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カテゴリ:歌舞伎・古典、観劇
26日に千穐楽を迎えた演目です。
劇場に着くなり、一幕見に並ぶ大勢の人が目に入りました。 この日は千穐楽。この時間だと、「助六由縁江戸桜」目当ての観客でしょう。 場内に入ると、既に一幕見席は立ち見も出るほど満員となっていました。 夜の部は「鶴寿千歳(かくじゅせんざい)」「連獅子」「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の3作品が上演されました。 「鶴寿千歳」は筋書きを見ると、‘「鶴は千年の寿命を保つ」と言う言い伝えに因んだ’のだそうで、新年の舞台に相応しいおめでたい演目でした。 若い松(歌昇)、竹(錦之助)、梅(孝太郎)の瑞々しい舞に始まり、そして芝翫と富十郎の白髪のかつらをつけての姥と尉の舞では、二人の人間国宝による(イヤホンガイドによると)’豊かな舞’を堪能しました。 ‘歌舞伎座百二十年を祝うにふさわしい箏曲の舞踊’です。 「連獅子」は、以前(2005年11月)、同じく狂言師右近、そして親獅子を松本幸四郎、狂言師左近、子の獅子を市川染五郎で観て、染五郎の仔獅子のかわいらしさ、無邪気さ、たくましく成長していく姿に、舞踏ながら感銘を受けました。 今回はそれにも増して親子の獅子が合わせて頭を回す‘毛振り’の息の合った様子に感動しました。 いつまでたっても、二人の調子は乱れません。 そして最後の決める見栄の美しさ。 どんなに体力的に大変なことか、しかし舞台には親子の獅子の息の合った美しさだけが存在していました。 「助六由縁江戸桜」は、次回の教訓ですが・・・友人に3階席から見ると告げた時、「花道の芝居が多いのに、なぜ・・・」と絶句されました。 傾城の揚巻(福助)が酔って花道をゆったり歩く様子、そして助六登場の場面は、演じる團十郎曰く「かたる」様子(かたると言っても、足を踏み鳴らして歩く様のことだそうです)、それが全く見えないのです。 頼みの綱はイヤホンガイドの解説でした。 花道で何がどういうふうに行われているのか、丁寧に解説してくれるので、舞台に揃って並ぶ中村芝のぶや中村京紫らの美しい花魁姿を眺めていました。 もしかすると黙って並ぶ花魁達は、こんな観客へのサービスなのかもしれません。 さあ、場面が舞台へ移ってからは、喧嘩早くて乱暴ですがどこか愛嬌のある助六の魅力を存分に味わいました。 市川團十郎ならではのたっぷりと豪快に見せる助六です。 今度は一階席から観よう、と心に決めました。 浅草公会堂、新橋演舞場、国立劇場、歌舞伎座と廻った新年の歌舞伎座三昧、観ているこちらも千穐楽となりました。 ※公演詳細は歌舞伎公式ウェブサイトで。 (歌舞伎座にて) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.01.31 12:53:08
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