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カテゴリ:歌舞伎・古典、観劇
![]() 演目は、「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」「初代松本白鸚二十七回忌追善 口上」「一谷嫩軍記 熊谷陣屋(くまがいじんや)」「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」。 最初の「寿曽我対面」は、曽我兄弟が、彼らの父親を殺した敵の工藤祐経(富十郎)と対面するという、様式の中でそれぞれの心情が表わされている演目です。 曽我兄弟のうち、兄の曽我十郎には中村橋之助が、そして荒っぽい五郎には三津五郎が扮し、それぞれの立場を表す細かい表情を見せるなど、見せ場を見応えのあるものにしていました。 「初代松本白鸚二十七回忌追善 口上」では、大袈裟なことを好まなかった白鸚を偲んで親類だけで行う、ということが幸四郎から語られ、雀右衛門、吉右衛門、松緑、染五郎が、白鸚にまつわる話や今月の演目の役を演じるにあたっての役の思い出などを口上に盛り込んで聞かせてくれました。 口上の後ろの襖絵は、白鸚の絵画をもとに大道具が設えたという、粋な計らいもありました。 そして「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」。 白鸚がよく演じていたという熊谷直実を、今回は幸四郎が演じます。 屋号こそ違いますが白鸚の実子の吉右衛門が2007年9月に同作品で熊谷直実を演じ、好評を博していたのが記憶に新しいところです。 実父と養父、父から伝わるその役を、兄弟で芸を競い、磨き合っているように思いました。 「春興鏡獅子」は、先月「連獅子」で狂言師左近そして子の勇壮な獅子を見せてくれた染五郎が、初役で臨みました。 こちらは17、8歳位の小姓の弥生(染五郎)が、大奥の座敷で将軍の前に引っ張り出されて、余興で舞を披露するところから始まります。 舞の途中で小道具に獅子頭を用いたところ、その獅子頭に命が宿って弥生に乗り移り、ついには獅子の精が舞台に登場します。 両方とも染五郎が演じるのですが、弥生が引っ込んだその間を胡蝶の精の子役二人がかわいらしい舞を披露します。 最後は獅子の精と胡蝶の精の三人だけが、舞台で、まるで戯れるように踊るその姿は、とても幻想的でした。 ※公演詳細は歌舞伎公式ウェブサイトで。 (歌舞伎座にて) ※写真は、絵を描くことを好んだという白鸚の自筆絵。2階ロビーに展示されています。 左に見える絵は、染五郎誕生の時に描かれたものだそうです。 休憩時間に写真と絵画を楽しみました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.02.10 10:42:03
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