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《櫻井ジャーナル》

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2012.12.04
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 今月の10日から22日の期間に朝鮮は「人工衛星」を打ち上げるらしい。日本では「長距離弾道ミサイル」を発射すると表現しているが、ロケットもミサイルも本質的に同じものであり、違うのは印象だけ。つまり、日本のロケットもミサイルとして使うことができる。

 日本でロケットの開発を始めたのは東大の生産技術研究所にいた糸川英夫を中心にするAVSA研究班。1954年のことだ。翌年に名称をSR研究班に変更、ペンシルロケットの発射実験を実施している。

 東大では1964年に宇宙航空研究所を発足させ、81年にはISAS(宇宙科学研究所)へ改組された。その一方、1969年にはNASDA(宇宙開発事業団)が組織されている。東大/ISASは科学衛星の打ち上げ、NASDAは実用衛星、つまり通信衛星や監視衛星の打ち上げを目指していたとされている。2003年、ISASとNASDAはNAL(航空宇宙技術研究所)と共に統合され、JAXA(宇宙航空研究開発機構)になった。

 核技術と同じように、ロケット開発でもアメリカは日本側に協力する。日本は1977年に通信衛星を打ち上げ、静止軌道に乗せているが、この打ち上げで使ったN-Iもアメリカの援助で実現したもの。その後、NASDAはN-II、H-IIを開発した。

 日本のロケットは正確さで問題があったのだが、それを解決したのは1991年12月のソ連消滅。混乱の中、日本はロシアのミサイルSS-20(RSD-10)の設計図とミサイルの第3段目の部品を入手、ミサイルに搭載された複数の弾頭を別々の位置に誘導する技術を学んだと言われている。

 この頃、日本は「月探査機」、LUNAR-Aの開発を始めた。この探査機打ち上げに使われる予定だったのがM-V。月を周回する軌道に入った段階で母船から観測器を搭載した2機の「ペネトレーター」を発射することになっていたのだが、この技術は弾道ミサイルへ直接応用できるという指摘がある。経緯を考えると、弾道ミサイルの技術を使ってベネトレーターを開発したと言うべきかもしれない。

 また、計画では地震計と熱流量計が搭載されたペネトレーターを地面に突き刺し、2メートル前後の深さまで潜り込ませることになっていた。その際、大きな圧力がかかることは言うまでもない。それに耐える機器を作るために必要な技術があれば、小型のバンカー・バスターを製造できるとされている。

 LUNAR-Aでこうした技術が完成すれば、日本は高性能の核兵器運搬手段を手にしていたわけだ。が、このプロジェクトは2007年に中止が決定されている。ただ、ペネトレーターに関する技術については目処がついているようで、実際に打ち上げる必要がなくなったという見方もできる。

 日本に比べるとロケット/ミサイルの開発が遅れている朝鮮だが、国外から何らかの技術的な支援がないとは言えない。ロシアや中国は東アジアでの軍事的な緊張が高まることを嫌っているようだが、そうした国以外とも朝鮮はつきあいがある。

 例えば、1980年代にはイスラエルへカチューシャ・ロケット弾を売却している。CIAで破壊工作(テロ)を実行していた人脈の設立したGMTがイスラエルへまとまった数のロケット弾を注文したのだが、旧式すぎ、それを調達できるのは朝鮮だけだったのである。イスラエルの担当者は平壌で朝鮮の国防大臣と会って交渉、商談は成立した。ロケット弾はイランへ送られている。

 アメリカ国防総省の情報機関、DIAによると、1990年代に統一協会が多額の資金を朝鮮に提供している。1991年に4500億円を寄付、さらに300万ドルを金正日(キム・ジョンイル)の誕生日プレゼントとして朝鮮へ送ったという。1994年には朝鮮が統一協会系の商社を介してロシアの潜水艦12隻を購入しているともされている。

 統一協会は韓国やアメリカの情報機関と緊密な関係にあることが知られている。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領と協会との関係は有名だ。日本の多くの「極右政治家」も統一協会と深く結びついている。今回のロケット/ミサイル発射にこうした関係が影響したとしても驚きではない。





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最終更新日  2012.12.05 10:38:16



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