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《櫻井ジャーナル》

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2013.02.04
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 サイバー兵器で外国を先制攻撃するように命令する権限をバラク・オバマ米大統領は手にした、と報じられている。が、アメリカがサイバー攻撃をしかけていることは多くの人に知られていたこと。昨年5月にイランで発見された「フレーム」と呼ばれる不正プログラムもそうした兵器のひとつである。NSA(電子情報機関)を中心とするアメリカの情報機関が開発し、イスラエルの8200部隊が協力したと言われている。

 サイバー攻撃はジョージ・W・ブッシュ政権が始めたのだが、次のバラク・オバマ政権はそれを加速させたと報じられている。ブッシュ政権はサイバー攻撃でなく、戦闘機やミサイルなど現実の兵器を使ってイランを攻撃したがっていた。

 フレームは侵入したコンピュータ・システムに関する情報を入手して外部に伝える不正プログラムで、LANやUSBスティックを介して伝染すると見られている。2010年夏に見つかったスタックスネットはコンピュータ・システムを破壊することができ、フレームのプラグインだったという。つまり、両プログラムは同時期に、少なくとも情報を交換しながら開発されたということになる

 フレーム/スタックスネットでイランのコンピュータ・システムを攻撃した目的は、核開発プログラムを止めることにあったという。イランの核兵器開発は2003年の時点で止まっていると見られているが、発電のためであっても認められないと考えている人たちがいる。核兵器と原子力発電は密接な関係にあると認識しているのだろう。実際、日本でも原発が核兵器の開発に結びついている可能性は高い。

 こうしたサイバー兵器だけでなく、アメリカの軍や情報機関はコンピュータ・システムやインターネットを舞台にした工作を続けてきた。例えば、1970年からアメリカとイギリスは世界規模で通信を傍受するシステムを築き上げ、80年代になると各国政府や国際機関のデータベースに「バックドア」を仕込み、情報を収集しはじめている。

 その過程でアメリカの司法省がINSAW社の開発した情報の収集分析システムPROMISに注目、そのシステムを手に入れて情報機関、あるいは情報機関の内部に入り込んでいたグループへ渡している。

 その後、トラップドアが組み込まれたPROMISが全世界で販売されるのだが、トラップドア付きシステムは2種類存在した。イスラエルの情報機関にも渡され、アメリカ版とイスラエル版が流通したのだ。

 日本では大手都市銀行や動力炉・核燃料開発事業団(後に日本原子力研究所と統合され、今は日本原子力研究開発機構)が購入したとする情報がある。CIAは日本が核兵器を開発していると確信しているので、そのためにプルトニウムの動きを追跡しようとした可能性がある。

 このシステムが世界的に注目されたのは、PROMISを司法省がINSLAWから横領したという判決を破産裁判所と連邦地裁が出したからである。下院司法委員会も同じように判断している。「司法省が横領した」という判決を欧米のメディアは報道する価値があると考えたのだが、日本のマスコミは違った。司法省が犯罪を犯すのは普通のことでニュースとしての価値がないと考えたのだろう。

 1991年にポール・ウォルフォウィッツ国防次官は、シリア、イラン、イラクを掃除すると話していたというが、その直後にイランの軍防諜局がクリプトAGというスイスの会社のテヘラン駐在員ハンス・ブエラーをスパイ容疑で逮捕している。この会社の暗号ソフトには、NSAが解読できるように、「秘密のカギ」が組み込まれていたのである。クリプトAGはシーメンスの秘密の子会社で、NSAの人間が顧問として働いていた

 最近、中国によるサイバー攻撃をマスコミは大きく取り上げている。外国から大規模なデジタル攻撃がある信頼できる証拠が浮かび上がってきたならアメリカは先制攻撃できるそうなので、攻撃の雰囲気作りをしているとも見える。

 しかし、サイバー攻撃の主体が誰なのかを特定することは簡単でない。コンピュータを熟知した人びとにとって、インターネットの世界で別人になりすますことは可能で、他人のパソコンを遠隔操作して犯罪予告していたことが日本でも発覚している。予告した本人が明らかにするまで警察は無関係の人間を逮捕、マスコミは警察情報を垂れ流し、容疑をかけられた人物の中には「自供」した人もいたという。個人ができるなら、巨大な組織や国家機関はそれ以上のことができるだろう。簡単に結論を出すことはできない。





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最終更新日  2013.02.05 00:24:41



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