ものの作品を観ると、新たな面白さに出会えることを最後に述べておきます。 そして自分自身は、固定観念に囚われないものの見方をしたいと思っています。 今年の歌舞伎、見納めの作品でした。 (歌舞伎座にて) ※「十二月大歌舞伎」公演期間は12/2-26。 幕見情報はこちら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.12.26 12:24:59
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