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《櫻井ジャーナル》

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2011.09.10
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 2001年9月11日に航空機がニューヨークの世界貿易センターにそびえ立っていた南北タワーに突入、ほぼ同時にペンタゴンが攻撃されるという事件が引き起こされた。その直後に「犯人」はアル・カイダとアメリカ政府は断定、アフガニスタンとイラクに対する先制攻撃につながり、アメリカ国内では憲法が事実上、機能を停止、ファシズム化してきた。

 戦争へ突入するため、アメリカ政府が偽情報を広めていたこと、あるいは事実上の戒厳令と言われる愛国者法が短期間で提出された理由も明らかになっている。この法律のベースを作成したプロジェクトは1980年代の初め、つまりロナルド/レーガン政権のときには始まっているのである。

 アフガニスタンを支配していたタリバンにしろ、「テロリストの象徴」に祭り上げられたアル・カイダにしろ、その歴史をたどるとアメリカの好戦派が産み育てたことは広く知られている。アメリカを中心としたNATO軍がユーゴスラビアを先制攻撃した際にもアル・カイダはNATO軍側で戦っていた。そしてリビア内戦。本ブログでは何度も指摘しているが、リビアの反カダフィ軍の主力はアル・カイダ系である。

 最初からアメリカの好戦派はアル・カイダなどを相手にはしていないとしか思えない。本当の目的を達成するための隠れ蓑にすぎないのではないか、ということである。戦争を始めればアメリカという国が疲弊することは開戦前から指摘されていたことであり、アメリカの衰退も計算に入っていた可能性がある。

 アメリカが戦争に突入した理由にイラクの石油利権も関係しているかもしれないが、それだけが理由だとは言えない。

 サダム・フセイン体制を倒すという計画を1990年代に主張していたのはネオコン(親イスラエル派)であり、一連の戦争で最も潤ったのは戦争ビジネス。1980年代には、イラクのフセイン政権を仲間と見るか敵と見るかでネオコンはロバート・ゲーツやジョージ・H・W・ブッシュらと対立していた。(詳しくは、拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 HWの息子、ジョージ・W・ブッシュ大統領はネオコンのプランにしたがってイラクのフセイン体制を倒したわけで、イスラエルにとっては思い通りの展開だったはずだが、ここにきてイスラエルは苦しい立場に追い込まれている。傍若無人な振る舞いも度が過ぎた。

 苦し紛れにアビグドル・リーバーマン外相はPKK(クルジスタン労働者党)を軍事的に支援し、最近はイスラエルに批判的になっているトルコを攻撃させると叫んでいる。もっとも、イスラエルがクルド人を支援してきたことは有名な話で、「なにを今さら」といったところだが。

 9月9日の金曜日には、エジプトのカイロで数千人のデモ隊がイスラエル大使館に押しかけ、数十人が中に入り、重要書類を外に放り出すという出来事があった。アメリカやイスラエルに対するイスラム社会の怒りは支配者の思惑を超えて燃え上がりつつある。

 この怒りを抑え込み、中東/アフリカを制圧することは容易でない。リビア内戦で英仏米が手を組んだ武装勢力は「反黒人」の感情が強く、アフリカ中南部の自立を支援していたムアンマル・アル・カダフィ政権とは違う。リビア国内で黒人労働者を「傭兵」だとして拘束、あるいは処刑していると伝えられているが、女性に対してはレイプ事件を起こしていると批判する声もある。アル・カイダが軍を抑えるであろうリビアの新政権をアフリカ中南部の国々は簡単に承認しないだろう。

 すでの日米欧という巨大客船は沈没しはじめている。船が沈めば1等船室の客も運命をともにすることになる。巨大資本は国家の資産を吸い尽くし、国家なき世界に君臨するつもりかもしれないが、富の集中が進めば経済は自壊、その世界も崩壊するしかない。





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最終更新日  2011.09.11 04:51:43



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