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《櫻井ジャーナル》

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2012.01.28
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 アメリカ経済は行き詰まり、支配層は大きく3つの勢力に分裂しているようだ。ファシズム化を推進して強欲な仕組みを維持するという勢力、第1勢力と似ているが、イスラエルの利益を第一に考えるという点が大きな特徴である勢力、そして富裕層や大企業に対する規制を強化して資本主義を延命させようとする勢力だ。

 第1の勢力は「強欲」を絵に書いたような人びと。その勢力を代表すると言えそうな人物がチャールズ・コークとデイビッド・コークの兄弟。フォーブスが発表したアメリカの富豪ランキングでふたりはそれぞれが第4位で、ふたりを合わせると第2になる。

 コーク兄弟は石油関連企業を経営していることもあり、大気汚染にうるさい気象学者を排除しようとしている。気候変動の研究を攻撃するキャンペーンのスポンサーとしても有名だ。要するに環境規制に反対しているわけだが、それだけでなく、富裕層への税率を徹底的に下げ、社会保障は最低限のとどめるべきだとしている。

 アメリカのウィスコンシン州知事、スコット・ウォーカーは財政赤字を理由にして、警察や消防を除く公務員の医療保険負担や年金負担を大幅に引き上げ、労働組合の団体交渉権を剥奪しようとして抗議活動に火をつけてしまったが、このウォーカー知事の後ろ盾もコーク兄弟だった。

 最近のアメリカを見ていると、イスラエルと一心同体であるかのように見える。その背後には強力なイスラエル・ロビーが存在しているようだが、こうした関係になったのは中東で民族主義/社会主義が影響力を強め始めてからだ。

 そうした運動を象徴するのは、エジプトのガマール・アブデル・ナセルとパレスチナのヤセル・アラファトだろう。こうした流れに危機感を抱いたのが欧米諸国、特にアメリカやイギリスの支配層。自分たちの利権が脅かされていると感じ始めたのだ。

 そこで接近していった国がイスラエル。イスラエルに近づいていったのは支配層レベルだけではない。ベトナム戦争でアメリカ軍が苦戦するのを見て「神の軍隊」としての幻想が崩れてフラストレーションがたまっていたキリスト教原理主義者は、1967年の第3次中東戦争で圧勝したイスラエルに新たな「神の軍隊」を見たのである。

 1970年代の半ば、ジェラルド・フォード政権では親イスラエル派のネオコンがホワイトハウスで大きな影響力を持ち始める。イスラエルと一線を画していたジミー・カーター大統領に対する親イスラエル派の中傷攻撃は凄まじかった。

 現在、親イスラエル派の象徴的な存在といえば、ニュート・ギングリッチである。やはりイスラエルと一線を画していたビル・クリントン大統領に対するスキャンダル攻勢でも中心的な役割を果たしていた。

 このギングリッチのスポンサーはシェルドン・アデルソン。カジノ業界の大物で、富豪ランキングの第8位。イスラエルと緊密な関係にあり、好戦的なシオニストへ多額の寄付をしていることでも知られている。昨年12月、ギングリッチがパレスチナ人を「捏造された」人びとだと発言して問題になったが、その背景には彼のイスラエル資金が存在していたわけである。

 新自由主義から離脱するべきだと考えている支配層もいる。そのひとりが富豪ランキングの第2位のウォーレン・バフェット。富裕層や大企業への課税強化を訴えている人物として有名だ。最近ではジョージ・ソロスも現在の強欲な経済システムが階級闘争を誘発すると懸念している。ちなみに、ソロスは富豪ランキングの第7位である。

 階級闘争をファシズム化で乗り切ろうとしているのが第1の勢力。既存メディアに対する信頼度が急低下している現在、情報管理を徹底するためにインターネットを規制するつもりのようだ。日本の支配層はこの勢力に付き従っている。





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最終更新日  2012.01.29 02:05:46



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