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シリアでの活動中止をアラブ連盟の監視団が決めた。シリアの体制転覆を目指す勢力としては朗報だろう。政府軍による「住民弾圧の激化」が中止の理由ではない。アメリカ、イギリス、フランス、トルコを含むNATOや湾岸の独裁産油国を後ろ盾とする武装集団の攻勢が激しくなっているのだ。その武装集団にはリビアで体制転覆に成功したアル・カイダ系のグループが含まれていることは何度も本ブログで書いてきた。
リビアやシリアに対する攻撃では湾岸の独裁産油国の中でもカタールとサウジアラビアの動きが目立つ。1月15日にアメリカのネットワーク局CBSが放送した番組の中でカタールの首長はシリアにアラブ諸国が軍隊を派遣するべきだと発言、1月22日にはサウジアラビアのサウド・アル・ファイサル外相も軍隊をシリアへ送り込むように求めている。監視団の目にイライラしていたことがうかがえる。 すでに戦闘部隊をシリアに入れているのはアル・カイダ系の武装集団、「LIFG(リビア・イスラム戦闘団)」。この集団はNATO軍と手を組んでムアンマル・アル・カダフィ体制を倒すことに成功した。カダフィが殺害された後、ベンガジの裁判所にはアル・カイダの旗が掲げられた。自分たちの存在を誇示したのだろうが、彼らの戦闘は場所を変えて続くわけだ。 アル・カイダは新たな戦場へ向かうにあたり、兵士を募集している。兵士だけでなく武器もシリアへ運び込んだという。こうした動きはアル・カイダが一方的に行っているのではなく、シリアの反政府軍と話し合ってのことだ。会談はトルコのイスタンブールで開かれ、トルコ政府の人間も参加したという。 リビアの武装勢力はシリアの反政府軍に資金や武器を提供、兵士の訓練も行うというのだが、SFA(シリア自由軍)の訓練はNATO軍やアメリカ軍が昨年の4月の終わりから5月の初め頃、トルコの米空軍インシルリク基地で開始したとする情報も伝えられている。「平和的抗議活動」が始まった頃だ。トルコ政府がSFAの活動を支援していることは間違いないようだが、レバノンやヨルダンの北部にもSFAの拠点があると言われている。 日本のマスコミがどう伝えているのかは知らないが、こうした事情を西側のメディアも報道するようになっている。それだけ公然と行われている、つまり秘密裏に行う余裕がないのだが、思惑通りに進んでいるとは思えない。ロシアや中国にも揺さぶりをかけているようだが、これも今のところ成功していない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.01.31 00:22:55
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