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《櫻井ジャーナル》

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2012.04.01
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 アメリカが主導する「シリアの友」なるグループの会合が4月1日、イスタンブールで開催された。アメリカ、イギリス、トルコ、サウジアラビアなど約70カ国が集まったというが、目的はシリアの反政府軍を支援することにある。そのため、ロシアや中国は参加していない。

 そうした中、サウジアラビアのサウド・アル・ファイサル外相は、反政府軍への武器供与を義務だと主張しているのだが、AFPによると、この国はすでに武器をヨルダン経由で反政府軍へ供与しているようだ。要するに、サウジアラビアはバシャール・アル・アサド体制を倒すことを目指し、その目的を達成できないなら平和的な解決を望んでいない。

 リビアの体制転覆でも、シリアでの戦闘でも、イギリスは軍事力で問題を解決しようとしている。こうした姿勢を見ていると、1982年のフォークランド/マルビナス戦争を思い出す。

 この戦争はイギリスとアルゼンチンが戦ったのだが、その際、イギリスの首相だったマーガレット・サッチャーは外交的な解決を全く考えていなかったことが明らかになっている。この海域には石油があるので、イギリスとしてはアルゼンチンを完全に排除しておきたかったのかもしれない。

 しかし、イギリスは簡単に勝てない。そこでイギリス軍はアルゼンチン軍に対して白リン弾のような化学兵器を使用しただけでなく、サッチャー英首相はブエノスアイレスを核攻撃するとフランスのフランソワ・ミッテラン大統領を脅し、フランス製のエグゾセ・ミサイルを無力化する暗号を聞き出したと言われている。イギリスは今でも好戦的な国だと言えるだろう。

 さて、ここで現在の中東へ話を戻そう。

 反政府軍を支援する理由をサウジアラビアなどの湾岸産油国は「人道」に求めているいるようだが、こうした国々が反人道的な体制だということは広く知られている事実。民主化を要求する声を暴力的に潰し、最近も人権活動家のモハメド・サレー・アル・ゼナディが軍に銃撃され、負傷している。

 湾岸産油国のひとつ、バーレーンでも民主化を要求する活動が激しく弾圧され、死傷者が出ている。デモなどで負傷した医師や看護師が逮捕されていることも問題になっている。医療関係者を逮捕している理由のひとつは弾圧の実態を隠蔽することにあるとも言われている。

 リビア、シリア、イランなどに対しては「人権」や「人道」を振りかざして制裁を叫んでいる「西側」の国々だが、サウジアラビアやバーレーン、そして勿論イスラエルに対しては沈黙しているどころか、武器を供与している。例えば、EU諸国は2010年だけで少なくとも43億4000万ドル相当の軍事物資やライセンスをサウジアラビアに供与、アメリカは湾岸産油国にミサイル防衛システムを提供する意向だと伝えられている。

 その湾岸産油国はシリア政府軍と戦っているFSA(シリア自由軍)の兵士を「雇う」ための基金を設立しようとしているほか、アメリカも公然と資金面の援助を口にしている。「シリアの友」がシリアを乗っ取ろうとしているように見える。アメリカはシリア政府軍の兵士をカネで誘惑し、「傭兵」を増強するつもりのようだ。これが「西側流民主化」の実態だ。





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最終更新日  2012.04.02 15:14:44



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