27782676 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2013.12.05
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 今月3日にサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官がロシアを訪れてウラジミル・プーチン大統領と会談したという。イランとシリアに関する問題が話し合われたようだ。

 バンダル長官は今年7月31日にもロシアを訪問している。その際、シリアからロシアが手を引けば、OPECはロシアと協力して石油市場をコントロールする用意があり、武器の購入というビジネスの話もしたようだ。つまり利益をちらつかせての懐柔。その一方、ソチで開催が予定されている冬期オリンピックをチェチェンの武装グループに襲わせる可能性があることを示唆して脅したため、両者の関係は険悪になったと言われている。

 サウジアラビアがシリアやイランの体制転覆を目指して動き始めたのは2007年より前のこと。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがニューヨーカー誌に発表した記事によると、サウジアラビアはアメリカやイスラエルと手を組み、シリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始していた。その手先になるのがイスラム教スンニ派の武装グループ。

 1970年代の終盤からアメリカがアフガニスタンで始めた秘密工作にはサウジアラビアとイスラエルも協力、両国の同盟は遅くともその時点では始まっている。そのアフガニスタンでアメリカの情報機関や軍がパキスタンの情報機関と一緒に編成したのがスンニ派の武装勢力で、そこからアル・カイダも生まれた。こうした武装勢力のスポンサーがサウジアラビアであり、そうした関係をバンダル長官はモスクワで口にしてしまったわけだ。

 アル・カイダは「基地」や「基金」といった意味がある。単なる「データ・ベース」にすぎず、いわばサウジアラビア系列の「派遣戦闘員」のリストだともいう。戦乱で経済活動が衰退している中東/北アフリカにおいて、傭兵は庶民が稼げる数少ない職業だと言う人もいる。

 イラン政府とバラク・オバマ政権との話し合いを懸念する声はアメリカの親イスラエル派、イスラエル、サウジアラビアなどから出ている。サウジアラビア初代国王を祖父に持つ富豪、アルワリード・ビン・タラールもサウジアラビアとイスラエルが同じ側に立っていることを認めている

 2009年7月から今年9月まで駐米イスラエル大使を務め、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に近いと言われるマイケル・オーレンはエルサレム・ポスト紙のインタビューで、イスラエルは最初からシリアの体制転覆を望み、アル・カイダを支援してシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしてきたと言明したという。「西側」のメディアは「萎縮」して語らない事実、つまりイスラエルがシリアの体制転覆を最初から望み、アル・カイダと同じ側に立っているということを認めたのである。

 シリアのバシャール・アル・アサド体制を転覆させるため、外部勢力は自国の特殊部隊を潜入させるだけでなく、イスラム武装勢力を使ってきた。当初、トルコにあるアメリカ空軍のインシルリク基地で戦闘員を訓練、トルコ側に拠点を築いて反シリア政府軍は戦ってきた。

 今年5月には、そのトルコで2キログラムのサリンを持ったアル・カイダの戦闘員が拘束されたという報道があった。トルコ、あるいはヨルダンでアメリカや一部のヨーロッパ諸国は軍事会社を使い、反シリア政府軍に対して化学兵器の扱い方を訓練していたとも伝えられている。

 そのヨルダンではCIA工作員、あるいはヨルダンやイスラエルの特殊部隊員が反シリア政府軍の戦闘員を数カ月にわたって訓練、8月17日には250ないし300名、19日には300名をゴータからダマスカスへ向かわせたとする情報がある。そのゴータで8月21日未明、化学兵器が使われたとされている。現在、ヨルダンにはイスラエルとサウジアラビアの将校が動かしている軍事作戦センターがあるとシリア政府側は主張している。

 シリア政府軍が化学兵器を使ったとする「西側」の公式見解は疑問点だらけで説得力がなく、サウジアラビアが送り込んだ戦闘員が使ったとする証言や報告があることは本ブログで何度も書いてきたことなので、今回は割愛する。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.12.05 20:20:36



© Rakuten Group, Inc.