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《櫻井ジャーナル》

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2014.06.24
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 安倍晋三首相は集団的自衛権を行使できるようにしようと必死だ。勿論、目的はアメリカの軍事戦略へ日本を組み込むことにあり、「自衛」という文字を使っているのは一種の幻術。アメリカが先制攻撃で他国を侵略している。例えば、ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナで起こったことを見ても明らか。つまり、集団的自衛権とは軍事侵略の片棒を担ぐことであり、担当させられるのは中国との戦争だろう。

 「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」が集団的自衛権を行使するひとつの条件だというが、「我が国と密接な関係にある」アメリカが他国を先制攻撃し、反撃された場合、アメリカ軍の基地が存在する「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」と判断してアメリカの侵略戦争に荷担することになる。

 例えば、アメリカがイラクを先制攻撃したときにジョージ・W・ブッシュ政権はイラクがアル・カイダと関係があるかのような情報を流し、大量破壊兵器を保有し、今にもアメリカを核攻撃するかのように主張していたが、いずれも嘘だった。その後、アメリカが嘘をつかない正直な国になったと考えることはできない。しかも、嘘をつかれたことを日本の政府やマスコミは問題にしていない。「防衛戦争だ」と宣言するだけで「侵略戦争」は実行できる。

 現在、イラクではISIS(イラク・シリアのイスラム国、ISIL/イラク・レバントのイスラム国やIEIL/イラク・レバントのイスラム首長国とも表記)がファルージャとモスルを制圧、石油施設も押さえつつあるようだが、この集団を動かしているのはサウジアラビアのアブドゥル・ラーマン・アル・ファイサル王子であり、ARAMCOが資金を出し、ヨルダンで軍事訓練を受けていると言われている。

 この武装グループが移動している様子はアメリカのスパイ衛星がとらえているはずであり、地上のスパイも情報を入手していただろう。バラク・オバマ大統領もISISの動きを知っていたと考えるのが常識。アメリカの大統領はブッシュ・ジュニアからオバマへ替わったが、嘘つきであることに変化はないようだ。

 ウクライナでは合法政権を「西側」の巨大資本と結びついたオリガルヒやNATOの訓練を受けたネオ・ナチがクーデターで倒し、オデッサや東部/南部の地域で住民を虐殺していることも日本の政府やマスコミは問題にしていない。それどころか、このクーデター派を応援している。

 このクーデターでアメリカ/NATOに拠点を提供、ネオ・ナチのメンバーも軍事訓練したポーランドのラドスラフ・シコルスキー外相は元財務相と私的な会話の中で、ポーランドとアメリカの同盟は無価値であり、全く有害であり、ドイツやロシアとの争いに発展するとしたうえで、アメリカ人に「フェ●チオ」をしているので、全てが最高になるとポーランド人は思っていると自嘲気味に語っている。日本とアメリカとの関係にも当てはまることだ。そんなアメリカと集団的自衛権で結びつこうなどということは正気の沙汰ではない。





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最終更新日  2014.06.25 04:57:08



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