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《櫻井ジャーナル》

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2013.09.14
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 アメリカの支配層、特にネオコン(親イスラエル派)や戦争ビジネスはシリアに対する直接的な軍事介入を実現しようと今でも必死のようだが、状況に大きな変化はない。今、議会で議決を採れば開戦は拒否される可能性が高く、外交的に解決するような姿勢を見せざるをえない。

 シリアの反政府軍は、政府軍寄りだと見なした人びとを攻撃、建造物を破壊するだけでなく、虐殺と誘拐を繰り返してきた。犠牲者の中にはカトリック教徒も含まれ、ローマ教皇庁へもシリアに関する情報は届いている。そうしたこともあり、ローマ教皇は欧米の軍事介入に否定的な見解を発表しているのだろう。

 中東/北アフリカで欧米の巨大資本に服わない体制を倒そうとしている勢力は、時間稼ぎしているあいだにロビー活動、あるいは何らかの工作で雰囲気を一変させるつもりかもしれないが、厳しい環境にあることは間違いない。

 そこで、自分たちが劣勢だという印象を持たれないように宣伝している。彼らは、自分たちが「負け犬」だと思われ、一気に人心が離反してしまうことを恐れているはずだ。武力制圧が難しくなり、ロシアの提案に乗らざるをえなくなった言い訳は定番の「武力行使をする脅威を与えたことが、外交交渉の発端となった」というもの。いわば、ポーカー仕込みのはったり。

 リビアでもそうだったが、シリア政府は当初から話し合いによる解決を模索していた。それに強く反対してきたのが体制転覆を目指す「西側」や湾岸産油国、そして反政府軍。完全な傀儡体制を築くためには、軍事的に前体制を殲滅するしかない。

 しかし、シリアでは武力行使が難しくなった。アメリカ政府は仕方なく外交交渉に切り替えたのである。その方針転換に反政府軍は強く反発した。

 反政府軍の主力はアル・カイダ系のアル・ヌスラ。現在、アル・カイダを率いているとされているアイマン・アル・ザワヒリはアメリカでの破壊活動を口にしているが、このザワヒリとエジプト、パキスタン、スーダンで行動を共にしていたシェイク・ナビル・ナイイムによると、彼はアメリカの二重スパイ。アル・ヌスラを指揮しているモハメド・アル・ジャウラニはCIAの工作員だともナイイムは推測している。

 アル・ヌスラが化学兵器を保有していることを示す情報は次々に出てきている。リビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された後、リビアからシリアへ運び込まれた、あるいはサウジアラビアが提供しているという情報のほか、最近ではイラクから持ち込まれているという話が伝えられている。

 5月27日、サリンが入れられた2キログラムのシリンダーがトルコ南部に潜伏していた反シリア政府軍戦闘員の住居で発見され、後にアル・ヌスラのメンバー12名が治安警察に逮捕された。後にアダナ県の知事は否定したようだが、アメリカ軍のルートから機密文書がリークされ、報道は正しかったことが確認されている。

 このサリンはイラクのアル・カイダ(AQI)が実験室規模の装置で生成した「キッチン級」で、トルコを経由してシリアへ運び込んでいたようだ。このサリンを武装グループへ提供している人物は、サダム・フセイン時代に化学兵器製造で中心的な役割を果たしていたアドナン・アル・ドゥライミ准将だという。アメリカ政府は、この人物の活動を黙認しているということだろう。

 8月21日の攻撃で犠牲になった人びとを見て、使われたのは「希釈されたサリン」ではないかとも言われている。それだけでなく、犠牲者が子どもと成人男性だけで、しかも同年代の子どもが並べられ、親が見当たらない。このことに疑問を持つ人も少なくない。

 また、防護服やマスクをつけず、最初に犠牲者の頭髪と衣服へ最初に触れた人は、付着しているサリンで死亡、あるいはダメージを受ける可能性がある。介護者が無防備の状態で犠牲者に触れているのは不自然で、しかも、その介護者が何をしているのか不明だと指摘され、中には介護者が子どもを毒殺しているのではないかと疑う人もいる。

 犠牲者の大半が子どもと成人男性だということから、クルド系住民の居住地やラタキアから拉致された子ども、あるいは捕虜なのではないかという推測も流れている。ラタキアでは約200名が殺され、150名以上が連れ去られたと言われ、拉致された子どもの親も多くは殺されている。そこで確認は難しいのだが、一部の子どもについてはラタキアから連れ去られたと確認されている。

 アメリカ政府は今でもシリア政府軍がゴータを化学兵器で攻撃したと強弁しているが、説得力はない。権威に弱い人が多い日本では信じる人もいるかもしれないが、日本のマスコミが「御得意」の世論調査を発表していないところをみると、アメリカ政府を信頼していない日本人が多いのだろう。

 アメリカへの信用失墜は、「集団的自衛権」と称して自衛隊をアメリカ軍の下請け部隊にする計画を進めている日本の政府やマスコミにとって大きな痛手。マスコミは必死に「大本営発表」を続けている。勿論、この「大本営」は東京でなくワシントンDCにある。





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最終更新日  2013.09.15 01:39:14



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