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2006.06.08
テーマ：救急の現場より(9)
カテゴリ：救急救命
昨日救命当直日誌其の３を書いたのですが、実はまたまた救命センターの当直中でした。 当直をはじめて２ヶ月が経ちましたが、まだまだはじめてづくしで、日々初体験、勉強の日々ですよ  私の将来の夢は消防で救急隊として救急救命士として働くことなんです  I`m hoping to be fire fighter paramedic. ではなぜ病院で働くのかといいますと・・・ 救急の患者さんの病態であったり、処置の優先順位、重症度・緊急度の判断が正確にかつ迅速に出来るためにも学んで、現場に出た時に役立てるようにと磨きをかけていきたいんです みなさん、人間の血の臭いって臭ったことがありますか  多くの人は人間の血を臭ったことがないと思います。 ちょっとした切り傷でも出血しますけど、血の臭いはしないですよね。 この日当直に行くと、行ってビックリ  処置室が血の海に  殺人事件 臭いもすごい  気持ち悪くなってくるほどだ  でもどこかで臭ったことのある臭いだ  そうだ、あの臭いだ  みなさん、何の臭いだと思いますか あの臭いですよ 生魚の・・・ 生魚 もう、当分は刺身なんか食べられないですね  何があったのかといいますと・・・ 昼間に交通事故で運ばれてきた患者さんの緊急開腹術の跡でした 70代女性。乗用車の後部座席に乗っていたところ後方より追突され、下肢が動かなくなったとのことで搬送。 後部座席でもこの患者さんはシートベルトをしていたみたいで、腹部にはシートベルト痕があったみたいです。 通常下肢が動かなくなったといえば、多くの人が脊損を想像すると思います。 実は、脊損ではなくて内蔵損傷や大動脈損傷があって下肢に血液がまったくといっていいほどいかなくなってしまったのです  入室時には意識がはっきりしていたみたいです。 が、いずれにせよ開腹して損傷部を洗浄したり縫合しなければ、失血死になったり全身の感染によって命を落としかねます。 そんないきさつで、処置室で開腹術となったようです。そして血の海に 結果、この方は先生達の努力のかいなくなくなってしまいました。 ご冥福を申し上げます  でも、この患者さんは後方座席でシートベルトをしていたにもかかわらず、亡くなってしまったのです。 むしろ、シートベルトをしていた結果、シートベルト装着部の内蔵損傷と大動脈損傷を起こしたとも考えられます。 自分の身を守るためのシートベルト。 しかし、この結果からみると、もう何が起きるかわからないですよね あとは運なのかな 交通事故ってやっぱ怖いですよね この日は他に２件。 1.80代女性。心房細動、脳梗塞、大動脈弁狭窄症の既往があり痙攣重積。施設（老人ホーム）入所中に部屋の中で痙攣。 特に新規の痙攣の原因はなかった。 新規の原因がなくても、脳梗塞をしたことのある人は、 痙攣を起こしやすくなっているんですよね。 2.小学校高学年の女の子。自宅で蜂に刺されて、薬局に薬を買いに行ったところ、痛みが増強、物が二重に見えたとのことで救急要請。 近くに診てもらえるところがないとのことで運ばれてきた。 特に何もなく帰宅しました。 採血の結果が出るまで、ずっと話をしてました。 好きな授業とか学校について、将来の夢はとかね。 蜂に刺されてビックリしてたせいか、ほとんどしゃべらなかったけど、帰る頃にはぺらぺらに。 普通の小学生でした。 まあ、いろいろと勉強になった１日でした。 救命当直日誌 其の１はこちらから 救命当直日誌 其の２はこちらから 救命当直日誌 其の３はこちらから ※患者様のプライバシーの保護にあたり年齢等一部変更している箇所があります。 ご了承ください。
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